店への訪問者
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「はあ、」
俺は外で鳴いているセミの鳴き声を遮るように大きなため息をついた。ボスからは圧をかけられ、若手からは成果を出さない無能と思われ見下される毎日。正直、ため息で耐えられているのが奇跡であった。明日もあの研究室に、いやあの地獄に行かなければならないと考えるごとに頭が痛くなってしまう。
ピロンッ。
静寂の空間に通知音が鳴った。スマホの画面に映し出されたのは数少ない友達の駿。めったにラインでメッセージを送ってこない彼だったが長文のメッセージが送られてきた。
―久しぶり、いいとこ見つけたんだよ行ってみて。あの、西成の近くの店なんだけど多分おまえにはぴったりの店ではまるとおもうからお金使いすぎないようにな。店の位置送ったから見といて、店に入ったら送ったQRコード店員さんに見せて。できるだけ早くいくのがおすすめ―
ピロ、ピロンッ。
メッセージに加えて2つの通知が来た。QRコードとマップ、これがさっき言っていたやつか。マップには「クラブ ココア」という店を示している。しかし久しぶりに連絡してきたと思えばクラブの紹介をしてくる、駿はこんなやつではなかったのに。俺は少し残念に思った。でも逆に考えれば店の紹介を優先してしまうほど良かった店なのか。
俺は文をもう一度読み直して違和感を感じた。「できるだけ早く行くのがおすすめ」という最後の文。別にいつ行ったとしても初めてだし狙っている女の子とかもいない。なんでこの文を最後につけたのかわからないがそこまで言うなら早く行ってみようと感じた。
そう決めたものの俺の研究室は非常にブラックであり休暇などほぼない。休暇を作れたとしてもどうせ急用として呼び出される。休暇を仕事へと無理やり変えさせられる、そんな仕事場であった。俺は一生懸命考えた。研究室が呼び出すことのできない休む理由を。1時間ほど考えた。
「お葬式しかないか……」
親族に不幸があったと言えば大学もさすがに呼び出すことはないだろうと思い、ボスにメッセージを送った。俺は殺してしまった架空の親戚に謝りながら眠りについた。
―次の日の朝―
「えっ……」
俺は時計を見て顔が青くなった。時計は午前9時を示している。
「仕事が……終わった」
と思ったが仕事を休んだことを思い出し俺の顔は安堵の色。
俺は着替え、歯磨き、朝食をすませ、駿がおすすめしていた店へと向かっていった。
「ここか……」
マップの示した場所に行ってみたが何の変哲もないマンションであった。中に入り少し散策してみると案内が目に入った。カラオケや雀荘に並んで「6階 クラブココア」と書いてある。見る限りエレベーターはこの建物にはないらしい。ここまできたら階段を使って6階までいくしかない。しかし毎日研究室にこもっていた俺からすると正直一歩一歩がとても重い。俺は明日筋肉痛になる覚悟を決め6階を目指した。
1階、2階……と回数が増えるごとに多量の汗が噴き出してくる。今は7月、セミも大喜びの夏である。正直来る季節が悪かった。そう考えているうちに6階についた。
6階には衝撃の光景が!!!
次回お楽しみください。
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