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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

夜よりも昏く【#声劇夢十夜 参加作品】

作者: kotatu821
掲載日:2026/03/11

【#声劇夢十夜 参加作品】


「夜よりも昏く」

作:こたつ



概要

漱石の夢の中に生まれた愛はどれだけのことができるのか、と言う話。


yukaさん率いる総勢10名のシナリオライターが夢十夜それぞれを独自の解釈で描く声劇夢十夜、その夜の一つをまかせていただけて光栄です!

スタンプラリーの「夢廻り」、クイズの「夢解き」、両方楽しんでくださいませ!




「その手を握る、星のありかを。しかして私の導きは──夜よりも昏い。」



夏目(なつめ)/不問 (めくら)。妖しい雰囲気の大学の後輩


森見(もりみ)/不問 大学の頃の先輩。心優しかった。昔のことだが。


約30分

不問2


夏目:

森見:

_________________



森見:神はいない。どこにも。俺/私が天罰を受けていないから。


夏目:誰かそこにいますか


森見:誰にも見つかってはいけない交差点。そこにあいつはいた。


夏目:悪いけど、助けてくれないかな。


森見:見られた。ここにいるとバレた。しかし、どうやら今日はツイている。


夏目:このとおり(めくら)でね。


森見:やはり神などこの世にはいない


夏目:横断歩道、一人で渡るには無謀だった。


森見:今回も、ああ。きっと上手くいく。


夏目:ねえ君、助けてよ。聞こえてる?


森見:あとはどう始末をつけるかだ。ああ、しかし運命があるなら…。


夏目:ね、君もしかして森見(もりみ)先輩じゃない?


森見:どうしてよりによって、知り合いなんかを引き合わせるんだ。


夏目:ねえ先輩、助けてよ。昔みたいにさ。




<<場面展開>>

<<森下のアパート。階段を登っている>>



夏目:んも〜!久々に会った後輩を家に連れ込むんならバリアフリーくらいしなよ!ここ階段手すりないの〜?


森見:ないよ、一人暮らしの限界アパートだからな。なんと電気も止まりかけ。


夏目:え〜?君就職したんじゃなかったっけ?


森見:いろいろあって、ね。


夏目:劇団でしょ?いいよね〜。水本有紗(みなもとありさ)さんだっけ?先輩の推し〜!


森見:まあ、その、辞めちゃって──


夏目:(被せて)まあまあ3年ぶりなんだ!部屋で頼むよ。酒はあるんだろうね?


森見:下戸(げこ)のくせに好きなやつだ、相変わらず。


夏目:あとこたつ!家で酒なら外せない!


森見:へいへい。


夏目:なあ、その重そうなの、酒なんだろぉ〜?楽しみだね、まったく


森見:(驚く)……なんでわかった


夏目:(めくら)のくせに、かい?怖い声出すなよ。


<<階段の一段がボロボロで危ない>>


森見:……そこ気をつけな。欠けてる


夏目:え?うわあ!(踏み外す)


森見:っと(手を掴む)


夏目:……っぶな〜!ナイスキャッチだよ先輩!


森見:懐かしいな。お前との出会いもこんな感じだった


夏目:大学の頃だね?まったく同じ状況とは。目が見えてたらときめいていたかもな


森見:それならそもそも踏み外さんでしょ。


夏目:ツレないなぁ



<<場面展開>>

<<森下の家。こたつを囲んで酒盛り>>



森見:夏目…飲み過ぎじゃない?


夏目:なんの!まだまだビールふた缶目だよぉ


森見:や〜い雑魚の下戸(げこ)〜!


夏目:雑魚の、下戸ォ!?いいだろう君、飲み比べバトルといこうか!負けたら私を介抱すること!


森見:それこっちのメリットなくない?


夏目:酒が飲めるだろぉ!


森見:ふ、バカで雑魚の下戸(げこ)


夏目:ば、ばばば、バカで雑魚の下戸ォ!?!?ンギーーー!!!(これは奇声です。好きな奇声をあげてオリジナリティをだそう!!)


森見:あはは!アホの遠吠え


夏目:ミ°ーーーー!(好きな奇声をあげよう!)


森見:ひぃ、笑い死ぬ……!

(息切れ)久々に夏目と会えてよかったよ。


夏目:んぁ?


森見:ここ最近気分が沈むことばっかでね。こんなに楽しいのは久々だ。


夏目:くすぐったいことを言うな君は。


森見:潰れるまで飲もうよ


夏目:えぇ?介抱は頼むよせんぱぁい。なにぶん盲な上酔っ払いときた!放り出したら死んじゃうかもね


森見:……


夏目:ねー君、あんなとこでなにしてたの?


森見:あんなとこ?


夏目:今日交差点で私を助けてくれただろ?あそこ、滅多に人が通らないんだよ。


森見:んー…


夏目:あそこから行けるの、山しかないんだよ。


森見:…お前に関係ないだろ(外で引きずっていたモノを見る)


夏目:ビール、冷えてたね。


森見:(声をすこし震わせて)ああ、冷蔵庫で冷やしてたから…


夏目:じゃあ何引きずってたのさ先輩。ビールじゃないなら、何を。


森見:(息を呑む)


夏目:…この通り目が潰れただろ?すると声に集中するしかないわけだ。

声が震えてるよ。


森見:…ねえ、先輩だよ。敬語。


夏目:ふふ、癖が抜けてないね。都合が悪くなると私の敬語のことばかり。


森見:…


夏目:先輩、話変えようか


森見:うん。


夏目:そこに転がってるの、誰?



<<場面展開>>

<<外。夜の交差点。灯りはごく少ない>>



森見:(M)殺そうと思った。


夏目:あーー言うんじゃなかったなぁ〜


森見:(M)殺すしかない、と。水本(みなもと)の旦那のように


夏目:ねー先輩、どこいくのー?介抱にしちゃ結構歩いたよ〜


森見:(M)今日は人生で最悪の日だと考えたが


夏目:さっきからダンマリだしぃ……


森見:(M)悪いのは世間で、水本(みなもと)で、殺したあいつで、そうして誰も彼も悪くなかったんじゃないかと思い、


夏目:お話ししよ〜よ


森見:(M)いつもの通り、「悪いのは自分だけだ」と結論づけた

哀れなのは何よりこの盲の後輩だった。


夏目:さっきの聞いちゃダメだった?


森見:お前は怖くないの?


夏目:お!話してくれるの?


森見:怖くないの?殺人鬼の背中で。


夏目:ん〜、まだ介抱の途中なのかも。なんて、はは。


森見:水本有紗(みなもとありさ)って覚えてる?


夏目:お、先輩の推し演者。


森見:あいつさ、悪い男に引っかかったんだ。口先と愛想笑いばかりのクズに。


夏目:あ〜…まさか結婚した?


森見:そ。それで劇団もやめて、(せき)だけ残して支援してくれてた。


夏目:そっか。


森見:死んだんだ、水本(みなもと)。自殺で。


夏目:そ…っか。残念だね


森見:葬式もしてくれないような旦那に捕まっちゃったせいで。


夏目:ふぅん…


森見:あんなやつのために死ぬことなかったんだよ。あんな、人を人とも思ってないようなクズなんか──


夏目:殺したんだ。


森見:……


夏目:まさか、まさか本当に?殺して埋めたんだ先輩。


森見:(息を詰まらせる)


夏目:私より先に、その人を。


森見:は…?


夏目:ああ、ああ。嬉しいよ。私のことも、殺すつもりなんだね。



<<場面展開>>



夏目:(M)嬉しかった。

先輩が人殺しで本当に嬉しかった。

運命が変わるかも知れない。

私以外のやつを殺して、どこかに埋めていていたなんて。

先輩は私の星だった。漱石の夢が私から光を奪ってから、ずっと。

私の暗闇は星の明かりを臨む夜になって、導きの星はなおも昏く輝く。

しかし漱石の亡霊が夜にある私に夢を見せる。物語を続けろと。運命はまだ回っているのだと。

まだ物語は崩れない。あの杉の根に死体が埋まっている限り、私は星を殺す運命にある。



<<場面展開>>

<<夜。森に至るあぜ道>>




夏目:意外だなぁ…先輩、人なんて殺せるような人に見えなかったのに


森見:ハッ、「殺せるような人」だったんだよ。だから埋めたし、殺せたし。

だからお前も殺して埋めるよ。


夏目:…いいね。君、その方が好感が持てる。


森見:おかしなやつだよ。殺人鬼の背中で声も出さず大人しく死を待つなんて。


夏目:さて。私なりの愛だよ。


森見:……(田んぼを見ながら歩く。行き先を思案している)


夏目:田んぼにかかったね。


森見:(動揺)なぜわかる


夏目:なぜって、(さぎ)が鳴くじゃないか


森見:(M)果たして鷺がふた声ほど鳴いた。


夏目:…ふふ。


森見:…?


夏目:(溢れる笑い)ふ、ふふふ


森見:なんで笑ってるんだ


夏目:変わらないなと思っただけさ。昔から、うんと昔からね。


森見:はあ…?


夏目:先輩、重いかい?


森見:重かあない


夏目:重いって言ったら締め殺すとこだった


森見:怖いな


夏目:ふふ、どの口が。


森見:……


夏目:身の上話くらいしなよ、先輩。聞いたげるよ。


森見:…この町は優しい。道端でうずくまってたら声をかけてくれる。コンビニで財布を忘れたら走って追いかけてきてくれた。


夏目:ほう?


森見:誰も死体を埋めた帰りとは思ってくれない。


夏目:……なんだ、部屋のアレは二人目か。


森見:おばちゃんがさ。話しかけてくるんだよ。いい天気だねって。こんなクズに。人殺しにさぁ……


夏目: (M)真っ黒な光が差した


森見:部屋のあいつね、埋めた人の旦那さん。殺して、埋めるところに、


夏目: (M) 人生のすべてを照らすように感じた。


森見:お前と出会ったんだ。


夏目: (M)暗い夜に、


森見:運がないね。お前も、あの旦那も。


夏目: (M)導きの星はなお(くら)く輝く。




<<場面転換>>

<<夜闇の森。杉林>>

<<ある杉の木の根元につく>>


森見:このあたりだったはずだよ。水本を埋めたのは。


夏目:へえ……え?


森見:今更怖く(なったか)


夏目:(被せて)あは、あははは!


森見:な、なんだ?


夏目:君、この森に死体を埋めたのか?まさかその杉の根のあたりじゃないだろうね?


森見:は?


夏目:くくく、まさか、先客がいるとは。


森見:え、なんで見えて──


夏目:見えてないよ。盲だからね。でもわかるんだ、なにせ私はそこに埋まっていた。


森見:な、なんだ、なんなんだお前


夏目:そこには私が埋まるはずだった。正確には、埋まっていたはずだった。

くく、見るも無惨に掘り返され、あまつさえそこに別の死体が埋まってしまったわけか。


森見:(荒い呼吸、怖がっている)


夏目:ああ……漱石の夢が醒めてゆくのを感じる。物語はもはや続けられない。


森見:漱石…?いやまて、何か聞き覚えが…

待て、待ておまえ、いつから(めくら)だったんだ


夏目:なに、昔からさ。


森見:…夜、鷺の声、森……(思い当たる)ああ…!


夏目:ああ、まさかこんなことになるとはなぁ。


森見:おぶってやっている、目下のくせに対等な口調の、(めくら)…!


夏目:君なんだ。

君を見て、星のようだと思った。

笑っちゃうけどね、私はそれを運命だと思ったんだよ。


森見:ああ、そうか、ここで死ぬのか…ここが、こんなところが…!


夏目:あははは!ばかな人。もうしないよ。


森見:へ…?なんで…?


夏目:手を握ってくれただろ。階段から落ちかけた時。


森見:それは…


夏目:君に初めて会った時、君を殺そうと思ってた。

漱石の夢が取り憑いて私の目から光が消えた。そうして君を殺せと囁き続けるんだ。文化五年辰年に私を殺して埋めたんだって。復讐なんだって。


森見:(震えている。状況が飲み込めていない。小さい声で「え…?」とか「は…?」とか言ってもいい)


夏目:君を殺せば目が治ると思った。こんな暗闇に居続けて、頭がおかしくなる前に君を殺そうとした。君と初めて会ったのは階段だったな。

そんな私に…君は何をしたと思う?


森見:わか、らない。殺されるようなことをした覚えは──


夏目:(被せて)私を助けてくれたのさ


森見:…大袈裟だよ。あんなの誰でもおんなじことした


夏目:さっきの話じゃないんだ。大学の頃さ。君と初めて会った時。


森見:なおさら大袈裟だ。お前は階段からほんの少し滑っただけで、支えなくても落ちたりしなかった


夏目:助けたんだよ、それでも。

無計画なガキだった私は君を突き落とそうとしてたんだから。


森見:なっ…


夏目:あまつさえ、手を取ってくれたね。

階段を降りるまで。目が見えないなら危ないだろうって


森見:……


夏目:その時からだ。私の周りに広がるのは暗闇でなく、夜だと思うようになったのは。

君の優しさは星だったんだよ。私の。導きの星……


森見:人殺しにそんな言葉をかけないでくれ……


夏目:君が星になってくれたから。

私は暗闇に放り出されたんじゃなく、夜にいただけと知ったんだ。

星を数えながら歩くことがどれだけ私の救いになったか…。

君が、君の光が。それだけがただ私のよすがだった。


<<長い間>>


森見:………それでも………もう、背負ってられないんだ。好きな人を埋めて、その旦那殺して、その上慕ってくれてる後輩も殺そうとしてる…………怖いんだ。もう、生きていくのが怖い……


夏目:何を怖がっているんだ君。


森見:だって…


夏目:さっきまで私を殺す気でいたくせに。


森見:(言葉に詰まる)


夏目:君、気づいていないふりがうまいな。

楽しかったんだろ、人殺し。


森見:は、はぁ!?自分が何言ってるかわかってんの…!?殺人なんだよ!?


夏目:そうじゃなきゃ私をここまで運ぶ理由がない。


森見:ご遺族のことを考えたことある?その人たちはこの人を想ってずっと悲しむ!だいたいおまえは──


夏目:えい(口に手をぱちん)


森見:ぶっ


夏目:あは!やっぱりだぁ


森見:(顔掴まれえる)な、なぬぃ?なにしてるの!


夏目:君気づいてないの?


森見:なにが!


夏目:顔が笑ってるよ?


森見:え、……え?


夏目:人殺し、そんなに楽しかった?


森見:(じわじわ荒い呼吸になる)


夏目:教えたげよっか。私の手のひらの中でね?いっぱい殺したーいって顔してるよ?


森見:あいつは…!あいつは水本を殺したも同然だ!全部に絶望して水本は死んだ!だからあいつも──


夏目:殺してもいいだって君?なら聞くがね、誰がそんなこと君に頼んだんだい?人を殺すほどの決心を誰が君に託した。


森見:(言い返せない)


夏目:違うよねー?だーれも悪くないもんね?


森見:…ああ、そうだった。誰も彼も、水本だって「殺してくれ」だなんて言ってなかった………。


夏目:全部全部、悪いのは君だもんね?


森見:ああ、そんな、そんな……人を殺したかったのは俺/私だけかよ……!


夏目:ふふ、あはは。ハッピーバースデーだね。自分の気持ちをようやく知れた。


森見:……知らなかったんだ。

あんな旦那が、それでも水本を愛してたなんてこと………。

死の間際に……名前を呼んでたんだよ………


夏目:ふふ、意外だよね。人間って生きてるんだよ


森見:見ちゃったんだよ。人は死ぬ間際、人間性を発露する。

信じられなかった。どんなクソ野郎でも死に際だけは美しかった。


夏目:そんな理由で私まで?


森見:ああ、信じられない。こんな事思うことさえ許されない。こんなことを考えるような人間だったのか………


夏目:言っちゃえよ。ここまできたんだから。


森見:…………………人を殺したことより、美しいものを見られた喜びが勝っている……


夏目:…(微笑む)


森見:ああ、ああ、怖いよ夏目…もうこれ以上進めない、進んだらもう戻れない気がする


夏目:何を怖がっているんだ君は。

死体は起き上がってこない。肉親もそこに埋めただろ


森見:違うんだ。違うんだよ夏目……


夏目:何が違う?それで終いのことじゃないか


森見:もう何人か…


夏目:…?


森見:殺しちゃいそうで怖いんだ


夏目:あは!殺人鬼♡


森見:………………


夏目:私のこと、殺してみる?


森見:もう……できない………


夏目:え〜個人的には殺されてあげてもいいけど…3人目ってのが気に入らないかな。


森見:(絶望している。涙ぐんでもいい)


夏目:逃げようじゃないか君。部屋の死体を解体(バラ)して埋めて、私と一緒にどこまでも。


森見:そんな…そんなことしたら…!


夏目:まだ気づいてないのかい?

私は君のためならなんだってできる。

漱石を気取るなら、「もう取り返しが付かないという黒い光」が君だ。もう私たちの人生はそれに照らされ尽くして、他の未来は塗りつぶされた。


森見:きっと許されないよ…?一生追われ続けることになる


夏目:許されないことがしたいんだろ?一生逃げ続けようじゃないか。その手の知り合いがいる。


森見:そんな、やめてよ、そんなこと言われたら──


夏目:(被せて)ねえ、先輩。

私のせいにしていいんだよ?


森見:おまえの…せいに……?


夏目:君の殺人も私が許そう。君の過去も私が救おう。宿命もしがらみも私が壊そう。

そうしたら君、私と逃げてくれるかい?


森見:(耐える呼吸)…….…ああ、最低だ…


夏目:………


森見:逃げたいよ……夏目


夏目:(微笑む)



<<間>>



夏目:(M)先輩は選んだ。

死ぬのも生きるのも裁かれるのも認めるのも嫌で、私と共に逃げることを。


森見:(M)スコップの使い方なんか知らなかった。

ロープワークも、解体の仕方も。


夏目:(M)それから先輩は吹っ切れたように、擦り切れたように笑っている。


森見:(M)骨は砕いて撒くといい。血は雨が流してくれる。知らない方がいいことばかりを教えられた。


夏目:(M)私の目に先輩は見えないけれど、私の夜闇に、確かに先輩を感じられる。


森見:(M)忘れてはならない。人殺しであることを。


夏目:(M)触れる手は冷たかった。人殺しの手だ。


森見:(M)けれど、ああ、けれども。最近は…。


夏目:(M)その手を握る、星のありかを。しかして私の導きは──


森見:(M)人を殺すのも悪くない


夏目:(M)夜よりも昏い。




<<場面転換>>

<<夜闇。人気のない交差点。街灯はごく少ない>>


夏目:誰かそこにいるね?…あー、ここから先はなにもないよ?

……ははっ、入部希望者かね君。あの頭おかしい人の知り合いかい?

あー、まあよろしく頼むよ。

私の名は夏目。漱石の夢に取り憑かれただけのいたいけな(めくら)だ。

殺人鬼サークルへようこそ。

…とまあ、ここまでで良かろう。やってくれ先輩。


<<森見、奇襲の掛け声>>


森見:はっ、合図が遅いじゃないか


夏目:いいね。目が見えてたらときめいてたかもな。


森見:それならこんな見え見えの変装で騙されんでしょ。(持ち物を漁る)


夏目:見えないんですぅ、盲なのでぇー!


森見:しーあいえー…?とうとう世界的に追われることになったのかあの人たち(ドン引き)


夏目:ねー、この子殺してないでしょ?


森見:うん、気絶させた


夏目:殺人鬼サークルだようちは。生かして返すの?


森見:まさか。顔が割れたからね。


夏目:くく、じゃあどうして殺さないんだい?


森見:かわいそうだろ、最後の言葉を託す相手もいないだなんて。


夏目:君が遺言を聞いて、殺しちゃうんだ。


森見:まあ、ね。そうなる。


夏目:それがこの子のためだと?


森見:ハッ…敬語を使えよ。


夏目:あは!殺人鬼♡


森見:お互い様だろ、(めくら)




____________________________

※この台本は他のこたつ台本「愛でないならなんだと言うの」「死屍累々!殺人鬼サークル」と世界観を共有しています。知らなくても楽しめるように書きました!存分に苦しんでください。

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