表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたを勇者にしてあげる 〜転生したと勘違いしている御曹司と偽世界を冒険中。なお全世界配信されてるから迫られても困ります〜  作者: nandemoE


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/33

にゃふ~ん! きゅぴきゅぴ!(2)


「とはいえリリアン君も世界の九条財閥に勤める身だ。本来なら春をひさがずとも十分に幸せな人生が送れるだろう……それを考えれば心理的な負担に対して見合う額を提示せねばなるまいな……どうだろう、五億円程度を目安に交渉を始めてみないか」


「わかりました。請け負います」


 金持ちは! これだから金持ちは!


 そう思いながらも私は即答していた。


 だって仕方ないじゃん……普通に考えてありえない金額だったんだから。


 それに、この超絶イケメンの弟であれば同じくイケメンである可能性が高い。


 ノアが言っていたからというわけではないが、玉の輿と聞けば私だって嫌な気分にはならない。


「いい心がけだリリアン君。腹の底ではそのようにいくら現実的思考をしてくれても構わない。表に出てくる性格さえ違世界の思考回路を通していればな」


 専務には私の心の内などすべて見通されているような気がした。


「さて、違世界の思考回路について覚悟を決めてもらったところで、次はその異常さをもってしかできない究極のアクションを伝えよう」


「きゅ、究極のアクションとは……?」


「考えてもみろ……こんな荒い作戦、どう考えても途中で無理や矛盾が生じるだろう。当然ナオトにだって怪しまれるはずだ。そんなとき、一発で場の雰囲気をほわ~んと和ませ、まぁいいかと思わせてしまうアクションが必要になるはずだ」


「い、言われてみれば……?」


「今から私が披露するのは萌えの極意。あらゆる要素を加味して考案された究極のアクションだ……リリアン君、キミにはこれを使いこなしてもらう」


「そ、それは……!?」


 この頭の硬そうなイケメンが考えたとなると、発想が想像のはるか斜め上を行くとしか思えなかった。


「いいか? 私に続いてマネをしてみたまえ」


 そして九条専務の鉄仮面は崩れた。


「にゃふ~ん! きゅぴきゅぴ! ……だ」


 ……は?


 ちょっと待って?


 超絶イケメンで身持ち硬そうな九条専務が、まるで幼女のように片足を上げ、表情のみならず身体全体で『かわいい』をアピールしながら「にゃふ~ん! きゅぴきゅぴ!」などとおっしゃったように見えたぞ……?


 私が呆然と固まっているうちに九条専務はまた元の直立鉄仮面に戻った。


「ではやってみたまえ」


 いやいやいや、私、二十六歳ですから!


「……ちょっと、難しい気がします」


 私は控えめに抵抗した。


「そんなに難しいことを要求したつもりはない。やりたまえ」


「は、恥ずかしいです……」


「リリアン君。キミはいったい仕事をなんだと考えているのかね。真面目にやりたまえよ」


 マジかよ。この人、アレを真面目に仕事として考案したのかよ……。


「至って真面目ですぅ……だってこれ、世界中に配信される予定なんですよね……?」


「なにを今さら。動画配信とはキミが言い始めたことではないか」


「ぐぅ……!」


 私はどうしようもなく、口を噤んでしまった。


「どうしても難しいと言うのかね?」


「できれば……もう少し控えめな方法でなんとかなりませんか……?」


「ふぅ……ならば仕方ないな……」


 九条専務はため息を一つついてから冷たく言った。


「ロードローラー」


「にゃふ~ん! きゅぴきゅぴぃ!」


 気づけば、私の身体は勝手に従っていた。


 く、屈辱!


 私は、今まさに金で買われたという感覚に襲われていた。


「ふむ……思っていたよりも筋が良さそうだ。これならば本番までには間に合いそうだな」


 私がこんなにも恥ずかしい思いをしているのに、九条専務は冷静に淡々と話を先に進めていく。


 それがなんとなく、悔しかった。


「だが安心するのはまだ早いぞリリアン君。キミのヒロイン修行はまだ始まったばかりだ。これからもビシバシ鍛えていくから頑張ってついてきたまえ」


「ま、まだほかにもあるんですかぁ~……?」


「当たり前だ。こんなことで音を上げてもらっては困る。もうあと戻りなどできんぞ? そんなことを言い出そうものなら……」


「ギャフン! クビ、クビぃ!」


「わかっているじゃないか」


 私のなかで、プライドとかいうものが音を立てて崩れていくのがわかった。




 そして約一ヶ月のヒロイン修行を経て、どピンクのショートヘアにネコ耳という違世界風ヒロイン、安藤梨里改めリリアン・ドゥが完成した。



どうにかして「にゃふ~ん! きゅぴきゅぴ!」流行らないかな~。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。




 ▲▲高評価もお願いします!!▲▲
 ▼▼ついでにポチっと投票も!▼▼
 小説家になろう 勝手にランキング



■■■■■■ 書籍化のお知らせ ■■■■■■


『現実世界に追放された悪役令嬢はモブを育てる』


hyoushi
▲▲画像タップで【kindle版】へジャンプ▲▲

 アマゾナイトノベルズ様より配信中!



hyoushi
    ▲【ブックライブ】▲

hyoushi
   ▲【ブックウォーカー】▲

hyoushi
     ▲【楽天Kobo】▲


■■■■■■


『異世界トラック』
読みやすく地文も整え、新たにシナリオも追加しました!
アンリミテッドならタダで読めますので、よかったら読んでください!
hyoushi
▲▲画像タップで【異世界トラック(kindle版)】へジャンプ▲▲


■■■■■■ 書籍化のお知らせ(ここまで) ■■■■■■




 ▼▼なろうサイト内のリンク▼▼
超リアリティから超ファンタジーまで!
幅広いジャンルに挑戦しています!
よろしくお願いします! ↓↓

▼▼画像タップで【異世界トラック】へジャンプ▼▼
hyoushi
運と久遠……そしてトラックはHINU?



▼▼画像タップで【リビングデッド】へジャンプ▼▼
hyoushi
備前正義と笹石加奈子のイメージ




▼▼画像タップで【バスバスター】へジャンプ▼▼
hyoushi
セオンとナトリのイメージ



― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ