表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたを勇者にしてあげる 〜転生したと勘違いしている御曹司と偽世界を冒険中。なお全世界配信されてるから迫られても困ります〜  作者: nandemoE


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/44

ポンコツ × ポンコツ = 手に負えない


 私が林の中に分け入って、先に踏み込んでいったナオトとセツを見つけると、彼らはすでにお楽しみのようだった。


「ウヒャヒャヒャ! ここは暴れ放題だぜ!」


「プチプチを潰す感覚でクセになるのう!」


 大量にあふれたスライムを、ナオトは剣で、セツは杖で、まるでモグラ叩きのように倒している。


「はっはー! やはり俺は最強だったんだぜー!」


「ワシだって負けとらんわい!」


 しかも得点を競い合っているかのように嬉々として。


 哀れな姿に生み出されて苦しんでいるとはいえ、スライムとて生きているというのに勇者の品格が疑われそうだ。


「ナオト様! お顔! お顔が邪悪に歪んでるニャ!」


 私はそこに割って入る。


「リリアンか! いいところに来たぜ」


「いいところニャ?」


「うむ。この異常に多いスライムを見て何か感じることはないじゃろうか……」


 ナオトもセツも私の意見に期待するような目で見てきた。


 たしかにスタッフさんが集めたにしては少し多すぎる気もしていたが……。


「もしかして、スライムがどんどん増えてるかもしれないってことニャ?」


 ナオトもセツも顔を見合って慎重に頷く。


「俺たちも今それを話してたんだが、どうもこのスライムたち、林の奥から来るみたいなんだぜ」


「おそらく奥に池や水たまりがあるんじゃなかろうか……そこから湧いてきているとしか思えんのじゃ」


「ス、スライムが湧いてるニャ!?」


 私もスライムが自然に発生するようなものだとは認識していなかった。


「これ、水を吸って分裂するとかって可能性は……ないよな?」


「いやむしろ、この数が発生していることを考えれば、そうとしか思えんじゃろう」


「た、大変ニャ!」


 仮にそうだとしたら、スタッフが動画撮影のために集めた大量のスライムのうち、何体かが林の奥の池だか水たまりだかにたどり着き、その水を利用して増殖していることになる。


 完全に私たちのせいである。


「早く元を絶たなきゃ駄目ニャ!」


「ああ、わかってるぜ! 幸いスライムはそれほど脅威にもならない……ここはザコを放置してでも元を叩くぜ!」


「ならば勇者よ! どちらが先に根源までたどり着くか競おうではないか!」


 どうしてこんなときにまでゲーム感覚でやってしまうのか。


 裏方事情を知らないナオトはともかく、セツならばこの事態の背景も理解できているはずなのに。


 やはりこいつらに期待するのが間違っていたのか……?


 私たちが林の中に飛び込んでしまったせいで、いまだ裏方三人組とも合流できていない。


 すなわちナオトに余計なことをされた時点でプロジェクトが崩壊する危機的状態が継続しているというのに……。


「ちょ、ちょっと待つニャ! 少し冷静に考えてから動いたほうが……」


 少なくとも裏方三人組が合流してからが望ましいと思って発言はしたが。


「フハハ! 甘いぜリリアン! 俺は賢者の智慧を学んだ! 殴ったほうが早いんだぜ!」


「そうじゃ勇者よ! 脳筋最速ラップを刻むのじゃ!」


 ダメだこいつら……早くなんとかしないと……。


 そうだ! 女神ノアの声で制止してもらえば……!


「九条専務! 九条専務、聞いていらっしゃいますか!?」


 私は小声で本部に呼びかける。


「ああ。事情は把握している……やはり奴らの暴走は止められなかったか……」


「お願いします! 今すぐ女神ノアの声で彼らを止めてください……!」


「すまないが、それはできんのだ」


「どうして!?」


「彼女は今、お昼休みに出てしまったのだ……デザートのゼリーが美味しい店らしい」


 ふっざけんなチクショー! スライムでも食ってろ!


 私はネコ耳とウィッグを地面にかなぐり捨ててやりたい気分だった。


「よし! じゃあ行くぜセツ! どちらが先に大元を叩くか勝負だぜ!」


「望むところじゃ!」


 そうしている間にもナオトとセツはどんどん林の奥へ駆けていってしまう。


 私の忠告など聞いてくれる気配もない。


 ああ、まずい……あの二人は私の手には負えない……。


 そう思いながらも私は二人のあとを追わずにはいられなかった。


 こうして、ますます裏方三人組との合流が果たせる可能性が薄れていく……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。




 ▲▲高評価もお願いします!!▲▲
 ▼▼ついでにポチっと投票も!▼▼
 小説家になろう 勝手にランキング



■■■■■■ 書籍化のお知らせ ■■■■■■


『現実世界に追放された悪役令嬢はモブを育てる』


hyoushi
▲▲画像タップで【kindle版】へジャンプ▲▲

 アマゾナイトノベルズ様より配信中!



hyoushi
    ▲【ブックライブ】▲

hyoushi
   ▲【ブックウォーカー】▲

hyoushi
     ▲【楽天Kobo】▲


■■■■■■


『異世界トラック』
読みやすく地文も整え、新たにシナリオも追加しました!
アンリミテッドならタダで読めますので、よかったら読んでください!
hyoushi
▲▲画像タップで【異世界トラック(kindle版)】へジャンプ▲▲


■■■■■■ 書籍化のお知らせ(ここまで) ■■■■■■




 ▼▼なろうサイト内のリンク▼▼
超リアリティから超ファンタジーまで!
幅広いジャンルに挑戦しています!
よろしくお願いします! ↓↓

▼▼画像タップで【異世界トラック】へジャンプ▼▼
hyoushi
運と久遠……そしてトラックはHINU?



▼▼画像タップで【リビングデッド】へジャンプ▼▼
hyoushi
備前正義と笹石加奈子のイメージ




▼▼画像タップで【バスバスター】へジャンプ▼▼
hyoushi
セオンとナトリのイメージ



― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ