表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたを勇者にしてあげる 〜転生したと勘違いしている御曹司と偽世界を冒険中。なお全世界配信されてるから迫られても困ります〜  作者: nandemoE


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/34

ポンコツ仲間(1)


 翌朝、ナオトが起きて来る前に、私は裏方三人組とロイヤの五人で本日のミーティングを済ませた。


 とはいっても基本的な役割は変わらず、裏方三人組はそれぞれの役割を遵守。ロイヤは周辺の警護をしつつ危険なキメラを排除する。


 本日のミーティングで新たに決まったことといえば、ナオトに相手をさせるのはスライムだけ、ということだ。


 昨日戦ったサルキメラが全キメラ種のなかでも最弱であることを考えると、今のナオトが安全に戦えるのはスライムだけだろうし、ナオトにおいてもスライム相手ならば無双気分を味わえるだろう。


 さらにいえばアルミームソードの強度も問題にならないということから、満場一致でこの結論に至ったのだ。


 たしかにスライム以外のキメラをすべて処理するロイヤが気の毒になってしまうような作戦ではあるが、当のロイヤが「余裕ッスよ!」と軽く笑っていたので私たちもその言葉を信じ、自分たちの役割に集中することとなった。


 本日の私の役割はナオトとともに街道をひたすら北に進み、拠点となる街にたどり着くことだけ。


 戦闘があるとすればスタッフが捕らえておいたスライムを私たちが近づいたタイミングで放流し、ナオトに倒させる。それくらいのものだ。


 昨日のようなトラブルもそう起こるまい。


「よ~し! 今日こそはトラブルなしでいくニャ!」


 私は気合いを入れつつ、なかなか起きてこないナオトの部屋をノックした。


「お~いナオト様ぁ! 朝ニャ~! そろそろ出てくるニャ~!」


 私は大きな声で呼びかける。


「おう、リリアンか。今ドアを開けるぞい~!」


 ぞい?


 ナオトではないがどこかで聞いたことのある声と変な口調に首を傾げながら、ドアの上に付けられた部屋番号を見上げる。


 見間違いなくナオトの部屋のはずだ。


 いったいどういうわけだ? と私が眉をひそめながら待っていると、やがてゆっくりとドアが開く。


「昨日ぶりじゃのぅリリアンや。元気じゃったか?」


 目の前に村長の格好をしたセツが現れたので、私はなかったことにして一度ドアを閉めた。




 いくら天真爛漫、明るく健気なネコ耳ヒロインにだって我慢の限界というものがある。


 どうしてナオトの部屋から昨日旅立った村の村長役が出てくる事態になったのか。


 私はそれを問いただすため、気づいたときには勇者ナオトと村長セツを室内で正座させていた。


「「ご、ごめんなさい……」」


 私がよほど鬼の形相をしていたからか、ナオトとセツは素直に頭を下げた。


 それでも満足に溜飲を下げられない私は大きくため息をついて見せる。


「……で? どうしてこんなことになってるニャ村長」


 持ち上げ対象のナオトをあんまりキツく咎めるわけにもいかない私は自然とセツのほうを睨みつけた。


「じ、実はの……昨日お主らを見送ったあと、どうやらワシは腰の痛みによって一瞬だけ記憶喪失になってしまったようでの……気づいたときにはこの宿場町を歩いておったんじゃ」


 この駄作家が……! 私たちが一日かけて歩いてきた村から宿場町までの距離を、そんな酷い腰の痛みを抱えつつ記憶喪失で歩いてきただぁ!?


 ボケて徘徊ってレベルじゃねーぞ!


 もっとマシな言い訳ができねーのか!


「ヒィッ!」


 私の顔を見たセツは恐怖からかさらに表情を引きつらせた。


「ま、まぁまぁリリアン。ここは俺に免じて大目に見てあげてほしいんだぜ。これでも記憶は戻ったわけだし……」


「そうじゃ! 偶然にも宿場町を歩いていた勇者が見つけてくれての……それがきっかけとなって記憶を取り戻したんじゃ!」


 そんな都合のいい記憶喪失があるかっ!


「あーそーですかニャ。記憶が戻ったのなら早く村に戻ればいいニャ」


 私はセツに冷ややかな視線を送りながら棒読み口調で言う。


 どうせまた友人同士で飲みたかったとか、そういうノリだったんだろう。


 そんで盛り上がっちゃったんだろう。


「最初はワシもそう思ったんじゃがのう……どうやらワシ、昨日ここまで歩いてきたせいか、腰の痛みがすっかりと治っておったのじゃ!」


 んなわけあるかっ! 普通は逆だろ! 安静にしてろ!


「そこでワシは悟った……年老いて身体を労り続けた結果、かえって身体を怠けさせていたのではないかと……! 適度な運動が身体を若返らせたのではないかと……!」


 このポンコツが……! あんた本当は老人メイクしただけの若者だろうが……!


 私は何からツッコんでやるべきかと怒りを燃やし、ワナワナ震えていた。


「つまりじゃ! ワシもお主らに同行し、ともに戦うことによって今よりも健康な余生が送れるのではないかと思ったのじゃ……!」


 ぐっ!? この駄作家まさか私たちについて来る気か……!?


 そう思った瞬間、すぐさまインカムから九条専務の指令が飛んでくる。


「まずいぞリリアン君。その駄作家は正真正銘のポンコツだ! 戦闘能力もまるでゼロの、ただのトラブルメイカーだ! 仲間に引き入れなどしたらプロジェクト存続の危機に関わる! ここで絶対に阻止するのだ!」


 そんなの言われなくてもわかってる!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。




 ▲▲高評価もお願いします!!▲▲
 ▼▼ついでにポチっと投票も!▼▼
 小説家になろう 勝手にランキング



■■■■■■ 書籍化のお知らせ ■■■■■■


『現実世界に追放された悪役令嬢はモブを育てる』


hyoushi
▲▲画像タップで【kindle版】へジャンプ▲▲

 アマゾナイトノベルズ様より配信中!



hyoushi
    ▲【ブックライブ】▲

hyoushi
   ▲【ブックウォーカー】▲

hyoushi
     ▲【楽天Kobo】▲


■■■■■■


『異世界トラック』
読みやすく地文も整え、新たにシナリオも追加しました!
アンリミテッドならタダで読めますので、よかったら読んでください!
hyoushi
▲▲画像タップで【異世界トラック(kindle版)】へジャンプ▲▲


■■■■■■ 書籍化のお知らせ(ここまで) ■■■■■■




 ▼▼なろうサイト内のリンク▼▼
超リアリティから超ファンタジーまで!
幅広いジャンルに挑戦しています!
よろしくお願いします! ↓↓

▼▼画像タップで【異世界トラック】へジャンプ▼▼
hyoushi
運と久遠……そしてトラックはHINU?



▼▼画像タップで【リビングデッド】へジャンプ▼▼
hyoushi
備前正義と笹石加奈子のイメージ




▼▼画像タップで【バスバスター】へジャンプ▼▼
hyoushi
セオンとナトリのイメージ



― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ