17, アオたちは堂々と出るタイプだよね。
「ボス、もうすぐ街に着きますよ。」
「了解。教えてくれてありがとう。アオ。」
ミュシュラは3人の身分証(ケイトの分はタハドで作った)など必要になったりするものをまとめて入れた鞄を持って御者席に移動した。
街道の先を見てみれば、人々が並び、その前に石で作られた大きな門が建っているのが見える。
「ここは街門をしっかりと設置しているようだね。」
「ゲレティスの王都以外では一番にデカい街だからあってもおかしくはねぇと思うんですが。」
「ねぇ、奴隷商とかが居たら、あの囲まれた街からどうやって外に出ると思う?」
「早速本題を聞くんですね」
横で手綱を握るアオに問いかければ、彼は前を向いたまま、特に考える素振りもなく答え始める。
「1つ目は堂々と。何かしらの伝手を行使して商品を誤魔化す可能性。2つ目は他の出入り口があるか。それがあるなら闇ギルドとかの関連も一応頭の端に入れておかないと厄介だったりしますよね。彼奴等は横道を作るのが趣味なんで。まぁ、他にも色々ありますよ。」
「ありがとう。」
幕を捲り、中ですやすやと眠るケイトを確認する。
「ふふ。」
「ぐっすりですか?」
「まぁね。あれじゃあしばらく起きないよ。」
「そうですか。」
雑談をしているうちに街門に着いたアオたちは何事もなくそこを通り過ぎたのだった。
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