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窓際の旅路  作者:
6/7

第六章:新たな一歩

ユイは現実の世界に戻ったものの、心の中にはカズキとの思い出が深く刻まれていた。窓の外には満天の星が輝いており、彼が言った「心の中に僕がいる」という言葉が、何度も彼女の耳に響いた。


学校に戻ると、クラスメートたちの笑顔や賑やかな声が聞こえてきた。ユイは少し不安になったが、心の中のカズキの言葉を思い出し、深呼吸をした。「大丈夫、私は私らしくいればいい」と自分に言い聞かせた。


授業が始まると、ユイはこれまで以上に集中できた。カズキとの冒険が、彼女に自信を与えてくれたからだ。授業中の質問にも積極的に手を挙げ、友達とも笑顔で話すようになった。


放課後、友達とカフェに行くことになった。仲間たちとの会話を楽しみながら、ユイはカズキとの思い出を心に秘めていた。「彼と過ごした時間は、私にとって大切な宝物だ」と感じると、自然と笑顔が溢れた。


「ユイ、最近なんだか明るくなったね!」友達のアヤが言った。「何かあったの?」


ユイは一瞬迷ったが、カズキのことを話すことにした。「実は、最近特別な友達ができたの。彼と一緒に素敵な冒険をしたのよ。」


「へぇ、どんな冒険?」他の友達も興味津々で聞いてきた。


ユイは自分が体験した異次元の冒険について、具体的には言えなかったが、友情の大切さや、夢を追う勇気について話した。友達たちは興味を持ち、熱心に聞いてくれた。


その日から、ユイはクラスメートたちとの交流もより深まり、自然と周りの友達も彼女に惹かれていった。カズキの教えが、彼女の行動や思考に変化をもたらしているのを実感した。


ある日、学校の図書館で本を読んでいると、ふとカズキとの約束を思い出した。「夢を追いかける」という言葉が、ユイの心に響いていた。彼女は自分が本当にやりたいことを考え始めた。


「私、絵を描くのが好きだった」と心の中で思い出した。子供の頃から絵を描くことが好きだったユイだが、いつの間にかその情熱を忘れてしまっていた。カズキとの出会いを通じて、再びその思いを取り戻したのだ。


「よし、絵を描こう!」ユイは決意を固めた。その日から、彼女は毎日少しずつ絵を描くことにした。自分の心の中にある世界を、キャンバスに表現する楽しさが、彼女を一層引き立てていった。


数週間後、学校の文化祭が近づいてきた。ユイは自分の作品を展示することを決めた。初めての挑戦に少し緊張したが、カズキが「君の夢を大切にして」と言ってくれたことを思い出し、勇気を持った。


文化祭の日、ユイのブースには多くの人が集まり、彼女の絵を見て感動している様子を見て、心が高鳴った。彼女は自分の作品を通じて、カズキとの思い出や、自分の心の中の世界を表現することができた。


「ユイの絵、すごく素敵だね!」友達たちが褒めてくれ、ユイは嬉しさに満ち溢れた。彼女は自分の作品を見てくれる人々の表情から、温かい感情を感じていた。


文化祭が終わる頃、ユイはカズキに手紙を書くことにした。彼に感謝の気持ちを伝え、自分の成長を報告するためだ。心を込めて書いた手紙は、ユイにとって特別なものであった。


手紙をそっと窓際に置き、星空を見上げた。夜空にはたくさんの星が輝いていて、その中の一つが、まるでカズキを象徴しているかのように思えた。


「ありがとう、カズキ。あなたのおかげで、私は新たな一歩を踏み出せたよ。」ユイは心の中で彼に語りかけた。


彼との友情は、これからの人生の中で、いつでも支えになってくれる。ユイは心からそう信じ、自分の夢を追いかける決意を新たにしたのだった。

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