第二章:秘密の共有
ユイとカズキの窓際での会話は、日ごとに深まっていった。カズキは彼自身の世界について、さまざまな話をしてくれた。彼の描く風景は、まるで魔法のようで、ユイは毎回その物語に夢中になった。
「この前、空を飛ぶことができたんだ」とカズキは目を輝かせて話した。「大きな白い鳥に乗って、高い空を飛んだ。雲の上は、すごく美しいんだよ。」
「雲の上…」ユイは想像を巡らせた。彼の話に魅了される一方で、何か特別なものが彼の中にあると感じた。
「でも、僕の世界には、普通の人には見えないものもたくさんいるんだ」とカズキは続けた。「異次元の生き物とか、時間を超えることができる場所とか。君も、いつか来てみない?」
「私が?」ユイは驚いた。異次元の世界なんて、まるで夢物語のようだった。「でも、どうやって?」
カズキは微笑み、少し考え込んだ。「目を閉じて、心を開いて。そうすれば、きっと君の世界が広がる。」
その言葉にユイは胸が高鳴った。カズキの言葉には不思議な力があった。彼との会話は、ユイの内面を豊かにしてくれたのだ。
「でも、カズキ。もし私がその世界に行ったら、戻ってこれなくなったらどうしよう…」ユイは少し不安になった。
「大丈夫、ユイ。どんな時でも、君の心の中には僕がいるから。」カズキの言葉は、彼女を安心させる力があった。
その日の夕方、ユイはいつものように窓際に座っていた。外は薄暗くなり、星がちらちらと瞬き始めた。彼女はカズキの言葉を思い出し、心を開いてみようと思った。どんな世界が待っているのか、少しずつ好奇心が膨らんでいく。
次の日、ユイは再びカズキに会うのを楽しみにしていた。彼の話の中に、どんな秘密が隠されているのか、もっと知りたかった。二人の友情は、少しずつ深まっていくようだった。
「今日は、特別な話をしてあげるよ」とカズキが言った。
「本当に?」ユイは目を輝かせた。「どんな話?」
「それは、僕がこの世界に来た理由なんだ」とカズキが告げた。ユイは興味津々で耳を傾けた。
「僕は、特別な使命を持っているんだ。この世界に、何かを伝えるために来た。君と出会ったのも、その一環なんだ。」
ユイは心が震えた。自分が特別な存在に選ばれたのかもしれないと思うと、ドキドキした。カズキは続けた。「君にこのことを伝えたのは、君が心の強い子だからだ。」
その言葉に、ユイは自信を持てるようになった。自分が特別だと認められることは、何よりも嬉しかった。そして、カズキとの友情がさらに大切なものになっていくのを感じた。彼との時間が、ユイにとってかけがえのないものになっていた。
こうして、二人はお互いの秘密を共有しながら、少しずつ距離を縮めていった。彼らの友情は、まるで異次元のように広がっていくのだった。