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リリーとNY支店訪問

 俺はリリーを伴って、ニューヨーク支店に行く事にした。正妻という事でフィリピンからシンガポールの本社に呼び寄せたのに、今度はニューヨークに行かせるのは、本当に申し訳がない。

「リリー、シンガポールに来たばかりで済まないんだけど、ニューヨークに行って欲しいんだ」

「どういう事!私を遠ざけているの?どうして、何故なのよ!」

「前々から説明している東京の不動産と日本の株式を90年までに売却する。90年から株式も不動産も暴落するからだ。その資金をアメリカの最先端企業への投資とニューヨークのセントラル・パークの不動産に投資をする。既にフィリピンのマスメディアの買収を完了させた望月を赴任させた。支店開設準備室を設立させて、フィリピンとシンガポールから選抜した社員を派遣している。セントラル・パークのビルを買い占めろと望月に命令しているんだ。アメリカ経済への進出は、ODA.HDの世界進出には必要な事で、ODA.HDニューヨーク支店では、アメリカの政財界の要人と直に交渉することになると思う。アメリカの企業買収の契約交渉には俺が立ち会うが。セントラル・パークの不動産売買の契約とアメリカの要人との交渉を頼めるのはリリーしかいないんだ。頼む、軌道に乗るまでニューヨークを頼む」

「ユージ、私達はもう充分にお金持ちでしょう?私にとっては、ユージとの一緒の生活の方が大事なのよ」

「フィリピンは中国の脅威に晒され、アメリカからの経済制裁は排除できていない。いつまで経っても搾取されたり、隷属化された国家だ。俺はODA.HDを世界経済で無視できない存在にして、ODA.HDの社員、フィリピンの国民を守るよ。それには力がまだ全然足りないんだ」

「リリー、別荘は軽井沢しか持ってないけど、世界中の景勝地にある最高級ホテルを買収して、世界中に別荘を持とうと思っているんだ。最高級ホテルグループの社長はリリーだよ。ODA.HDの世界中のグループ企業が軌道に乗ったら、リリーとの生活を優先させるよ」

「ウ〜ン、どうしようかな〜」

「リリーが望む好きな時に世界中にあるホテルや別荘に行くんだ」

「そうね〜、フィリピンもシンガポールも暑いしね。ニューヨークの方が刺激があっていいかもね」

「そうだろう?世界の政財界の要人の対応を任せられるにはリリーしかいないんだ」

「アメリカ人は年中パーティをやってるんだ。リリーは社交性があるし、俺には無理だよ」

「そうね〜、ユージはパーティが苦手だもんね」

「世界中のホテルを買収するなら、大型のプライベートジェットが必要よね。私専用の豪華なプライベートジェットが欲しいわ」

「いいんじゃないか。どうぞ好きなようにしていいぞ」

「しょうがないわね。そこまで言うのだったら、行ってあげる。なんていい奥さんなんでしょう。ねえ、そう思うでしょう?」

「もちろんだよ、リリーが1番だよ」

「フフフ・・・・」


 俺はリリーとニューヨークに向かった。俺専用のジャンボのプライベートジェットの機内は2階建になっていて、1階の共用部分には、バーラウンジ、食堂、パーティルーム、会議室、図書室がある。金の装飾をあしらった螺旋階段を上がった2階はゲスト用も含めたプライベートルームがあり、それぞれバーカウンターがあるリビング、書斎、寝室2部屋、浴室、シャワールーム、トイレ、大理石と金を使った洗面化粧台、シューズルーム、ずらっと並んだ収納棚がある。超一流ホテルがジャンボジェットの機内にあるのだ。

 このジャンボのプライベートジェットは俺専用だが、1人で乗るには広すぎる。俺1人のために専用のシェフ、CAが5人も付くのだ。石油産油国の国王もこんな生活なのだろうか? いや、彼らにはお抱えの使用人が大勢いるだろう。俺に付き従う者はいない。俺の愛人が増える事を警戒して、いつもリリーかナンシーかルーシーの誰かが俺の秘書をしているからだ。彼女達にはそれぞれ専属秘書がいる。リリーの秘書はカミラで敬虔なODA真理の信者だ。俺とリリー家族の身辺にいる社員は全員フィリピンのODA真理教会の信者である。もちろんプライベートジェットの機長を含めたCA達はフィリピンODA.LTDの社員で信者で、リリーが直接選んだ者達だ。東京にいる時は酒池肉林の生活に憧れていたが、成り行きで聖者様になってしまって“悪さ”ができないのが少し悔やまれる。

 機内に搭乗すると、機長以下の者達が片膝で出迎えていた。レディファーストでリリーを先に歩かせる。ちゃんと俺と同じように首を垂れていた。


 プライベートルームに入ると、すぐにリリーを抱きしめた。なんていい女なんだ。少し汗ばんでリリーの体臭が香水と混じってエロい匂いがする。俺にはフェロモンとしか思えない。

 俺が32歳でリリーが34歳になるが、リリーは20歳くらいにしか見えない。俺は何度も治癒で細胞を再生しているが、例えば老人の欠損した手足を再生すると、シワくちゃでシミのある足ではなくて綺麗な足が再生される。生物が誕生する時、細胞分裂で、ある細胞は頭になり、ある細胞は手足になる。俺にはDNAとは違う別の遺伝情報があると思う。老化は病気だとするハーバード大学の研究があり染色体の先端のテロメアが細胞分裂する度に短くなり、最後は細胞分裂を停止してしまう。細胞分裂の回数は定められており、人間の寿命の限界は120歳と言われている。俺が治癒で細胞を再生する時は元の細胞をコピーするのではなく、新たに細胞を作ってる。作る際にその人間をイメージして細胞を創生している。だから小川さんなら40歳、小川さんの妻のマリーは30歳と言うようにイメージして治癒している。それが影響しているのだろう。俺にとってリリーの存在は17歳の俺が出会った時の19歳の女神のようなリリーだ。俺がリリーを抱くたびに、リリーに放つたびに、抱きしめるたびに、無意識にリリーの老化を光の粒子で治癒しているのかもしれない。他に理由が思いつかない。このことはナンシーやルーシーやその他の俺が抱く女の子にも言えるのだと思う。


 俺は特別に作らせた浴室にリリーを誘った。足湯くらいの深さの下にエアーマットを敷いてあり、泡風呂にしているのだ。広さは10人位寝そべる事ができる。気持ちいい温度でリリーと泡風呂の中でもつれ合う。愛する女を抱くことは最上の喜びだ。

 グッタリして湯船に浸かった。俺の胸の顔を載せ、膝を俺の腰に回している。手を引き締まったウェから尻に回すと弾力のあるデカい尻がある。いい女だと思う。リリーをニューヨークに駐在させるが、男達の熱い視線を浴びるのだろう。日本人は白い肌が好きだが、欧米人は褐色が好きだ。リリーは極上の美人でスタイルも良くて褐色だ。これ以上の女はいない。

 

 機内のレストランで食事をして、ラウンジでまったりした。

「ユージ、ゴージャスなんだけど、広すぎるんじゃない?、パーティができるわよ」

「実は俺もそう思ってる。とにかく豪勢な物が欲しかったから作ったけど、利用しているのはプライベートな部屋だけだよ。俺1人のためにシェフとメイドが5人も必要ないよ」

「世界進出して会社の規模が大きくなれば、使い道ができるわよ」

「そうなればいいな」

 ラウンジで飲んで、ベッドでリリーと愛し合ってそのまま寝たら、あっという間にはニューヨークに1番近くのラガーディア空港に到着した。空港では望月が出迎えにきていた。空港からロールスロイスのリムジンでホテルに向かった。護衛の車が先導していた。リムジンには望月、カミラも同乗していた。


 リリーとザ・リッツ・カールトン・ニューヨーク・セントラルパークのザ・ロイヤル・スイートに宿泊した。

「リリー、この部屋はいいな!産油国の王族みたいだ」

「そうでしょう」

「ユージはセントラルパークの南側のビルは避けていたけれども、南側はありだと思うわよ」

「ペントハウスに住もうと思ってるんでしょう? ペントハウスの南側前面に天井が2階分の高さのガラス張りになっているとすると、日光を遮る物がなくて暑いしエアコンも効かないと思うわ。だから日に当たるセントラルパークの南側を望むペントハウスがいいのよ。だから公園の南側のビルの北側の部屋から公園を眺める方がいいのよ」

「いい勉強になったよ」


 眼下にセントラルパークを望み、リクライニングソファーに身を任せて望月が持ってきた経済レポートを読んでいた。

「リリー、シャンパンを頼む」

「カミラ、シャンパンを持ってきて」

 俺の横に座っているリリーが指示をした。

「はい、ご主人様」

 リリーがシャンパンを注いでくれた。

 ただの高校生の俺が女神級のボディで絶世の美人のリリーに出会えた。爆発する俺の性欲を一身に受け止めてくれた。男としての絶頂感、征服感、満足感、幸福感をリリーと一緒にいる時はそのどれか、あるいはその全てを魂が感じていた。リリーに酒を注がれると、新宿のフィリピンパブで俺の横で水割りを作っている情景が現れる。霊体意識が使えるようになると、まるでその場面にいるようなリアルな感覚になる。あの時の幸福感はしっかりと俺の魂に刻み込まれている。

 今でも思う。“リリーと出会えた事は奇跡だ”

 やっぱりリリーに注いで欲しい。

「ありがとう。最高だ」

 俺はデレっとした顔でリリーに礼を言った。

「君たちも寛いでもらっていいぞ」

「有難う御座います。旦那様」

 カミラが望月と自分の分のシャンパンを用意した。


 経済レポートを読んで前世の記憶と照らし合わせた。そこには日本人が知らない情報が記載されていた。

「そうだったのか、・・・ドバイ」


「望月、インペリアルバンク社の世界各国の経済政策と税制をまとめたレポート、毎年このテーマのレポートが欲しいんだが貰えそうか?」

「今回は社長の要望で個別にレポートを作成してもらいましたが、来年以降は難しいと思います。今年はマジックウィンドウズ社のM&A、約1兆円の不動産の買付の取引があって大口顧客になっていますが、来年以降となると上位の大口顧客にならないと受けてくれないと思います」

「インペリアルバンク社で上位大口顧客の個人運用額はどの位なんだ?」

「30億ドル(約4000億円)程度で上位の3位以内になれます」

「嘘だろう?天下のインペリアルバンク社だぞ、そんなに少ないのか」

「世界長者番付では日本人が1番多いいのです。アメリカで50億ドル(約7000億円〜9000億円)を超える者はいません」


「ウィルは今、何歳だっけ?」

「21歳よ、1回飛び級しているからハーバード大学経済学部4年生よ」

「ウィルは超優秀だな」

「まあそこそこね、高校1年生からハーバード大学の教授達が家庭教師だもの。今入っているゼミの教授もウィルの家庭教師だった人よ」

「ウィルより奥さんの百合の方が優秀よ。飛び級を繰り返してハーバード大学のビジネススクール(大学院)を最近卒業してるのよ。インペリアルバンク社からも就職の勧誘があったそうよ。今はウィルの妻として家事をしてるわ」

「インペリアルバンク社の歴代社長はハーバード大学経済学部出身だ。ウィルをインペリアルバンク社の幹部にするためだったな」

「どうせ運用するならウィルの手柄にしたいな。インペリアルバンク社のインターン、簡単に言えば準社員にするにはどのくらい入金すればいいんだ」

「私には全くわかりませんが、運用額で上位になれば間違いなくできると思います。この世界は金次第ですから」

「通貨は円でもいいのか?運用は日本円のMMFしか考えていないが」

「日経先物取引でもいいのか?聞いてみてくれ。可能なら10兆円くらい、1000億ドル単位でできると思う」

「金額の事は伏せて交渉してみます」

「頼んだぞ」

「はい、お任せ下さい」


「望月、メモをしてくれ」

「セントラルパークの南側のビルの買付を優先してくれ、俺の認識不足だった。それと、このリッツカールトン・セントラルパークの買収を頼む」

「金額はどうしましょう?」

「南側のビルはできるだけ多く、このホテルについては5億ドル(約600億円)を超えなければいい」

「買収するホテルの運営は今まで通りでいい」

「リッツカールトンのホテルはこれからも買収するかもしれないから、良好な関係を心掛けてくれ」

「わかりました」

「もう一つ、最優先でやってもらいたい事ができた。これからODAはドバイに進出する。ドバイの歴史、地理、政治、経済、開発計画、政府要人の経歴・家族・宗教・趣味・性格、主要産業の状況、税制、フリーゾンについての調査、これらについて3ヶ月以内でレポートにしてくれ」

「インペリアルバンク社にODAが投資する事を漏れないように調べてくれ。期限厳守で内容はできる範囲でいい」

「承知しました」


 ザ・リッツ・カールトン・ニューヨーク・セントラルパークのザ・ロイヤル・スイートにリリーと宿泊した。その翌日、ODA.HDニューヨーク支店を視察した。支店の社員は40人になっていた。支店長の望月の案内で支店に入ると、社員全員が仕事を中止して玄関に出迎えていた。半分の人間が片膝をついてお辞儀をした。社員構成は、フィリピン出身者が約20名、シンガポールから10名、アメリカ出身者が10名ほどだった。全員ODA真理の信者だが、片膝をついているフィリピン出身者の忠誠心は高い。全員のオーラをチェックしたが全員信者であり問題はないと思った。


 支店長室に入り、望月からニューヨーク支店の活動報告書が提出された。フィリピン、シンガポール、東京、香港、ODA学園の業務内容を要約したレポートをそれぞれに毎月提出させているが、望月が提出したレポートはニューヨーク支店の業務内容を詳細に説明していた。資料はニューヨークでヘッドハンティングした社員が作成していた。望月はインペリアルバンク社の調査部門、法律・会計の専門家を雇っていた。メシア教徒が簡単にODA真理の信者になるのか疑問だが、オーラで確認したから間違いない。

「ニューヨークで雇用した社員もODA真理の信者になっているが、メシア教徒からODA真理の信者に短期間でよくなったな」

「教団代表のルーカスさんが作った教育プログラムを実施しました。責任者は社長がおっしゃっていたテオさんです」

 フィリピンでメシア教の大司教だったテオは、フィリピンでは活動しにくいと判断して、ニューヨークに責任者として派遣した。

「ODA様、お久しぶりでございます」

 首を垂れていたテオが顔を上げた。

「教育プログラムの効果は報告書で確認しているが、ニューヨークでは具体的にどうやったんだ」

「宿泊するホテルを貸し切って外部からの情報を遮断しました。毎日朝9時から夜の8時まで1ヶ月間缶詰にして教育しました。教団のルーカス代表から派遣された講師陣によって、教本の精読と暗記、“聖者様“が行った奇跡の御業の録画を視聴し、グループディスカッションを毎日、一日中課しました。最終日に試験と面接で合格した者だけが社員として雇用しました」

「すごいスケジュールだな」(まるで共産圏の洗脳教育のようだ)

「ルーカス代表とフィリピンのヘンリー常務は、既に教育プログラムをフィリピンに導入しています。フィリピンODAでは年間数十万人を採用する予定です。採用時だけではなく採用後も定期的に行ってODAへの忠誠心を全社員に徹底させるそうです」

「フィリピンでは教育プログラムに合格しなければ雇用契約を終了させて、再雇用しないと徹底しています」

「すごいな、宗教と思想は基本的人権だが、採用する・しないはこちらの自由だ。強要はしないが、嫌なら自由に会社を辞めてもらえばいい」

「八島のところはどうしている?」

「ODA真理教会から派遣された講師によりますと、教育プログラムは必要ないとのことでした。そもそもODAの名誉を傷つける者を八島先生は決して許しません」

「道場の人間は全員ODAに命をかける覚悟を問われています」

・・・・・・・

(狂信的な戦闘集団だと困るな。八島には武道の精神を徹底させよう)

「わかった」

「望月、次にマジックウィンドウズ社について教えてくれ」

「MD3.0の評判はすこぶるいいです。生産設備の増強と世界各国における販売拠点の設置が進めば、飛躍的に売上が伸びます。今年は新設した生産設備の減価償却費が発生するので大幅赤字です。売上は買収後の1年間で2倍に増加しています。ゲイト氏は目先の利益にとらわれずに工場建設、各国に支店・営業所を設置すべきと考えています。注意すべきは、ゲイト氏が各国に自分が出資する販売子会社を設立後、上場させて莫大な創業者利益の獲得を目論んでいる可能性があります」

「会計責任者をODA.HDから派遣しているが、ジムが勝手なことをしない様に対策を講じる必要があるということか」

「MDの特許は会社所有になっているだろうな」

 俺が質問した。

「大丈夫です」

「ジムは野心家だ。これから開発させる特許の所有権を自分にする可能性があるから、監視が必要だ。会計専門家をもう1人派遣して財務担当重役と経理部長の2人をこのニューヨーク支店から派遣してくれ」

「それと、ジムとの契約書を更に厳格な物にしよう。インペリアルバンク社で作成してくれ」

「わかりました」


 望月の案内でインペリアルバンク社のニューヨーク支店を訪問した。事前に訪問の日程を伝えていた。

「支店長のマーク・ウッドです。当社で取引をして頂きありがとうございます」

「ユージ・オダです。マジックウィンドウズ社の買収ではお世話になりました」

 マーク・ウッドと握手をした際にエネルギーを流した。望月並に超優秀な男だと思った。続けて不動産部門の責任者のウィルソン氏と証券担当部長のベーカーと挨拶を交わした。

「不動産の買付は概ね順調ですね、さらに範囲を広げようと思います」

 望月がセントラルパーク周辺の地図を広げた。買付済のビルには蛍光ペンで色が塗られていた。

「セントラルパーク南側の地区の買収もお願いします。特にリッツカールトン・ホテルが気に入りました」

「わかりました。精一杯頑張ります」

「ビジネスについては望月に任せていますので、彼の指示でお願いします」

「もう一つお願いがあります。妻のリリーの弟がハーバード大学経済学部の4年生なんですが、インターンシップ制度を利用させて欲しいんです。まだ21歳で飛び級を1度しています」

「それとその妻のYuri・Odaの御社への就職をお願いします。彼女はハーバード大学ビジネススクールを今年卒業しており、御社からの勧誘もあったと聞いております」


「ODA様、私からもお願いがございます。ODA様の個人口座をニューヨーク支店に作って頂けませんか?」

「いいですよ、そのつもりでいましたから。しかし担当者を義理の弟のウィリアムにして頂けないでしょうか?」

「わかりました。それでしたらウィリアム君はインターンではなく、いっそのことすぐに社員にしましょう」

「百合さんについては当社の勧誘の事実の確認が取れましたら、一緒に社員にしましょう」

 ウッド支店長が笑顔で言った。マジックウィンドウズ社の買収金額から想定すると、1億ドルくらい預金して頂けると目論んだ。

「そうして頂けると助かります」

「学生でも社員にできるんですか?」

 リリーが質問した。

「見方を替えて、社員が会社の命令で大学に行っているんです。ですから大学の授業料は会社で負担します」

「そこまで便宜を図って頂いて、有難う御座います」

 俺はウッド氏に感謝した。


 インペリアルバンク社のニューヨーク支店から戻って、リリーがウィルに電話をした。

「ウィル元気、リリーよ」

「リリー姉様、お久しぶりです」

「あなたの就職が決まったわよ」

 ハーバード大学経済学部出身者の就職は様々な企業からの勧誘がある。ゼミの教授が就職先をある程度割り振っていた。しかしインペリアルバンク社は別格だ。アメリカのエリート集団で、学生から絶大な人気があり、インターンの選考倍率も高い。

「インペリアルバンク社よ、インターンではなくて、すぐに社員にしてくれるそうよ。必要書類はODA.HDニューヨーク支店で準備するから、すぐにインペリアルバイク社に出社しなさい」

「百合もインペリアルバンク社に入社できると思うわよ」

「本当、すごいな。でもゼミの卒論をまだ作成してしてないんだ」

「家庭教師だった先生達に相談しなさい。卒論のテーマと構成を相談したらいいじゃないない。データの収集などはアルバイトを雇いなさい」

「全部自分でやろうとするからいけないのよ。卒論は郵送でもいいんじゃないかしら」

「インペリアルバンク社で自分のスキルを磨きなさい」

「わかりました。リリー姉様」


 後日、俺はODA.HDニューヨーク支店の住所でインペリアルバンク社とシティバンクの口座を開設した

「リリー、この水晶のブレスレットをウィルに渡しといてくれ。ウィルを通して売買することにするから」

「東京で不動産の売却と株式の売却が終わった後、東京支店を縮小する。一方でフィリピンから厳選された女の子達が東京に送られてきているし、フィリピンでは東京行きを待機している女の子達もたくさんいる。彼女達の働く場所を東京に作るために新規店舗の開設と新たに芸能事務所を設立しようと思っている。全てを年内に段取りをしたいから、少ししたら東京に行く事にする」

「わかったわ、また私、1人になっちゃうの?」

「ごめん、東京での仕事の目処が立ったら迎えに来るよ」

「早く来てね、待ってるから」

 俺は泣きそうなリリーを抱きしめた。


 プライベートジェットに搭乗した。大きなジャンボジェットに俺1人だ。

 機内の食事の時間、ラウンジでディナーを摘みにウィスキーを飲んでいた。1人ではつまらないのでCAを呼ぶと俺を5人のCAが取り囲んだ。全員が仕事だと思っているので、美人の女の子に囲まれていても堅苦しい。全員が俺が話をするのを待っているのだ。

(全然、楽しくないぞ)

「1人で酒を飲んでもつまらないから君達も付き合ってくれ」

「シェフと機長達も時間が空いたら来てもらってくれ」

「ハイ、ODA様」

 5人が準備に立ち上がって、それぞれが席を立った。

「随分遅いな。腹も減ったぞ」

 5人がワゴンに料理や酒を運んできた。驚いたのが制服ではなくて全員が私服に着替えてきた。フィリピンは日本と比べて暑いからミニのホットパンツにタンクトップや胸元が開いたTシャツ姿だった。CAからガールズバーに来た感じだが、ガールズバーと違ってみんな俺に密着してくるのだ。

 シェフがワゴンでメインディッシュのローストビーフを運んできた。俺は前世で“鎌倉山のローストビーフ”が好きだ。どこの一流ホテルのものよりも美味い。特にローストビーフにかける和風ソースが絶品なのだ。醤油ベースにキリッとした日本酒が効いてあとは何を加味しているかわからないが、本当に美味い。シェフは試行錯誤の末、同じローストビーフを作ってくれた。

「いつも美味しい料理を有難う、どこで習ったんだい?」

「シンガポール本社ビルの懐石料露店で働いた後、ODA様が好きな“鎌倉山”に修行に行きました」

「そうだったのか、有難う。私にできることは少ないが、右手を出してごらん」

 シェフはポケットからハンカチを取り出して、自分の右手の手のひらを何度も拭いた。

 俺は手を優しく握って光の粒子を右手に流した。俺とシェフが発光してラウンジが光に包まれた。

「ああああ」

「なんという、なんという〜」

 光の頻流がシェフの身体に流れた。経験したことのない、シェフは、暖かくて圧倒的なエネルギーに満たされた感じがした。

「有難う御座います」

 シェフが感極まって膝まついた。

「凄いです」

「神々しい」

 俺の周りにいた5人のCAが興奮して感動していた。


「おい、今のはODA様の光じゃないのか?」

「自動操縦にするから、副操縦士の君に後を頼む」

「はい、いってらっしゃい。機長、すぐ代わって下さいよ」


「ODA様、ご搭乗下さり有難う御座います。機長のサントスでございます」

「ルーシーがジャンボジェットを操縦する時にお世話になったね。右手を出してごらん」

「はい!」

 機長がハンカチで手のひらを丁寧に拭いた。

「オオオオー」

 光の粒子の奔流が機長の身体に溢れて身体が発光した。機長は恍惚感で失神しそうになるのをなんとか堪えた。

「ODA様、有難う御座います」

「副操縦士も呼んできなさい」

・・・・・・・


「機長、すごかったですね。この時ほど自分がパイロットになって良かったと思いました。

「私もだ。ODA様の光のエネルギーが身体に入った瞬間、古びた自分の細胞が活性化した感じがしたんだ。目の前が光に包まれた時、俺はこのまま死んでもいいと思ったよ。それほどの幸福感だった」


「ODA様、私達にもお願いして頂けますか?」

「ああいいよ。右手を出してごらん」

「アアアアア、ウウウウン、イイイク〜」

(えええ〜、どう言う事?、治癒の光の波動なんだぞ、俺のエロい波動じゃないんだけど?」

「次は私です。お願いします」

「イイイイイイ、イッックウ〜」

・・・・・・・・

(どうなってる?リリー達に治癒の波動ではこんなことにならないのに、まあいいか、エロい女は好きだ)

 

「自分の部屋で食事を取るので運んでくれ」

「かしこまりました」

 女の子達も俺専用のリビングに付いてきた。

「君たちも、どんどん飲んでくれたまえ」

「有難う御座います」

 ワゴンに酒をたくさん積んで運んできた。

「乾杯!」

 ワイン、テキーラ、ブランデー、ウィスキー、凄い勢いで酒がなくなっていった。

 2時間後、両脇の女の子が俺にしなだれかかっている。

「ODA様〜、愛してますう〜」

 しなだれかかっていた女が突然、俺にキスをしてきた。

「私も、愛してますう〜」

 もう一方の女がキスをしてきた。

「交代よ!」

 左右の女の子が交代した。

「ODA様〜、赤ワインがお好きなんですよね?」

 口に含んだ赤ワインをキスして飲ませてきた。

「ODA〜、私も食べてえ〜〜」

(こういうハーレム状態を嫌いな男はいない。久しぶりでいいもんだ)

 

「ウィスキーのロックをくれ」

「はい、ODA様」

 俺はシガーを口に含むと、すかさずテーブルの上からカルチェの純金ライターで火をつけてもらった。俺はシガーを燻らせながらウィスキーのロックを嗜むのが好きだ。


(ああ、俺は何をやってるんだ)。自己嫌悪で自分が嫌になった。

「風呂に入りたくなった。片付けといてくれ」


 機内にお湯が溢れないように、薄いエアーベットに横たわって湯船に入る形の特別に作らせた風呂だ。リリー達には言えないがソープランドのエアーマットに寝そべりながら、風呂にも入って、なんでもできる優れものだ。

 俺は横たわって湯船に浸かった。


「お背中を流しにきました〜」

 5人が全裸で入ってきた。

「ええええ〜」

(リリーにバレないか、それが心配だ)

 酒池肉林の一夜をすごした。


 プライベートジェットが成田空港に着いた。俺が降りる時、全員が並んで片膝を着いた。

「世話になった。だが昨日あったことは忘れろ。リリーやナンシー、家族にも他言無用だ」

「かしこまりました」

 機長が代表して誓った。

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