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ウィルと百合

 ウィルが高校入学して1年も経つとマリーママがフィリピンに帰ってきた。思春期のウィルが母親との同居を嫌がったのだ。ウィルは母親が雇った年配のメイドをクビにして、若いセクシーなお姉さんのメイドを雇いたかった。

 シンガポールODA.HD本社の副社長のリリーに電話がかかった。

「奥様、アメリカのウィリアム様からお電話です」

「ウィルです。お願いがあって電話をしました」

「ママをフィリピンに帰して1人でやっていけるの?」

「勉強はリリー姉さんが付けてくれたハーバード大学の先生達のキツいノルマをこなしています。先生達の指導についていければ、ハーバード大学の経済学部への入学は問題ないと言ってもらえています」

「・・・・・でも僕も高校生だよ。恋人が欲しいんだ。ママやおばさんのメイドじゃだめなんだ。お願いリリー姉さん、僕の面倒を見てくれる若いお姉さんをメイドに欲しいんだ。お願いします」

「ウィル、姉にセックス付きのメイドを紹介してくれって頼む弟なんていないわよ!」

「でも、生活の面倒を見てくれる人は必要ね。ホームステイではダメなの?」

「せっかく1人になれたんだ。ママやナンシー姉さんやルーシー姉さんから解放されたんだよ。ホームステイじゃ自由を満喫できないよ。一生のお願いです。リリー姉さんの言うことならなんでも聞きますから」

「あたしだけじゃなくて、ユージの命令に絶対服従するなら考えてあげてもいいわよ。ウィルの面倒も全部ユージが見てるのよ。ハーバード大学の経済学部に入学することだってウィルの将来を考えてのことよ、ユージに感謝しなくちゃダメよ!」

「わかった。ユージ兄様とリリー姉さんの言うことを聞きます」

「絶対服従よ!」

「絶対服従します」

「よろしい、じゃあユージに私からお願いしてあげる」

「でも勉強が疎かになったり、ユージに反抗したら許しませんよ!ナンシーとルーシーの監視を付けるわよ」

「絶対大丈夫です」

「よし、じゃあ準備ができたら連絡するわ」


「ユージどう思う?」

「簡単に言うと、英語ができる、しっかり者の愛人を世話して欲しい、ということだろう?」

「ごめんなさい、そう言うことなの」

「ウィルの年齢のことを考えると、間違いなくのめり込んで情が移る。ひょっとすると将来結婚するかもしれない」

「そうね」

(ユージの場合がそうだものね)

 リリーが思った。

「付けた女性が俺達の身内になる可能性がある。一方でウィルの監視も必要だ」

「話しは変わるけど、アメリカの政界や財界の娘さんとの結婚は考えないの?」

 リリーが今後のアメリカ進出を想定して尋ねた。

「それも考えたんだけど、由緒正しい娘さんだと娘さんの実家に、ウィルが肩身の狭い思いをするんじゃないか?」

(ユージがいなければ、ウィルの両親は貧しい農民で、姉達は生活を支えるために売春婦をしていたのだ。みんな中卒だ)

「俺は、アメリカのどんな富豪よりも金持ちと名声を掴むから、ウィルが嫁さんの実家をあてにする必要はない、むしろ面倒だ。嫁さん選びは、俺達家族とウィルにとってベストの選択を取ろうと思う」

「それでどうするの?」

「俺達に恩義を感じ、頭が良くて美人の女にウィルのサポートをさせる。東京の瑠美子の部下の女の子達しかいない。あの子達は俺がチェックしているから、美人でスタイルが良くて性格もいいし、頭も抜群にいいぞ」

「ふ〜ん、そんなにいい女なのね。ユージの愛人じゃないの?」

「そ、そそんなことあるわけないじゃないか」

 雄治の額から汗がドバッと出て、顔が赤くなった。

「どうかしらね!」

「とにかく麗子を呼ぼう」


「社長、お呼びでしょうか?」

「・・・・・と言うわけだ」

「瑠美子に相談しましょう」

 俺は東京の瑠美子に電話をした。スピーカー通話にした。

 事情を正直に瑠美子に説明した。

「そうですか、ただの愛人では、お金をいくら渡しても無理です。真面目で優秀な女子達ですからプライドがあります。ウィルさんの生活をサポートで派遣するとしても、よっぽどいい条件を出さないとダメです」

「わかった。ODA.HDの社員として年収3000万円を支給する。アメリカでの生活費、必要経費は無制限。ウィルと同じくハーバード大学の教授の家庭教師を付けてハーバード大学への留学を全面支援する。別に家事と通訳の使用人を雇うことを認める。ウィルが18歳になったら結婚させる。アメリカに行って1ヶ月間の内にOKするか判断すること、以上だ。因みにアメリカに行った場合の上司はリリーになる」

「質問なんですが、ウィル君は単に愛人が欲しいだけなんですよね、ウィル君に聞かなくて、勝手に結婚相手を決めていいんですか?」

「大丈夫よ、ユージが言うには、すごく優秀で美人だそうだから、ウィルに文句は言わせないから」

 リリーが断言した。

「瑠美子、候補はいるかい?」

「3人いるけど、多分大丈夫です。リリー姉さんの弟なら頭が良くてイケメンなんでしょう?」

「ああ、その通りだ、いずれウィルにグループ企業の一つを任せたいと思っている」

「わかりました」


 ナンシーとルーシーを呼んで事情を説明した。休日にリリーがウィルに電話をした。通話はスピーカーにした。

「ウィル、結局のところメイド兼愛人が欲しいと言う要望は却下します。代わりに貴方の婚約者を送ります。東京支店で働く優秀で美人の女性です。彼女がアメリカの家の一切の仕事を執り仕切ります。そして貴方と同様にハーバード大学の先生を家庭教師につけて、ハーバード大学に留学してもらいます。その女性に気に入られて、結婚相手になってくれるよう努力しなさい。結婚はウィルが18歳になったらしなさい。わかりましたか!」

「えええ、突然そんなこと言われても」

「おい、ウィル、愛人を囲ってメイドをさせるだとう!お前、性奴隷にするつもりだろう!誰のおかげでアメリカまで行かせてもらってるんだ。ハーバード大学の先生の家庭教師をつけてもらってるんだぞ。リリー姉さんやあたし達がフィリピンでどれだけ苦労したか知ってるだろう!ふざけやがって、あたしがお前んとこ行ってやるよ!」

「ええええ〜、もしかしてルーシー姉さんなの〜」

「リリー姉様、助けて下さい。なんでも言う事を聞きます」

「姉さん、こんな奴助けてやる必要ないよ」

 ナンシーが言った。

「本当だよ」

 ルーシーも同意した。

「ウィル、性奴隷にするつもりなの? 姉の私に性奴隷を用意しろってことなの?」

 リリーのボルテージが上がってきた。

「姉様、あたし達に行かせて下さい。ウィルの腐った性根を叩き治してみせます」

・・・・・・・

・・・・・・・

「ユージだ」

「あっ、兄様」

「俺も男だからセックスしたい気持ちはわかるぞ。リリーも俺もウィルが変な女に引っかかて欲しくないんだ。真面目で頭が良くて美人でスタイルのいい子だ。性奴隷は絶対に許さん。セックスをしたければ、お前が受け入れてもらえるくらい誠心誠意努力しろ。そしてもし受け入れてもらったら、ウィルが18歳になったらその子と結婚しろ」

「わかりました。兄様」

「女性の上司は私だから、毎週、私に報告させるわよ。もし勉強が疎かになったり、女の子に失礼な態度を取ったら、タダじゃおかないわよ!ナンシーとルーシーを行かせるからね」

「ええええ〜、そんなあ〜、絶対、死んでも、嫌だあ〜」

「なら、ちゃんと真面目に勉強するのよ、わかった!」

「はい、リリー姉様」

「女の子の説得はこれからだ。決まったらリリーから連絡させる」

「はい、兄様。よろしくお願いします」


ウィルの思い出

「お前、生意気なんだよ!」

「ドン、バキッ」

「ウグググ〜〜、」

 後ろから地べたに座り込んでナンシーに羽交締めされたウィルが、ルーシーから腹を殴られていた。

「なんでパンツの前を大きくしてるんだよ!」

「バンッツ」

「グウウ」

 フィリピンの温度が高いので、ナンシーとルーシーはいつも短パンにノーブラのTシャツ姿だった。

「ルーシー姉ちゃんのパンティが見えてるんです〜」

 ルーシーは座り込んでいるウィルの前でM字開脚したり片膝を立てていると、短パンの隙間からパンティが見えていた。男の悲しいサガで反射的に視線がそこに吸い込まれてしまい、反応してしまうのだ。

「お前、勝手に見るんじゃないよ!」

「バキッツ」

 ルーシーがゲンコツでウィルを殴った。

 ナンシーがルーシーと代わった。

「バシッツ、バッシッ」

 ナンシーが平手打ちをした。

「私のどこ見てんだよ!」

 ナンシーのヒモパンティが食い込んでいた。

「見てませ〜ん」

「じゃあ、なんでパンツの前が膨らんでるんだよ!」

「バシッツ、バシッツ」

「ごめんなさい、ごめんなさい。神様、助けてください〜」

・・・・

「あんた達、いい加減にしなさい。弟なのよ!」

 リリーがウィルの頭を優しく撫ぜた。

「でも〜、こいつが私達をやらしい目で見てるのよ!」

「あんた達もそういう格好をしているから、しょうがないじゃない」


ODA.HD東京支店、支店長室(瑠美子)

「失礼します」

「座ってちょうだい。仕事は慣れたかしら」

「はい、知らないことだらけですけど、先輩方が丁寧に教えてくれて、毎日充実しています」

「そう、それは良かったわ」

「貴方にお見合いの話が来ています。でも先方に事情があって普通のお見合いじゃないの」

「副社長のリリー姉さんの弟がアメリカに行っていて、今高校2年生なんだけど、1人住まいをしています。社長と副社長が変な女に引っかかることを心配して、真面目でしっかりした女性と婚約させたいとおっしゃっています。私は百合を推薦しました。これがリリー姉さんの弟のウィリアム君です」

 瑠美子がウィルのスナップ写真を見せた。

(すごいイケメン。こんな人の恋人になりないなあ。そうか、なれるのよね)

 百合は心の中で即決してしまった。

「いくつか説明しておくことがあるの」

 百合がメモを取るため手帳を出した。

「ウィリアム君は高校2年生の17歳で貴方より2歳年下です。ハーバード大学経済学部に入学するため、ハーバード大学の先生達に家庭教師をお願いしています。貴方には、ウィルと同じようにハーバード大学の先生に家庭教師になってもらって、貴方もハーバード大学に留学してもらいます。東京の大学には休学届を出して下さい。

 ウィルの家はボストンの一戸建てを借りています。プール付きの豪邸です。専用のシェフに庭師、運転手も雇っています。全員日本人でうちの社員です。しかも運転手と庭師は八島流空手の有段者で、貴方達の護衛も兼ねています。今までウィルくんのママとメイドがいましたが今はいません。貴方には自宅、学校、資金管理の一切を執り仕切ってもらいます。準備が整い次第、シンガポール本社のリリー副社長のところに挨拶に行ってもらいます。今後は副社長直属の部下になります。給与は年収で3000万円です。アメリカでの出費は全て貴方の裁量に任せます。もちろん会社が負担します」

「ウィル君のことを結婚相手として考えられなければ、すぐに申し出て下さい。貴方にペナルティはありません」

「ウィリアムさんは私の事を知っているんですか?」

「写真を見せただけです。でもすごく気に入ったそうです」

「わかりました。とにかくウィリアムさんにお会いします」


 シンガポールODA.HD本社、社長室

「失礼します。水沢百合です。宜しくお願いします」

 部屋には、俺、リリー、ナンシー、ルーシー、麗子がいた。

「ウィルの姉のリリーです。これから貴方の直属の上司になります。突然見ず知らずの男と婚約とは、さぞ驚かれた事でしょう。若い男と同じ家に住むことも大変不安に思われていると思います。ウィルには百合の命令に従う様命令しています。また、百合の承諾なしに指一本触れてはいけないと厳命しています。もしウィルが百合を傷つける行為をしたならば制裁を加えます」

「百合ちゃん、任せといて、ガツンとやるから」

 ルーシーが楽しそうに言った。

「ボストンには貴方の手足となる人間を雇っています。日系アメリカ人です。なんでも指示して下さい。ボストンの日本領事館で手続きした後、シティバンクで口座を作って、アメリカンエクスプレスのカードも作りなさい。金銭の支払いは百合が行いますが、カードができるまでウィルのカードを使いなさい。貴方の行っている大学はハーバード大学と提携があるそうなので、来年からハーバード大学経済学部に留学することになります」

「私の大学からハーバード大学への留学は学長推薦が必要のはずですが?」

「貴方はハーバード大学から招聘されるのです」

「そんな事が可能なんですね」

「今後の生活に必要なことをまとめたレポートです」

 百合がざっと目を通した。一番大事なウィリアムの項目を見た。

「ウィリアムさんの苗字もODAなんですね」

「ええそうよ」

 リリーが答えた。

「私達もそうなの」

 ナンシーが答えた。

(おい、どういう事なんだ。聞いてないぞ)

「ナンシーもルーシーもODAなんですね」

 麗子が言った。

「レイちゃんとルミちゃんは日本国籍だから、すぐにはできないのよ」

「レイちゃんもODA姓になりたいでしょう」

「お願いします」

「リリー、俺は全然知らないんだけど」

「家族なんだから、ODAの方が都合がいいでしょう?何か問題でもあるの?」

「い、いや問題ない。いいんじゃないか。でもどうやったんだ?」

「一時的に結婚してすぐに離婚したのよ。離婚後の苗字は選択できるのよ」

「じゃあ俺はナンシーとルーシーと結婚していた時期があったってことか?」

「そうよ、あんまり細かい事、気にしないの」


(この家族って副社長のリリー奥様が仕切ってるだわ。女として尊敬しちゃう、憧れちゃう)

 百合がリリーに感服した。


 ボストンにあるウィルの自宅、百合がサポートスタッフを伴ってやってきた。自宅ではウィル、シェフ、運転手、庭師の男性が百合を迎い入れた。

 ドアが開かれて百合が現れた。その瞬間、ウィルは恋に落ちた。東洋の神秘的で理知的で、しかも美人でプロポーシュンのいい女性が立っていた。ウィルはこの様な神秘的な女性に会った事がなかった。

「ユリ・ミズサワです。ウィリアムさんですね、よろしくお願いします」

 百合が握手をするため右手を伸ばした。

「ウッツ、ウィリアムです。触ってもよろしいでしょうか」

「ええ、もちろん」

(なんて白くて可愛くて華奢な手なんだ)

「ウィリアムさん、手を離してくれませんか?」

「アッツ、すみません」

(いつまでも手を握っていたかった)

 ウィルは思った。

「荷物を部屋まで運びます」

「坊っちゃま、私たちで運びます」

 運転手と庭師の男が言った。

「僕が運びたいんだ」

 

 ディナーの席で

「食事の後に家庭教師の先生がきます。一緒に勉強を見てくれるそうです」

「緊張しますね」

「大丈夫です。先生は優しい方です」


「君が百合さんだね、ぼくは大学で経済学を教えています。ウィルには高校の勉強ではなく大学の勉強を教えています。百合は一緒に聴いていて下さい」

 百合は英和辞典を開きながら講義を受けた。


数ヶ月後

「百合は大学4年生のレベルだよ。特に会計学で教える事はないよ。ハーバード・ビジネススクールに行くべきだよ」

 ハーバード大学の教授が驚いた口調で言った。

「いえ、まず1年生に入学させて下さい。ウィリアムさんと同じ大学に通いたいんです」

「ウィル、飛び級して百合と一緒に入学するかい?」

「先生、お願いします」

「わかった、なんとかしよう」


 ウィルが高校に行っている間、百合は英語の勉強と家の中を掃除をしていた。ウィルの部屋のゴミ箱には毎日ティッシュが山盛りに捨ててあった。

(ウィル、ごめんなさい。今は勉強が大事なの。我慢してね)

 ウィルの枕カバーを洗濯しようと枕をどけると、百合のスナップ写真があった。

(私でやってたんだわ)

 百合は海水浴に行った時に友達が撮った、百合のビキニの写真を枕の下に置いた。

 翌朝、朝食の時

「百合さん、知ってたんだ。恥ずかしいけど、ありがとう」

「ウィリアムさん、飛び級できたらキスしてもいいです。そしてハーバード大学に入学できたなら、私を好きにしていいです」

「本当ですね。絶対ですよ。僕は百合さんの事が好きでたまりません。百合さんを抱きしめたくて、毎日・・・・・」

「本当です。私もウィルのことが大好きです。でもここでそういう関係になってしまうと、勉強が疎かになってしまいそうで怖いんです。リリー奥様からウィルが勉強を疎かにしたら制裁すると仰っていました」

「恐ろしいことを思い出してしまいました。ナンシー姉さんとルーシー姉さんが乗り込んでくるんでした」

「百合さん、僕がハーバード大学に入学したなら婚約して下さい。そして18歳になったら結婚して下さい」

「ウィル、私も早く婚約して結婚したいんです。ウィルに抱かれるのを我慢しているんです」

「百合・・・・」

「ダメ、キスは飛び級してからよ」

「はい、ごめんなさい」

「百合、お願いがあるんだけど、百合のヌードの写真をくれない?」

「そんなのあるわけないでしょう!」


 半年後、ウィルは飛び級をして見事ハーバード大学経済学部に入学した。百合も入学した。その夜

「百合、入学できたよ。いいよね」

「シャワーを浴びるから、私の部屋に来て」

 ウィルが念入りにシャワーを浴びて歯を磨いて百合の部屋に入ってきた。薄暗い部屋の中でベッドに百合が布団の中にいた。ウィルは腰に巻いたタオルを取った。百合の横に入って抱きしめた。

「百合」

 激しく百合の唇を吸った。百合もそれに答えた。

「もう、我慢んできない。百合いいよね」

「うん」 

「百合、愛しているよ」

「ウィル、アタシを好きにして、いっぱい愛して〜」


 シンガポールのリリーの執務室の電話がなった。

「リリー姉様、ハーバード大学経済学部に入学しました。百合とも結ばれました。婚約します」

「チョット待ってね、みんなを呼ぶから」

 電話を社長室に転送してみんなを呼んだ。

「ウィルおめでとう。百合にも受け入れてもらったんだね」(ユージ)

「百合を今電話に出してくれるかしら」

「百合はベッドでダウンしています」

「ウィル、一丁前の男になったんだな」(ルーシー)

「ルーシー姉さん、僕も男ですから」

「婚約したならプレゼントが必要よね。指輪をあげたら?」(リリー)

「そう言えば、ユージから婚約指輪をもらってないんだけど」

「アタシも欲しい」(ナンシー)

「アタシも」(ルーシー)

「私も欲しいです」(麗子)

「気が付きませんでした。すみません。既製品じゃなくてデザインして特注した方がいいんじゃないか?」

「そうね、そうしましょう」

「百合にも、そう伝えなさい」

「ウィル、それから、浮気は絶対許さないからね。わかった!」

 リリーが語気を強く言って、俺の顔を見た。

「したら許さないぞ」(ルーシー)

「百合を泣かせるなよ」(ナンシー)

(みんないちいち俺の顔を見て言うなよ)

「ユージ、婚約披露パーティーも結婚式も挙げてもらってないんだけど。私って可哀想〜」

「本当にすみませんでした。フィリピンのビルが完成したらパーティーをしよう。それで許してくれ」

「私ってなんて良い奥さんなんでしょう。楽しみにしています」

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