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聞きなれない魔石師との奮闘記  作者: さんご
成長と旅立ち
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魔石合成は万能です?

アクセスしていただきありがとうございます。

わかりにくい部分などありましたらご連絡ください。

ブックマーク登録などしていただけると、作成の励みになります。よろしくお願いいたします。

この20階は今魔力に鈍感な戦士系のエメダ、ニウテが感じるほど高い魔力濃度の空間になっている。

マキ、ユキもそれは21階よりも全然魔力濃度が高い感覚があった。


「この魔力をどうにかしないと」

マキは、深刻そうに話す。


「でも、魔力をどうにかするなんてできるの?マキちゃん?魔力は自分の体内で生成したものを利用し魔法を発動することはできるけど、この空間にある魔力は、どうにもできない。魔力が魔物に変化して倒して魔石になって、なってもらうしかない。そうやって均衡を保つしかないと、魔力保存の法則って本で読んだことがあるよ。」

ユキは、魔導士として魔力について知る限り話す。


例えば、この辺りに10000の魔力があった場合、魔石が1000の魔力を吸収する。そうすることで魔物を発生させ魔力を固定化する。10体の魔物が発生すると10000の魔力が無くなり0になる。(正確には0にはならない。魔物が発生しにくくなるぐらい低くなるということ)魔力10000は、姿を魔石に変えただけで、魔力総量には変化はないという説がこの世界の定説であった。他にも魔力嵐などもある。地上では何らかの要因で魔力濃度の高い地域から低い地域へ流れ込む現象も確認されている。その場合は、魔力が自然に魔法として風を発生させ破壊するエネルギーとして変換され消費され、魔力均一化を保つ現象として知られていた。この時は、魔物はあまり発生せずその地域一帯を破壊することで、魔力が飛散し均一化される。


人間が魔法を使うことで辺りの魔力が増え、休んだりすること(魔力回復)で魔力を体内に吸収し減ったりもする。魔物も同様に魔力を消費しながら生活し、そのあたりの余剰魔力を吸収し、均衡を保つ。

何かのはずみで、魔力過多になるとスタンピードが起こるのは自然現象、世界の均衡を保つためという見解もあるぐらいだ。

そんなことが、魔法の基礎として魔導士の教科書に載っているようだった。


とはいうものの魔物を出現を待って魔石として回収するのは、スタンピードを起こすと同義になってしまう。

なので、ここで魔物が沸き尽くすまで、ただ待つことは何も解決にならない。


マキは、この20階の魔力濃度の雰囲気だともしかすると千を超える魔物の出現になってしまうかもしれない。

と思っている。

新緑の森とは違い同士打ちも少ないなら、ダンジョン内の普通に発生する魔物を含むと、もしかすると万の魔物が町へ押し寄せることになる可能性だってある。

この状況を打破しなければ、魔物は増える一方。時間の経過と共に状況は悪くなるしかない状況だった。


みんなで魔物と戦いながらも魔力を減少させる方法を考える。


「魔法をいっぱい使えばいいんじゃない?」

ニウテは、ちょっとずれたことをいう。


「ただ魔法を使えばいいってわけでもないの。1人の魔力総量は決まっている。私でさえまだ、数字にしたら400程度。私の魔力が減るだけでこの階層の魔力は減らないのよ。」

ユキも悩みながら答える。


「この空間の魔力を上手く使えれば」

ガルジつぶやく。


「そうね。この階層の魔力を上手く使えれば・・・」

マキも続く


戦闘しながらのため、あまりゆっくり、じっくり考えていられないが、何か打開策を考えなければならない。

ダンジョン内ということもあり、派手な大規模範囲魔法も使えない。

魔石を使えば魔物は一掃できるかもしれないが、ダンジョン内に冒険者がいるかもしれないからそんなことを気軽にできない。


突然、クウィが話しかける。

「クウィ~クウィ~(マキちゃん。魔石合成よ。昔を思いだして、一番最初に魔石合成をして部屋に魔力を充満させてしまったことを)」



「魔石合成??(魔石の分解はできるけど、空間に広がった魔力を集めることなんて・・・)」

クウィに念話で返事をする。


「クウィ~クウィ~(あの時は、美味しい魔力だった。スライムみたいにひんやりしつつもマキの優しい魔力も混ざって・・・じゃない。あの時は、部屋に充満していた魔力を消費して魔石合成したはずよ。それに、ユキちゃんに魔力を譲渡したりできていたじゃない。それの応用でできるはずよ。)」


何か閃いたのか、マキは、突然大声を出した。

「あ~~~~~!!!なるほど。確かにそうだわ」


「なに!マキちゃんは!」


周りのみんなも驚いた。そして、魔物も音に反応して寄ってきた。

マキの方へ視線を向けたが、魔物も集まってくる。

みんな必死に魔物を倒す。


マキは一つ魔石を取り出すと

「魔石合成!」


「シーン」


なにも起こらない。二つ持って魔石合成をすると当たり前だが二つが一つになる。


「難しい。この前はどうしてできたんだろう。魔力譲渡か」


自分の魔力を相手に渡す。魔石師特有の能力。スキルではない感覚のようなもの。

魔石合成をよく考えると、二つの魔石を一度分解して魔力にする。それを一つに集約し、魔石へと再構成を行う所作。

さらに魔力譲渡で経験した魔力の移動を組み合わせることで、可能になるはず。


「魔力譲渡は、相手の魔力と合わせ自分の魔力を相手になじませるイメージ。

つまりその逆をイメージすればよいわけか」

自分で独り言&納得している。


「周りの環境を感じ、魔力を感じ、合わせる。

手に持った魔石に魔力を集積するイメージ。できるかもしれない。」


マキの魔力を周囲に薄く広げ周囲の魔力を感じ干渉し、そして、手に持った魔石に集めるイメージを強く持つ。


「魔石、合成。!」


周囲の魔力が魔石に集まり魔石が一回瞬時に分解されるが再び形を成し、魔石に戻る。


魔石を一つしか使っていないのに、周りの魔力を吸収できたからか、キングスライムの魔石へ変わっていた。


これまで、キングスライムの魔石を作ったことはあったが、魔石は5個以上必要だったので、マキは大変驚いていた。


「成功だ。5000ぐらい魔力を吸収したことになるのか、でも、この周囲の魔力はどのぐらいあるのだろう。

もう少し効率を上げないと終わる気がしない。」


成功に喜んだマキだが、どのぐらいの魔力が充満しているのか予想もつかなかった。

次回の投稿は、5月30日を予定しております。

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