21階、22階は平和でした。つづき
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1時間ぐらい休憩して、外に出ると・・・
なんと魔物に取り囲まれていた。
人の気配がしたからか、集まってきたようだったのだ。ある種家は罠ではないかと思うほどだった。
何体?いや何十体もの魔物が家を取り囲んでいる。
賢い魔物なのか、結界や道には近づかず家から出てくるのを待ち伏せしているといった感じだ。
茶色で硬そうな岩スライムに緑色の風スライム。
ゴーレムなのか、岩系のゴブリンなのか分からないが、茶色っぽい人型の魔物。
岩ワームや風ワーム、岩マンティスや風マンティス、そして、岩クモの魔物や風クモの魔物。
森林と山岳が合わさった場所だけに2属性の魔物が集まっていた。
マキ達が出てくるのを確認すると一斉に襲い掛かってくる。
「うぉぉぉぉぉぉ~~」
戦闘が開始されそうな空気の中
「家に戻りましょう。」
エメダは、安全な家に戻ることを提案する。
戦う気持ちになっていたマキ達は、唖然。エメダの方を見た。
「いや、だって作戦立てた方がいいでしょう?見た感じ家の中までは襲ってこないみたいだし、
ゆっくり考えて倒す方法を考えましょうってことです。こんなに多いのに無策で飛び込むのは無謀です。」
「確かに、さっすがエメダ。賢い。」
ユキは、エメダを褒める。そして、エメダは照れていた。
「一理あるな」
ニウテも関心している。
エメダの提案通りマキ達は、家に戻ることにした。
家に入ると窓は小さく外があまり見えないことに気づく。
なので、魔物がどう動くのか、配置されているのか、何体いるのか確認はできなかった。
「やっぱりこの中には入ってこれないみたいですね。でも、外の状況は分からないですね」
エメダは想像した通りのことをつぶやいた。
「でも、外の状況は分からないぞ。」
カルジは、家から外が分からないことを説明する。
この中にいても外の状況は分からない。窓がないから見ることができないと
「窓?この扉開けっ放しにすればいいんじゃない?魔物は襲ってくるわけじゃないだし」
「クウィ~!」
マキは、窓の代わりになるものを提案する。
みんなも納得した表情でうなずく。
扉を開け外の様子を眺めているとこちらの様子を伺っているのか、魔物たちはうろうろしているだけだった。
魔法とか飛び道具とかはしてこない。
魔物はきっと、家の結界を警戒しているのと1本道にも謎の結界を理解している様子だった。
「うーん?作戦か。何がいいだろう。」
エメダは、作戦を考えるといった手前、真面目に考えている。
「ん?エメダちゃん簡単だよ。ここから魔法を打つ。安全でしょう?」
ユキは、ノリノリで話す。
「!」
みんなその手があったかという顔をする。
マキとユキ頼みになってしまうが、そこは安全に進めるためにはしょうがない。
比較的弱そうな、風スライムに向けてユキはファイヤーボールを放つ。
見事に命中すると一撃で倒す事ができた。
「なるほど、スライムはやはり弱いと」
エメダは、何やらメモを取っている。
「何やってるのエメダちゃん。急に真面目になっちゃったの?」
少しからかいながら、ユキは話す。
「全て任せるわけにもいかないから、倒せるやつを覚えようかなって」
エメダは、答える。
後ろでは、何やらどこかで悪い予感を感じ取るカルジ。
静かだと思っていたら
「ニウテさんとエメダちゃんには働いてもらいます。」
マキが怪しい笑みを浮かべて詰める。
もう既に、左手には魔力を貯め、今にも発動しそうな感じになっている。
右手には、もちろん2,3個の魔石を持っていた。
「さぁ~」
両手を出して、ニウテとエメダに迫る。
2人は、謎の恐怖を感じる。
「!!!だめだ。マキ。それは止めよう。」
カルジは何を感じ取ったのか、慌ててマキを止めにかかる。
「お兄ちゃんなんで分かったの!!」
「さっきちらっと俺を見ただろう。お兄ちゃんだからな」
「ぜんぜんわかんないんだけど」
ユキは話についていけてなくて少し拗ねている。
マキは、あの特訓でしたことをエメダとニウテにしようと考えていたのだ。
ブーストをかけて魔物を倒す作戦。
強くもなるし、一石二鳥の作戦を考えていたのだ。それを兄は、予見したのだ。
マキは、魔法を発動仕掛けて行き場を失った左手の魔力の塊の処理に困った。止められたからしょうがない。
右手の魔石も魔力を抽出しようと用意していた。
「もう。わかったわ。この魔力どうすればいいのさ」
マキは、怒り気味。
「マキさんやちょっと暴走が過ぎますよ。」
ニウテが真面目に反応する。
マキは、怒りながらも家から飛び出し、辺り一帯にファイヤーボールを連発する。
「先手必勝。ファイヤーボール、ファイヤーボール、ファイヤーボール、ファイヤーボール
ファイヤーボール、ファイヤーボール、ファイヤーボール、ファイヤーボール・・・」
家には結界が張られていて、問題ないが、辺り一帯が火の海となる。
家の周りに集まっていた魔物たちを一網打尽にし、辺りが焼け野原になる。魔物が焼ける匂いがして少し気分が悪い。
「マキちゃんちょっと私より暴走が過ぎますよ。」
ニウテの真似をしてユキに笑われてしまう。
「てへぺろ!」
実は、マキの作戦でもあった。
ユキはきっとあのままだと「ダンジョンに飽きた」と言っていたぐらいだから、無策に飛び出し魔物を倒そうとして危険が生じる可能性を思っていたのだ。
自分が真っ先に暴走することでみんなの危険を回避するための一芝居。
「何とか魔物は倒せましたね。魔石でも集めましょう。素材は焼けちゃったかしらね」
マキは、今までの事がなかったことのように魔石を回収し始める。
回収が終わると魔石が100個以上集まっていた。
つまり、100体もの魔物がいたわけだ。
あのまま戦っていたら、ユキはちまちま倒すのが性格に合わないからきっと飛び出して危険になったし、
一匹つづ倒してもまた集まってくるかもしれないから切りがない。
それを未然に防いだのだ。
結局沢山の魔物を倒したから、再び家で休むことにする。(疲れたのはきっとマキ一人なのだが・・・)
・・・・歴史は繰り返されるではないが、休むと魔物が集まっていた。
さっきは、派手をぶっ放したから余計かもしれない。
「これは、良くないですね」
マキは、ちょっと困った表情をする。
「またこの数相手にするの?」
ユキは、何もしていないけど、疲れた表情。
「道から出ないように、歩くしかないじゃないか」
カルジは、まともなことを言っている。
「そうね。そうしましょう。なるべく戦わないように道に沿って、次の階に進みましょう。」
マキも賛成。他のみんなも無理に戦う必要はないと思うので賛成している。
ユキは、つまらなそうだが道を歩いている途中途中でファイヤーボールを放ち、魔物を倒して遊んでいる。
「この道は不思議ですね。何で魔物が寄ってこないんでしょうね。」
エメダは、道を不思議がって調べようと、剣で叩いたり、切ったり、触ったり、蹴ったりしている。
「この道は、きっと魔道具なんだ。鍛冶師だからはっきりは分からないが、そんな感じがする。
ダンジョンの魔力を吸収しつつ発動しているんじゃないかな。さっきの家にあった魔道具のようにね。」
錬金術師とは別の分野なのだがかもしれないが、これまでの経験と勘でカルジは何となくそんな印象を持っていた。
「はっ。だったら、壊したりしたらまずいですね。」
慌ててエメダは剣をしまう。おとなしく歩くことにする。
「じゃーさ・・・魔力・・・やっぱやめよう。壊れたら面倒だ。」
ユキは、言いかけたが、途中でやめた。
多分よからぬことだろう。
マキは、後ろでクスクス笑っていた。
前に聞いた情報通り、21階と22階はボーナスステージは変わらなかった。
気を付けて道に沿って歩けば、次の階へと続く。
道にいれば魔物は襲ってこないので、やろうと思えば簡単にレベルアップもできる感じもした。
ただ間近まで魔物が接近するためその圧力に耐えられればの事である。
いつこの道の効果が切れるのかも分からない中で何時間もレベルアップのために戦う恐怖があるからやめることにした。
次回の投稿は、4月18日を予定しております。




