冒険者ギルド登録へ
マキは部屋にこもって再び魔石合成を始める。
スライムの魔石を二つ並べて
「魔石合成!魔石合成、魔石合成」
あっという間に、スライムの魔石が3つグレートスライムの魔石となった。
「あれ?私何もイメージなんかしてない。そもそも、そんなにいっぱい魔物はみたことない。」
マキは悩んでいた。
「グレートスライムか…どんな魔物なんだろう?」
首をかしげながら、グレートスライムの魔石をコロコロ転がして遊んでいた。
お店にいる父に、マキはいう
「お父さん、おとうさん!冒険者ギルドにいこう!」
15歳になって、父に冒険者にいって冒険者として登録したいようだった。
下から、父はいう。
「仕事で忙しいんだよ。後にしてくれ」
「夕方ならいいわ、私が見ているし」
と母は言った。
「うーん?…しょうがない奴だな。夕方になったら、行ってやるよ。用事もあるしな」
しぶしぶ、父は承諾したようだった。
父も母も町を出て行商をするときがあるので、冒険者登録をしている。身分証にもなるし
護衛など雇うときに優遇してもらえることもある。
冒険者登録は、15歳から行える。誕生日も迎えたし、母はちょうどよいと考えたようだった。
父に連れられ、冒険者ギルドにむかう。
「わー!! これが冒険者ギルドなのね!」
何度か近くまで来ていたが、マキは、入ったことはない。
護衛などを雇うのは、父の仕事でもありはいったことはなかったのだ。
なれた様子で、受付まで父は行っていた。
「娘のギルド登録。昨日15歳になったので」
父は、知り合いに話しかけるようにいった。
「バイルさん、娘さん大きくなりましたね。初めてみましたよ。可愛いですね」
ギルド職員は、親しそうに話す。
この町に住んで、長いこともありギルドには何度かお世話になっていて顔なじみの職員だった。
そんな話を父がしていると、レンが冒険者ギルドにいることをマキは発見した。
「あ!レンさんだ!」
マキは、レンに寄って行き
「ギルドには何しにきたの?」
マキは、さっき知り合ったばかりだというのに慣れ慣れしく話しかける。
「こんにちは!さっきの道具屋さんの!えーっと」
「私は、マキだよ。」
「あ!マキちゃんね。えっとポーションを納めにギルドにきたんだよ。錬金術師はなかなか戦闘もできないし
ポーションを売って生計を立てているんだ。」
「師匠にいくつかは、合格点をもらえたから、売りに来たんだ。」
「なるほど、錬金術師はそうやって稼いでいたんだ。よかったら、うちのお店に卸してよ。」
マキは、せっかく仲良くなったので何の権限もないが気楽にそんな交渉をしていた。
「こらっ!マキ、勝手に交渉するんじゃない。
ポーションは、ギルドを通さないとダメなんだ。彼を信用していないわけじゃない。
粗悪品を売ったらうちの信用がなくなってしまう。」
父は、怒った口調でマキに注意する。
「はーい。ごめんなさい。お父さん。」
マキは、落ち込んでしゅんとした。
「また、材料買いに行くね。魔石が良かったのか、今回は合格の品がいっぱいでたんだ。」
レンは、マキに励ますようにいった。
落ち込んでいた、マキも少し元気になったようだった。
しばらくすると
「はい、これがギルドカードだよ」
ギルド職員は、マキに手渡す。
「わーい」
そして
「マキちゃんは、まだFランク。毎日依頼をこなしてランクアップしてね。ギルド証を無くしたら、だめだからね」
と注意を受けた。
ここまでは、テンプレート道理ではあるが、父はギルド職員をにらんでいる。
冒険者ランクは、S~Fまである。依頼をいっぱいこなし、信用が得られれば、ランクアップする。
Cランクに上がるとき、Aランクに上がるときは、ランクアップのための試験のようなものが存在し、それに合格しなければならない。
とギルド職員から説明を受ける。
「ランクは、基本、F~Aまである。極々一部の国王に認められたら、もしかしたらSランクももらえるかもしれないけど、
夢のまた夢だから、ちなみに、俺は、商人だったがCランクだ。若いころは敵をバッタバッタと…いてーー!」
父は武勇伝を語り始めたので、マキは父を蹴っ飛ばした。
「あははは」
マキは恥ずかしそうに笑う。
家でもそうだが、ほんとかウソか、武勇伝を話し出すと小一時間は、話し始めてしまう。
みんながあきれる前にやめさせたのだ。
次回の投稿は、9月8日を予定しております。