レンのその後
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以前、新緑の森に『魔力集積の魔具』と『魔力結晶』を設置し魔物を大量に発生させポーターの町を壊滅まで追いやった元凶の人物がレンだ。
魔物を発生させるといち早くその場を離れ、このキワザスに来ていたのだ。昔の面影も無くただただ苦しそうな表情で町をさまよっている。
--ダンジョン15階--
レンは、1カ月前あたりからパーティ(三名)を雇い、15階まで達成していた。
10階ぐらい行ける冒険者を金で雇い、さらに錬金術で作成した能力向上する薬を使って何とか14階を突破することができていたようだった。
その冒険者達は、廃人寸前。薬漬けで強化され半狂戦士化しかしていた。
「今日は、15階まで達成できたし一旦引き返しましょう」
「はぁい↘。」
錬金薬の麻薬に似た依存効果なのか、雇い主ということなのかわからないが、レンに従っている。
レンは、冒険者達を引き連れ町に戻ることにした。
今度は、このダンジョン内に『魔力集積の魔具』と『魔力結晶』をばら撒くつもりのようだった。
そのため、どの階層が適切なのか、かつ、なかなかバレないような場所を探すための下見をしていた。
「明日は、この辺からまた始めましょう。今日はゆっくり」
レンは、ここまで来て得た魔石や魔物の素材を持って15階のワープポイントを利用して町へ帰るのだった。
町に戻ったレンは、仲間と別れて自分の宿に戻る。
使うものと換金用に素材を仕分けし、ギルドへ持っていく。
換金した後、明日に備え必要な備品を揃える。また、大量のマナポーションを買って帰る。
宿に着くと食事をし、誰とも交流も無いまま部屋に籠る。
「さて、まだまだ『魔力結晶』は必要だ。合成するか。」
一段落着いたレンは、錬金術で魔力結晶の作成に取り掛かる。
魔力結晶は、錬金術ができれば誰でも作成可能なアイテムだ。
だが、ものすごく効率が悪いし、不安定な物。そもそも、魔力結晶にしてしまうと自分の魔力を回復することが不可能になるので、誰もやっていない。
作り方は、市販もしくは自家製のマナポーションを5回ほど合成を繰り返すだけといたってシンプル。
ただ、マナポーション(約100ml)を約250本を5回の合成を繰り返し、一つの結晶にすれば出来上がる。合成を重ねることで、濃縮し魔力(気体のような概念な物)を固体まで濃縮するといったものだ。
出来上がった結晶は、非常に不安定で自然と魔力が漏れ出し、1カ月ぐらいで魔力が失われる。変に衝撃を与えると一気に魔力が飛散し、最悪の場合は爆発するものだった。
それでも、レンはせっせと『魔力結晶』を作成し、自分のアイテムBOXに格納し保存しておいた。
(アイテムBOXの中では、あまり劣化は起こらないようだった。)
「今日も2つやっとの思いで作成ができた。また明日に備えて寝るとするか」
一通り作業を終えると、床についた。
そんな生活を繰り返して、少しづつではあるが、2週間後ぐらいにはダンジョンの20階まで到達していた。
次回の投稿は、7月5日を予定しております。