森の縫い目ダンジョン攻略
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しばらく町で休み、エメダも参加することになって、仕切り直した。
エメダの武器と防具を一通り兄に作ってもらっていた。
ごくごく一般的な鉄の剣に、なめし皮のベストと靴だ。
ここらあたりを冒険するには、問題ないレベルだ。レベル上げもあり、悪いかもしれないが間に合わせの装備となった。
1階層からエメダメインでレベル上げを開始する。
ダンジョンに入るとニウテが説明をする。
「知っているかもしれないが、深く潜るにつれて敵も強くなる。さらに深く潜ると魔物もグループを組み連携攻撃を仕掛けてくるようになる。
それに、ダンジョン内は、罠もある。このダンジョンは比較的罠は少ないらしいが、油断するな」
「そういえば、マキとユキは、身体強化は覚えてるのか?」
マキは難しい顔をして、答える。
「まだ覚えてない。というか、魔術師も覚えられるの?」(ユキはこっそり覚えていたりする。)
「覚えられるかは、本人の努力次第だからわからないが、戦士系はダンジョン内では常に身体強化を使っている。常識だ。
身体強化はすべての能力がちょっと上昇するからな、突然の罠や攻撃に対する瞬発力なども向上するから、常時発動しているのといないのでは、生死にかかわる。
といっても、常にフルに発動していると肝心な時に動けなくなる。だから、感覚としては10%ぐらいの身体強化にしている。
理想は、MPがあまり減らないぐらいの力だ。
ガルジにも冒険を始める時に説明して、常に使っているはずだ。
覚えるかわからないけど、魔力を体に纏わせ強くなるイメージを持っているだけでも少し強化される。
魔術師系の職業は魔力が感じやすいから、わかりやすいんじゃないか?」
「ユキ、やってみるね。」
そういうと、魔力をあっという間に体に纏わせる。
マキもまねてやってみる。
「ほんとだ。気持ち動きやすい。これが身体強化か」
「クウィ~!クウィ~!」
(クウィもこっそり、身体強化を使っているようだった。)
「ユキ、もう少し抑えて発動させないと、戦闘前に魔力が尽きるよ」
「ふわーい。でも、魔導士だから大丈夫なはず。」
ニウテは、身体強化を教えてくれた。それに従いマキとユキは、何度か魔力を体に纏わせ身体強化を覚えた。
エメダは、初めから覚えていたようだった。
「エメダにユキこれから、身体強化は常に発動させてダンジョンに挑もう。
今は、意識を違うことに向けただけで切れちゃうけど、慣れるように頑張ろう。
魔力を常に使うことになるから、基礎魔力やMPも上昇しやすくなる。」
「クウィ~!クウィ~!」
「うん。ユキ頑張る。」
「はい。分かりました。」
身体強化を常時発動していられるように意識し、ダンジョン攻略を再開する。
1週間も過ぎ、1階~5階は、みんな問題無く敵を倒せるようになった。無事に未踏の6階の入り口を見つけられた。
「次は未踏の6階だよ。気合い入れよう。」
ユキは、みんなにエールを送る。
「「がんばろー」」
「クウィ~!」
みんなも気合いを入れる。
今まで階層移動では環境の変化は無く、森の階層だったのに、6階に踏み入ったとたん突然岩場が目立つ森の世界が広がる。
森の階層も視界があまり良くなかったが、岩場も視界が悪いし足場も悪いといったところだ。
岩場だけあって、植物も少ない。薬草や毒消し草の有用な植物も少ない。
慣れない場所だけに、今まで以上に慎重に行動する。
岩場だけあって、敵も変化していた。森にいた魔物に、土属性が付与されているのが現れ始めている。
レベルも高くなっている。土属性の敵は、若干防御力も上がっており、ダメージが通りにくくなっていた。
7階へあがる入り口を探して歩き回る。敵も多く、疲労の色も見せ始める。
「いったん休憩にしましょ」
「クウィ~!クウィ~!」
マキはみんなに提案する。
携帯していた簡易の食事をとり、みんなで岩場で休憩。
休憩の合間に、武器のメンテナンスをニウテと兄は行ってくれた。
結構戦って武器もそれなりに傷んでいた。兄は鍛冶の補強を使って直してくれた。
休憩も終わり、冒険を再開しようとしたとき、兄が近くに洞窟のようなものを見つけた。
岩場だけあって、亀裂が入っている箇所や穴が開いている箇所なども多く見つけてはいたが、
今回は違い人がちゃんと通れるような洞窟になっていた。
「ここにいってみよう。お宝があるかもしれない。」
珍しく兄が口にする。
「ダンジョンの中の洞窟?変なの」
ユキは、首を傾げる。
「わざわざ、危ないところに入らなくても」
マキは、危険を避けたいご様子。
「狭そうだし、戦える武器が限られてくる。」
ニウテは冷静に判断する。
「強くなれるなら、行きましょう。」
エメダが前向きな発言をみんなを驚かせる。
そして、検討した結果、洞窟へ行くことにする。
洞窟の中は、少し湿っていて足場がさらに悪い。そして、狭く二人並んで通るのがやっとのレベル。
つまり、敵に遭遇するとほぼ一対一で戦わなくてはいけない。後衛の魔法の支援程度である。
エメダを先頭に兄とニウテが並んでいるが前衛3人も戦えるスペースがない。
「ここは、狭すぎる。だから、私たち三人で行きましょ。ガルジとニウテは、一旦待っていて?」
ユキは、みんなに提案する。
「確かに、前衛3人も不要に思えるな。待っているか。気を付けていくんだぞ」
ガルジもニウテもうなずく。多くいても上手く立ち回れないと余計な危険が増えるだけだった。
2人は、先ほど休憩した場所で待機となった。
その間に、自分たちの武器をメンテしたり、食べられそうなものなどを探して回る。
女性三人は、洞窟を突き進む。
定期的に、魔物が出現するが1匹づつでそんなに苦労はしない。
エメダが魔物を抑え、横から魔法で攻撃するスタイルで問題なく倒せて行ける。
3人は、気づいていないが、洞窟は若干ではあるが下り坂になっている。
狭くて一本道のため、進むしかない。完全な一直線ではなく微妙に曲がっている。
30分ぐらい進んだのだろうか、少し広いスペースにでた。
その部屋は、円状で半径5mぐらいある小さな小部屋。
その中央に怪しげな台座があり、何か物が乗っている。
どうやら、指輪のようだ。
指輪は何故か6個もあった。
指輪を取ろうとしたとき
この部屋のボスなのか、罠なのかわからないが、魔物が現れた。
円状の部屋ではあるが四隅に弱そうなゴブリンが現れる。
3人は囲まれた形となり、形勢が悪い。
「同時に攻撃されるとやっかいね。まず、1匹狙いで倒しましょう。あいつよ。」
マキは、2人に指示を出す。
「「はい!」」
「クウィ~!クウィ~!」
自分たちの正面に当たるゴブリンに集中攻撃を仕掛ける。
マキとユキは、水の魔法を放ちゴブリンに当てる。
パシュン
「パシュン?」
ユキが魔法をかき消されたことに驚く。
ゴブリンは、今まで問題無く倒してきている魔物。魔法を消されたことなど1度も無いのに、消されたのだ。
「マキちゃん。なんかおかしい。」
「確かにおかしいですね。試しに、エメダちゃん。物理攻撃してみて!」
「うん。分かったわ」
エメダは、ゴブリンに勢いよく切りかかる。
ガキーン!!
ゴブリンに当たるも、金属音が響き渡る。
エメダは、手がしびれる。
「物理攻撃も無効?」
エメダは、首を傾げて、とっさにゴブリンと距離を置く。
「ダメージが与えられませんでした。ごめんなさい。」
「そうみたいだね。このゴブリンどうなっているのだろう。??」
「クウィ~!」
狭い空間で4匹の敵と混戦状態で戦う。
3人は、思うようにダメージ与えられずにいた。
部屋の中央には指輪がある。
「・・・この指輪、ゲットできますね」
エメダは、指輪が気になる様子。
「確かに、エメダちゃんいいことに気づきましたね。」
「魔物が倒せないなら、宝だけ取って逃げますか!」
「マキちゃん冴えてる。無理に倒す必要はないのかも」
「クウィ~!」
3人は、部屋の中央にゴブリンの攻撃を避けながら、避けながら、何とかたどり着く。
指輪を入手し、部屋を出ようとする。
そこには、見えない壁があってこの部屋から出られないことがわかる。
「閉じ込められてる。!魔物を倒さないとどうしようもないということね。」
「マキちゃんそのようだね。せっかく指輪を入手したんだし、装備してみようか?」
「で、でも、呪われていたら…」
エメダは、怖くて拒否する。
それを後目に、ユキは指輪を装備する。
ユキのあたまに、どこからともなく聞こえる声が響く
【キズナノユビワ、ミナノイキヲアワセテ】
「みんなこの指輪を装備して!!絆で、合わせて攻撃すると倒せるみたい」
ユキは、頭に響いた声を、聞こえたことを説明する。
それを聞いた、マキとエメダは、指輪を装備する。
2人にも頭の中に声が響く
【キズナノユビワ、ミナノイキヲアワセテ】
「でも、これって、4対3で合わせて攻撃できないよ?」
エメダは、人数が足りないことに気づく。
「え?そこは大丈夫よ。ユキも私も両手で魔法を打てる。それにクウィもいるしね。ね!クウィ」
「クウィ~!」
今ちょうど、部屋の真ん中にみんながいる。魔物も中央に集まってくる。
「エメダ、挑発よ」
「はい。」
ゴブリンをエメダが音を出して挑発をする。
元々こちらに向かってきていたゴブリンは、足を速める。
「タイミングを合わせて一斉にジャンプして!!」
マキが皆に指示を出す。
4匹の魔物が中央に集まる。3人が攻撃される瞬間、3人は一斉に飛び攻撃を避ける。
マキだけが上に飛び、真下の中心めがけて特大のファイヤーボールを打ち放す。
中央に集まったときにタイミングを合わせて、4匹同時に攻撃をして、ゴブリンを無事に撃破した。
「ゲホゲホ。マキ、洞窟の中でファイヤーボールはやめてよ。」
「ごめんごめん。」
辺り一帯、埃と熱風が吹き荒れる。
「え!!え~~」
エメダが何故か泣いている。
「協力して、同時に各個撃破じゃないの~(´;ω;`)ウゥゥ」
「息を合わせてちゃんと撃破したじゃない。4人で倒せなんてなかったわ。」
「クウィ~!」
「マキちゃんには慣れないと、この先疲れるよ。ハハハ」
中ボスだったのだろうか、特殊な部屋から出られるようになり、魔石を回収し部屋を後にする。
待っていた兄達とも無事に合流し、7階層を目指すルートを探すが、ポーションやマナポーションなど数も減り一旦町に戻ることにした。
ピコン「魔石の種」を覚えた。・・・
次回の投稿は、5月17日を予定しております。




