新しい出会い。少女との出会い
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森の縫い目ダンジョンになれるために、数日間通っていた。
一日で回れる浅い階層をうろうろする程度で慣らしていった。
4人は5階まで潜れるようになっていた。
5階は、1階よりも魔物のレベルも上がっていた。しかも、3体同時に出くわすときがあり、連携もちゃんと取ってくるから厄介だ。
兄とニウテの二人では3体同時に相手するのは、辛かったに違いない。
ただ、今は4人パーティー問題なく立ち回れる。傷付いても、マキとユキで傷を癒すことも可能である。
前衛二人と後衛二人でバランスが取れていた。そんな4人でレベルアップ、攻略しているとき、助けを求める声がした。
「きゃー。助けて」
今いる森の先から助けを求める声が聞こえる。
ニウテは、女性の声に反応し声の方に駆け出す。
「おい!ニウテ一人で行くな。」
ニウテは、聞き耳も持たず、声の方へ走っていく。
「しょうがないやつだな。女の声がしたから。マキ、ユキ追いかけよう。」
「うん。」
「めんどくさいー。」
ユキは相変わらずではあるが、一人で残されても困るので渋々ついていく。
駆け付けるとそこには、赤色の鱗が所々に見える竜人族の子供が魔物に襲われ傷だらけでいた。
ニウテは、唖然立ち止まっていた。
「おーい。ニウテ助けるんだ。早く」
「お、おう。しょうがないな。」
「お前が、駆け付けたんだろう。女の声に反応して!」
「あ、そうだ。ごめん。分かったよ。」
何故か魔物は6体もいる。ゴブリン4体とオーク2体
「敵が多いな。困ったな。でも、4人パーティ遅れをとることはないだろう。」
ニウテは、状況を分析する。
初級のダンジョンとは言え1人でくる場所ではない。その子供は、首に隷属首輪をし襲われている。奴隷であった。
きっと主人におとり役で敵を引き連れてきたに違いない。
辺りをよく見ると少し離れた場所に、2人の冒険者らしき遺体もあった。きっと襲われ死んでしまった者のようだ。
「ゴーン、ガーン、ガーン」
ニウテは、盾を叩き大きな音を出し、敵の注意をこちらに向け引き付ける。
その間に、ユキは少女へ駆け寄り助ける。
ニウテが2体、兄が2体、マキが2体の構図となる。
うまい具合にばらけた。
マキは、ウインドカッターを放ちゴブリンをあっさり倒し、同時に上からクウィが同じように倒す。
「楽勝ね。クウィ」
「クウィ~!クウィ~!」
ニウテの方は、ゴブリンとオークが連携で同時に攻撃を仕掛けてくる。
それでも、慌てずゴブリンの攻撃は盾で避け、オークへ攻撃を仕掛けてくる軌道を読み、そこへすっと剣を合わせる。
オークは、自ら剣へ刺さった形となり再起不能となる。残ったゴブリンも盾の勢いで体制を崩していたところをすぐさま追撃し、止めを刺す。
兄の方は、気づくとオーク2体とゴブリン1体と敵がいつの間にか増えていた。
3対1では、分が悪く苦戦している。そこへ戦闘が終わったマキが加勢する。
「お兄ちゃん!あぶない!」
マキは、苦戦している兄の方へ。
連携して襲い掛かる魔物の近くにサンダーボールを投げ、痺れさせる。
その痺れている隙に、兄はゴブリン1体に止めを刺す。
「ありがとう。マキ」
形勢は逆転し、兄へ1体、マキへ1体の構図へ変わる。
1対1なら、余裕で勝てる状態。兄も冷静に対処しなんなく撃破する。と同時に、マキも魔法を放ち魔物を倒す。
問題なく敵をかたずけた。
「お兄ちゃん。大丈夫だった?回復魔法かけてあげるね。」
兄を癒し、あたりを見渡し、他の魔物がいないことを確認して、ユキと少女の方へ向かう。
ユキと少女の方は、ユキが回復魔法をかけ、傷を癒した。
「助けてくれてありがとうございます。」
少女は丁寧に答えたが、何やらおびえてもいた。
ユキは、どうしてこんなところにいたのか気になったので聞いてみた。
「どうして襲われていたの?」
「はい。私は、奴隷で主人に敵のおとりとして、ダンジョンを駆け回っていました。
魔物を連れてきたのはよかったのですが、多すぎたらしく、主人は魔物に倒されてしまいました。
一応、私はレベルは高くありませんが戦士職で見ての通り、竜人族で防御も高かったので、
なんとか助かりました。」
「なるほど、ユキの家にも奴隷がいたけど、奴隷か…主人が死んだということは、どうする?」
奴隷の主人が町の外で死んでしまった場合は、奴隷はそのまま自由に生きる事ができる。(ただし、隷属の首輪は残る。)
また、町に戻り奴隷商にいってちゃんと手続きをすると奴隷から解放されることもある。
犯罪奴隷の場合はその限りではなく、再び奴隷に戻される。なので、そのまま自由に生きる場合が多い。
ただ、主人のいない奴隷は、町の中では働けない。身元がはっきりしないためだ。
そもそも、隷属の首輪がある状態で自由に生きているということは、後ろめたいことがあるということなので、そんな者を雇い入れたくないといったところだ。
ユキは、貴族の娘であったため、簡単ではあるが奴隷について知識をある程度もっていたから、きちんと確認した。
「なんで奴隷になったの?その前に名前はある?」
「は、はい。失礼しました。私は、エメダと申します。
私の村は、貧困な村でした。その日暮らすのがやっとという状況で暮らしていました。
ある日、家族が病気となり高価な薬を買ってしまって借金ができてしまいました。
そのため、借金があり暮らせなくなり私が売られることになりました。」
「借金奴隷というやつね。なら、奴隷商に行き手続きすれば解放されますね。故郷に帰えれるよ。町まで送り届けるわ。」
「は、はい。ですが、この先どうやって生きていっていいのやら、故郷では何も教育も受けていませんし、主人の所でも毎日ダンジョン通いで勉強もしていません。
戦士ではあるものの、見様見真似でちゃんと訓練を受けたわけではありません。それに私を売った家族の元へは、もう会いたくもありません。
突然、知らない町で放り出されても私は、生きていく手立てがありません。
良かったら、奴隷でも何でもいいので働かせていただけませんか?何でもやります。」
エメダは、状況は理解しつつもこの先のことを考えるとどうやって生きていけばいいのやら困っていた様子。
どうやら賢い子らしい。
「うーん。ユキはわからない。これから強くなるつもりでここに修行に来たの。だから、みんなが戻ってきたら聞いてみるね。」
ユキは、ポーターを取り戻すためにダンジョンで鍛えるためにここに来たことを説明した。
ポーターが健在ならば、家族に話、屋敷で働かせることはできたかもしれない。
面倒を見てあげたいが、ユキは貴族と言っても家族はいないし領地や家もない状況。どうすることもできなかった。
--しばらくして--
そんな話をしている内に、みんなが戻ってきた。
「みんな大丈夫だった?」
「助けて頂きありがとうございます。」
エメダは、丁寧にお辞儀をする。
ニウテは、聞いた。
「あ~大丈夫だ。で、その子はどうだった?」
「傷は浅く回復魔法で回復したよ。」
マキと兄とニウテは、エメダに自己紹介をした。
終わるとユキは、エメダについて説明する。
「さっき話を少し聞いたけど、この子は竜人族の奴隷の子、名前はエメダ。借金奴隷らしいから町に帰れば解放されるはずなんだけど。」
ユキは、曇った表情で答える。
「ユキ?どうかしたの?何かあった?」
「クウィ~!クウィ~!」
「あ、いや、この子が、エメダが雇ってほしいって、働かせてほしいって」
ユキは、さっき聞いた話を説明をした。故郷には帰りたくない事、元奴隷は教育の良しあしで働き口もないことなどをみんなに説明した。
マキは、考え込んで提案する。
「うーん。エメダは戦士なんだよね?」
「私たち二人は、魔法使いだから一人前衛がいた方が、後々役に立つと思うの。ユキちゃんの言う通り強くなるつもりでここに来たのはわかるよ。
今は、兄ちゃんも一緒でいいけど…そのうち兄ちゃんもやりたい事が出来たりしたら…
だから、魔法使いだけのパーティより戦士がいた方がもっと戦術が広がるよ。」
マキは、パーティに加え一緒に強くなることを提案したのだ。
「なるほど、ユキはそれでもいいよ。女の子のお友達が増えるしね♪」
「わかった、マキがそういうならいいと思う。」
「あ、あ~、いいんじゃない。」
みんな了承したようだった。
「エメダちゃん。そんな感じでいいかしら?私たちは故郷を魔物に奪われ取り返したいの!
このダンジョンでは修行レベルアップが目的なの。良かったら付き合ってくれないかな。
なにかやりたいことができたら、このパーティを出ていってもかまわないよ
エメダちゃんもこの先冒険者としてやっていくにも、強さはいるだろうし、どうだろう?」
「はい。私は、問題ありません。この御恩は忘れません。強くなりたいです。」
話も纏まり今日はここまでにした。
一応、近くで亡くなっていた冒険者の遺品を取得し、今日は、急いで町に帰ることにした。
次回の投稿は、4月26日を予定しております。




