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聞きなれない魔石師との奮闘記  作者: さんご
成長と旅立ち
30/75

悲しみを乗り越えて

アクセスしていただきありがとうございます。

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新しい町での新しい生活を始めるが、なかなか手に着かない。

旅では必死であまり考えないようにしていたが、町についた反動かマキとユキは、何もやる気にならなかった。

まだまだ、幼い二人時には、泣いたり、時には両親を思い出したり、ポータでの思い出にふけたり、また、ポータが壊滅するところを思い出したりと、精神的なダメージが大きかった。


暮らすため薬草を採取したり、薬草を採取したり、薬草を採取したりしたが、それ以外何もできなかった。

そんな生活で1週間がすぎ、さらに1週間と時間が過ぎていく。


ボーとしながら2人は

「ねぇ?マキ何してるんだろう。私たち」

「そうだね。ポータどうなってるかな?なんでスタンピードが起こったんだろう。」

「クウィ↓↓」

「生き残りどのぐらいいるんだろう。」

「そうだね。お兄ちゃんどうしたんだろう。大丈夫だったかな。」

「そういえば、マキのお兄ちゃん出かけたままだったんだよね。巻き込まれていなければいいけど」

「そうだった。確か、森の縫い目ダンジョンに行っていたはずだから、無事のはず。確かここから近いね。」

「そうなんだ。ここにいたら会えるかもね。」

「だといいけど、( ノД`)シクシク…」

「(ノД`)シクシク」

「クウィ↓↓」


2人はまた泣いてしまう。現実を受け入れるのはまだつらい状況だった。


あの時、マキはもう少しで町の出口の門までたどり着く寸前だった。


町は崩壊寸前、魔物が町にあふれかえり人類を無視し気ままに強襲していた。

そんななか、マキの前にやつが現れた。


カーズウルフだ。

辺りは、どす黒い空気になりカーズウルフが通るところの草は、枯れ果てる。

カーズウルフが、咆哮すると小鳥は死して空から落ち、草花が枯れ果てる。近くの人間は昏睡状態となっていた。

見ただけでやばいのが伝わってきた。

カーズウルフは、こちらを向きターゲットとしているようだった。

先手で、まだ遠くにいるが魔法を放つ。しかし、カーズウルフの魔力障壁を貫くことができなかった。

クウィもマキと合わせて応戦するもあまり効果がなかった。


攻撃・視線を感じたカーズウルフだが、マキの攻撃が弱すぎたため遊んでいるのか反撃することもしない。


しばらく、攻撃を続けるもダメージとよべるものは与えられなかった。


カーズウルフと攻防をしている中、誰かが近くに駆け寄ってくる。


「マキちゃんこっちだよ!!!」

ユキが、マキを見つけて喜びながら駆け寄ってきたが、マキの先を見たん驚きを隠せなかった。


「ユキちゃん、見つけてくれてありがとう。でも、この敵は勝てそうにない。上手く逃げよう。」

「うん。わかったけど、でも、どうやって」


ユキも見た瞬間にやばさを理解したのか、逃げる一択を理解した。


攻撃も通じないレベルも違い過ぎる魔物。攻撃を食らえば呪われステータスが激減する。

そんな絶望の状況化で、マキは悩み逃げる方法を考える。

マキが逃げる時、お母さんが煙玉を使って逃げることを思い出した。視界を奪えば逃げれる隙ができるはずと考えた。

素早く、ユキにも伝え実行に移す。


「ユキちゃん頼むよ。」

「任せて、水魔法は得意よ。」


2人はタイミングを合わせ、水の魔法と炎の魔法を同時に発生させ霧を発生させる。

さっき逃げる時に使った一人で使った霧よりも視界が悪くなる。


カーズウルフは、視界を奪われていても攻撃でダメージを受けることがないのは知っていたので、余裕でマキとユキを探している。

霧の中の人影に咆哮による攻撃を放ち、人影を打ち砕く。

その咆哮により、霧が晴れてきたが、そこに人はいなかった。

クウィも協力してくれて、霧の中に氷魔法で何となくの人型を地面に突き立てていたのだ。


マキの計画通りカーズウルフから視界を奪うことに成功し、マキとユキは上手く逃げることができた。


2人は、故郷の滅亡と合わせてこの恐怖体験を忘れられないでいたのだった。



森の縫い目ダンジョンは、ポータからは遠いが、キワザスからは北に位置しそんなに遠くない。

ダンジョンのマップや敵の情報なども知りつくされている。ここら辺では有名なダンジョンだ。

主な魔物は、ゴブリン、スライムが多い。初心者用のダンジョンとなっていた。


さらに何日かふらふら何とか生活をしていると町でお兄ちゃんらしき姿を発見した。鍛冶師ということもあり、兄はいつも多くの武器を持って歩いている。

その風貌に見覚えがあった。マキはうれしさのあまり駆け寄る。


「お兄ちゃん。会いたかった。(ノД`)シクシク。お父さんもお母さんもポータで死んでしまって…(ノД`)シクシク」

兄に飛びつき泣いていた。


「ユキの家族もバラバラになって…」


「あ、あ~だいたいわかっている。俺も、ポータには行ってきた。でも、見る影もなかったからそうそうに引き返してきた。

 町はひどく破壊されていたが、モンスターはそんなにいなくて助かった。すぐに引き返してきた。」


「お!妹か…こっちの子は?」

「こっちは、貴族の娘だ。悪いこと考えてないよな?」


「あ~なにも。大変だったな。」


兄も、ポータに戻っていたようだったが、惨事を目の当たりにしてすぐに引き返してこの町で情報収集をしていたようだった。


兄は、マキを探すためにギルドにも通っていたが、すれ違いも多くなかなか合わなかったようだ。


「マキが無事でよかった。これからどうする?とりあえず、近くに宿は取っている。そっちで一緒に暮らすか?

ニウテも一緒にいるから、マキがやりたかったダンジョンで冒険もできるよ。」


「あれから、何もやる気が起きなくて、思い出しただけでも怖くて…お父さんもお母さんも見捨ててきてしまって…なんであんな事が起こったんだろう。」

「ユキも…何も手に着かない。その日暮らししてた。」

「まー急ぐこともない。とりあえず、一緒に暮らそう。」


兄と一緒に暮らすことになった。

でも、やることは変わらない。何も手につかず、ただただボーと過ごす日々。

兄も色々話、励まし何かをさせようとするが、マキは生気が抜けたような日々を送っていた。


さらに1週間立ち、さらに1週間が立ちと時間だけが過ぎていた。

そんな中、町でポーターから避難してきた人達がだんだんと増えてきた。その中に両親の姿はなかった。

その人たちも歩いて必死に逃げてきたようで、ただただ、この町で何もせずボーと暮らしているが、マキの目にとまった。


キワザスの領主は、初めのうちは、避難してきた者に対応し炊き出しなど行っていたが、町のお金も無限ではない。だんだん質を落とすしかない。

逃げてきた者は、そのショックからかやる気も無く、ただただ配給されるのを待つだけの者が多いのも良くない原因だ。

次第に配給される食べ物も少なくなり、冒険者でもない人々は困っていた。

そんな人たちはお金がないから普通の生活もすることができない。食べ物にも困り奪うしかなく、キワザスの治安が悪くなる一方だった。

孤児も増えていった。


「ユキちゃん、この町もどうなるんだろう。逃げてきた人たちは、ポーターに帰りたいかな?」

「ユキは、ポーターに戻りたいよ。悲しいけど」

「思い出の場所、故郷だからね。みんなもきっとそうだよね。私たちにできることあるかな?」

「そうだね。何ができるだろう。ユキは、強くなろう。魔物を退治できるぐらい。マキには負けられない。町にいる魔物もいっぱいやっつけるよ。」

「そうね。私たちにできることはそのぐらいよね。冒険者だしね。」


町の人たちを見ていたマキとユキは、これではいけないと思い自分たちを奮い立たせる。

何故、こんなことが起こったのか。原因は自然に発生したのか?色々考えてしまう。

そして、ポーターの再建を目指すべきではないかと思うようになった。

ポータのスタンピードの真相をつかむという目的を持ち、魔物退治をしようと思ったのだ。


そのためには、どうしても強さが必要。両親も守ることもできなかった。今も森にはきっと強力な魔物が徘徊している。

それを討伐しなければ、正常化は図れない。そして、それをしないとポーターは再建できないと幼いながらに思った。


「ユキ、スタンピードの原因をつかもう。そして、故郷を復活させるのよ」

「そうだね。ユキはもっと強くなるよ。両親が守ろうとした町をまた作って行こう」

「兄と一緒に、ダンジョンに潜ろう。そして、強くなろう。」


マキとユキは、ここに誓うのだった。


その夜、兄とニウテにこのことを話す。

賛成してくれて、協力もしてもらえることになった。

次回の投稿は、3月29日を予定しております。

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