幸せとは何か?不幸とは何か?
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遠くの方に町が見えてきたあたりで、何やら不穏な3人組がこちらに近づいてくる。
何やら、ターゲットにされたようだ。
不穏な空気をまとい不用意にこちらに近づいてくる。
草原だけあって、バレバレであったが構わず近づいてくる。よほどのバカなのか、何なのかはわからない。
多分、私たちは女の子2人組のパーティー不用意に近づいても対応できると踏んでいるようだ。
「ユキ気を付けて、正面から3人近づいてくる。今のうちに魔法でブーストしておこう」
「うん。分かったわ。マキ。私たちを甘く見ているとしか思えないね。」
魔法の準備も整い、視界に入らないようにクウィも上空に待機させている。Sランク冒険者以外負ける要素がない。
3人は駆け寄ると、マキとユキを囲む。
「悪いな。お嬢ちゃん。恨みはないが、金目のものは全部おいていけ。はははっ!」
3人組のリーダーと思われるものが話しかける。後ろでは、仲間がにやにやしている。
盗賊のお決まりパターンだ。
「まだまだ子供じゃないか、奴隷にしたら高く売れるんじゃないか?」
「こう見えても、Cランク冒険者だ。抵抗しても無駄だ。ポーターから逃げてきたやつだな。馬鹿な奴らだ。」
自信満々でこちらに話しかけてくる。
「きゃー怖い。ゆきちゃん」
「おじさん達には、何もようがないの。ユキは疲れてるんだから、さっさとどっかに行きなさい。怒らせないで」
「立場が分かっていないみたいだな。お嬢ちゃん。はははっ!」
3人組は武器を構える。それを見た、マキとユキも武器を構えると思われたが…
「アースバインド!」
マキは、不意打ちと拘束魔法を唱える。3人組の内2人はあっさり拘束される。
もがくが、振りほどけない。
「ぐぇ…おかしら助けてくれ。」
「ふ、振りほどけない…」
「クウィ!悪いけど魔法変わって」
そういうと、クウィからも魔力が供給され、さらに拘束が強くなる。
「あっという間に、2対1になったけどまだやるのかしら?」
「グゥ…」
リーダと思われる者は、まだあきらめていないようだ。
「間抜けどもめ、だから訓練は怠るなといったのに。すぐに捕まるなんて」
「クソ!簡単に負けるわけにはいかない。」
さすがCランク冒険者、少しも怯んだりもしない。
ユキは必死に抵抗している。ユキもこれまでの旅でたいぶ強くなった。
それに身体強化も覚え、敵に引けを取らない。
でも、明らかにおかしい。ユキとしか戦っていない。
マキが割り込んだものなら多分すぐに敵を倒せるような、絶対的に不利な状況だが、手を休めたりしない。
彼を突き動かすものは何なのか、マキは気になった。
「ねぇ?あなた、何故そんなに必死なの?逃げてもいいのよ。仲間が捕まっているから?
勝てないのわからないほど、弱くないわよね?」
「うるせー。俺は、俺は負けられないんだ。金が必要なんだ…」
「わかったわ。お金が必要なのね。何か必要なわけがあるってことね。
攻撃を辞めないなら仕方がない。死になさい!!。」
交渉しても無駄のようだった。
マキは、魔石を5個割り純粋に魔力のみを相手にぶつける。
辺りは、殺気の乗った高濃度の魔力に満たされ普通の人なら即死もの。
さすがCランク冒険者、気絶とまではいかないが、魔力をぶつけられて、震えあがり膝から崩れ落ちる。
実力の差を悟ったのか、凶器の魔力に心を折られたのか、その場で戦意を喪失する。
「マキちゃん、突然やめてよ。警戒して魔力をまとっていたからよかったけど、ちびるところじゃない。ハハハ」
ユキももちろん油断していたら危ない量の魔力、その量を一気に放出した。
「ごめんごめん。訳アリみたいだし、落ち着かせるために本気出しちゃった。クウィ!この魔力食べちゃって!」
殺気の乗った魔力。嫌そうな顔をクウィはしているが、魔力を吸収し始める。
マキは、3人を縛り上げる。
しばらくして
「目を覚ましたかしら?リーダーさん?」
盗賊のリーダーは何故か生かされ、縛られてはいるものの何もされていないことに驚く。
「さぁ。少しは落ち着いたかしら、訳を話してもらうわ。話さないならこのままってことで、待っている人が悲しむわね。」
「待っている人なんかいない。盗賊としてギルドにでも騎士団にでも突き出せばいいだろう。」
諦めた様子であった。
「そう。待っている人がいるのね。諦めてあっさり引き下がるようならそこまでお金がいらないものね。おかしいわね。」
「マキどういうこと?」
「ユキがお金が欲しい時はどんな時?」
「欲しい物を買いたいとき!」
「そう。欲しいものがあるのよ。でもお金がない。その場合どうする?普通に稼ぐよね。でも、こんなことをしている。
そして、負けが確実なのに必死だったということは?」
「死にたくないとか、うーん?待っている人がいる?帰らなきゃいけないとかかな。」
「そう、きっとお金を持って帰らなきゃいけない気がするの。そしてあっさり諦めるあたり、自分がいなくなると待ち人はもしかしたら死んでしまうのかしら」
男は、しばらく沈黙し
「な、なんでそこまでわかるんだ!何も話していないのに」
「当たりだったようね。カマをかけてみるものね。」
「マキちゃん、どういうこと?」
ユキは、誘導された話についていけないようだ。
「私は、ただ想像してその過程を話してみただけ、そしたら相手が重い口を開いたってことかな。」
そして男は渋々語りだした。
次回の投稿は、3月1日を予定しております。




