次の町への道のり
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ポータの町が滅び、命からがら逃げた二人。後戻りもできない悲しい旅。
「ユキちゃん。頑張ろう。生き延びよう」
「確か、東に行けば、キワザツって町があるって聞いた事があるよ。馬車でも一週間はかかった気がするからまだまだ先だよ。」
「うん。クウィもいるし、何とかなるよ。」
2人で励ましあい歩を進める。
当然、冒険するような野営の道具や食料など持ってくる暇もなく、武器一本で必死に東へ次の町へ向かうのだった。
子供の女の子2人での旅では、2週間はかかるだろうが、諦めなかった。
幸いにも、こっちまではスタンピードで見た強い魔物は来ていない。
道中、見晴らしの草原を通ることになるが、名前の通り見晴らしがいい。
よく敵に見つかる可能性は高いが、逆に不意打ちの危険は受けない場所。
遠くまでよく見え、新緑の森と近い魔物が生息している。
開けた草原であるため、魔力だまりなどもなく突然強い魔物に遭遇することも無い。
「前方に、ゴブリン発見。」
「ラジャ!ユキちゃん。ウインドカッター!」
目立たないように、風の魔法で敵をなぎ倒す。
魔法を使うと風が発生し、心地いい。
「薬草を発見したよ。マキちゃん。」
「でかした。ユキ!これで傷が治せる。」
心が病まないように、なるべく楽しみながら進めていった。
疲れていても作り笑顔を絶やさず、旅を続けていく。
実際は、食べ物も無く心には全く余裕はない。生き残るのに必死ではあった。
そこらへんに生えてる草や動物、時にはオークの肉を食べ生き延びた。
幸いにも2人は魔法が使えたので、水には困らなかったし、クウィがいたので、安全に眠ることはできた。
(日中は、自分たちで歩を進め肩でクウィが魔力を回復させて、夜になると空高く舞い上がり、時空間魔法が切れるまでその中で眠るを繰り返していた)
1週間が過ぎたころさすがに疲労が溜まってきたのだろう。二人は些細なことで喧嘩をしてしまう。
「マキなんか置いていく。そこにいればいいのよ。」
「ユキだってわがまま放題。こっちの身になってよ。」
止める人もいない草原の真ん中で喧嘩をしている。
今日の食料確保もしなければいけないのに、喧嘩をしている。
肩に乗っていたクウィが嫌気がさしたのか、時空間魔法を使い2人を取り込む。
「2人とも何をやっているの?まだ、半分ぐらいよ。まだ頑張らないと。ポータの生き残りはあなた達しかいないのよ。
次の町へ行って、生き残らないと死んでいったもののためにも!少し頭を冷やしなさい。」
クウィは必死に話しかけあたりを氷の世界へ変える。
極寒の世界。マキとユキは、寒すぎて我に返る。と同時に、寒くてクウィに謝る。
「「ごめん。クウィ。」」
「ごめんね。マキ」
「ううん。こっちこそ、ごめん。でも、ここ寒すぎるー。死んでしまうよ。クウィ」
「頭は冷えたかしらね。ふふふ」
また一瞬で、草原のいつもの風景に戻す。
「ハハハ。ここで喧嘩しててもダメだね。ユキちゃんごめんね。わがままなのは知っていたはずなのに」
「わがままは余計だって、ハハハ。あと少しだよ。頑張ろう。マキちゃん。
マキちゃんと協力しないと敵も倒せない。仲直りしようね。」
「うん。そうと決まったら、遅れた分歩くのとご飯の調達と忙しいよ。ハハハ」
「喧嘩したからお腹空いたよ。マキーー」
「クウィもごめんね。無駄な魔力を使わせてしまって」
「大丈夫。この旅で、私も強くなれたわ。敵もいっぱい倒したしね」
ユキは仲直りしたとたん、マキに甘える。マキはそれをなだめながら、少しづつでも歩を進める。
旅の道中きれいな景色を見たり、夜空を見たり、小川で泳いだり。ついでに魚を取って食べたり。
マキとユキは色々な話をして、今後の方針を決めたり、戦闘でのよかったところや悪かったところなど、昔話や両親のことなどいっぱい話した。
そして、信頼を築き友情を育み、切磋琢磨し自分を磨き、相手も成長させ最初に比べるとたくましくなり、そして旅での余裕も出てきた。
少しづつだけど、進み町に近づいていく。
次回の投稿は、2月23日を予定しております。




