第53回 初心者講習2日目
2日目
マキとユキは、朝食の準備を進める。
昨日採取したものが多く、問題なく準備ができている。
マキは、ロッフェに指示をだし、食器などの食事の準備をさせ、使っていく。
ナイトは、それを見て感心しているようだった。
ロッフェも昨日のことを挽回したいのか、黙って素直に従う。
朝食も終わり、2日目の探索開始だ。
2日目は、今度はゴブリンとオークの発見と討伐だ。
引き続き、マキは採取、ユキにも教えながらいろんなものを採取していた。
説明書と見比べ食べられるもの、食べれないもの。素材として有効なものやそうでないものを学習していく。
ナイトは、それを見てロッフェにも合図を送り、ロッフェも従う。
「昨日は、ごめん。今日は頑張るから、俺にも教えてよ」
勇気を振り絞り、二人に声をかける。
マキは笑顔で
「パーティだもんね。ごめんね。ユキは性格はきついけど、慣れれば大丈夫よ。」
「きついは余計だよ。」
ユキは答え、マキをたたく。
少し、心の距離が縮まったのか、なごむ。
3人は、森でいろんなものを採取し学習していく。
ナイトに一瞬緊張が走る。
それに、気づいたのか、ロッフェは索敵をし
「ゴブリン3体。こっちに向かってる!」
ロッフェは、言う。
3人は臨戦態勢を取る。
ゴブリンが現れると、オドオドしながらもナイトの励ましを思い出し、速さを生かしロッフェはゴブリンに切りかかる。昨日とは別人のようだった。
切りかかったおかげで、3匹のゴブリンの標的がロッフェに移った。
その時間に、ユキとマキは、アイスアローを放ち、ゴブリン2匹しとめる。
「ロッフェ、1匹はあと少しよ。」
マキは言うと、少しのバインド魔法をかけ、ゴブリンの動きを封じてあげる。
ロッフェは、その隙をつき、ゴブリンをしとめる。
「倒せたぁぁぁぁぁ。」
ロッフェは大声で叫ぶ
「バカ!大声出しすぎよ。魔物に気づかれるでしょうが!」
ユキは、ロッフェの頭をたたく。
「ごめん。」
大声を出したせいか、ロッフェの索敵に次々に敵が引っかかる。
「スライムに、ゴブリンに…オークまで」
ロッフェは震えながら言う。
「ごめんなさい、ごめんなさい。」
昨日のロッフェに戻ったようだ。
「起きたものは、しょうがない。後悔がないように生き残る努力をしなさい」
ユキは、強い口調でいう。
それに目が覚めたのか、ロッフェも敵に立ち向かう心が決まったようだった。
3人は臨戦態勢を取る。
ナイトも、さすがに数が多いと思い、臨戦態勢を取る。
「オークは、俺が抑えておく、3人は、スライム、ゴブリンと倒すんだ」
ナイトは3人に指示を出し、戦いに挑む。
スライム5匹とゴブリン5匹が現れ、少し遅れてオーク1体が姿を現す。
ちょっと本気モードのユキ、表情がこわばり、魔法を得意の氷魔法をスライムに3連打浴びせる。
「ユキ、敵が多い時は、風の範囲攻撃がいいよ。」
マキは、そういうと、ウインドカッターをゴブリンに向けて放つ。
波状に広がりあっという間に、ゴブリン5匹を真っ二つにする。
「マキさんもユキさんもすごい。」
ロッフェは、いいながらスライムを2匹倒す。
ナイトは、言葉通りオークと応戦していたが、全然本気は出していない。
3人の戦闘が終わるのを見ると
「お前たちで倒してみろ。」
ナイトは、言う。
再び3人は臨戦態勢を取る。
マキは、アイスアローを放ち、ユキもアイスアローを放つが効果は薄いようだった。
ロッフェもオークに切りかかるが、なかなかダメージが通らない。
3人は苦戦を強いらえれていた。
さっきの連続の戦闘で魔力を使い、いつもの調子がでない二人だった。
上手くかわしつつも長い戦闘で、ロッフェは、オークから攻撃をくらい重症だ。
「あ~もう、このぐらいの連戦でへばったのか?
さっきの勢いはどうした?冒険者になりたいのか?しょうがないな、力を貸してやるよ。」
ナイトはマキとユキを煽り、攻撃に加わった。
オークの攻撃を受け、標的をナイトに移す。
その間に、体制を立て直していたが、
「Aランクか知らないけど、なんかむかつく」
ユキが煽られて、ご立腹の様子で魔法を放とうとする。
「まって!ユキ、オークの弱点は火よ。大きいのおみまいしてあげな。私も協力する。」
マキは、ユキに手を添えて魔力を操作し渡す。
ユキは、マキの助言に従い切り替え大きな炎の槍を頭上に浮かばせ、オークに放つ。
「おっわ。あぶねーなー」
ナイトの横を槍がかすめオークに命中した。
オークは燃え尽き、何とか倒す。
オークを無事に討伐し、3人は安堵する。
「おめでとう。やればできじゃないか」
ナイトは、討伐をほめてくれた。
オークの魔石をゲットするが、素材は燃え尽きてします。
3人で協力して倒せたことで、パーティの結束力が固まった気がした。
マキは、ロッフェにヒールウォーターを使い、傷をいやした。
次回の投稿は、12月29日を予定しております。