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聞きなれない魔石師との奮闘記  作者: さんご
成長と旅立ち
11/75

親友杖を手に入れる

ギルドの前でマキが待っている


「マキちゃん。お待たせ」

ユキがやってきた。


「ユキちゃん遅い。約束するのにいつも遅れてくる」

マキは言うと、笑いながら答える。


「ユキは、マキのお師匠様だからいいの。魔法教えてあげないよ」

ユキは、物ははっきり言う方だが、時間に対してはルーズで遅刻魔だった。

「ギルドに行こう」


この間、遊んだときにマキの方がギルド登録したことを知ったのでユキも登録することになった。

ギルドに入ると、マキは、あたりを見渡しウィベルを探す。


「いた、いた、ウィベルさん、冒険者登録をしたいんだけど」

近寄っていき、マキは話す。


「いや、無理です。この間登録したばかりですよね?もうギルドカード無くしたんですか?」

ウィベルは、真顔で答えた。


マキの後ろから、ぴょこっとユキが顔を出す。

「あ!この子の登録ですね。先にそう言ってくださいよ。」


ウィベルは、困った顔で話す。

「それでしたら、この申し込み用紙に書いてくださいね」


申込用紙をユキに手渡す。この間、マキは父にやってもらったから、用紙を覗き込む。

「名前に、職業に、性別に」

マキは独り言のように、読んでいた。

簡単なことを書くようだった。

ユキは、必要事項を書くと

「はい。できました。」


ウィベルに手渡した。それを受け取ると、記入内容を確かめ、

「少しお待ちくださいね」

といって、ギルドの後ろに行き、しばらくすると見慣れたギルドカードを持って戻ってきた。


「はい。ギルドカードです。無くさないように気を付けてくださいね。」

と簡単な注意だけして、あとはマキに説明を託したようだった。


「ランクは、基本、F~Aまであるよ。もっと頑張るとSランクにもなれるらしい、

 こっちのボードに依頼とか貼ってあるから依頼をこなしてランクアップするんだって!

 そうそう、わからないことがあれば、上に資料室もあるから勉強できるよ」

マキは、この間学習したことをユキに話す。


「なんとなく知ってるよー」

とユキに一蹴される。


「それより、これから何しようか。町の外には出られないし?」

「そうだ、冒険に必要なものを買いに行こう?武器も防具もないし」

マキは、冒険の準備をすすめるため、ユキにいう。


「いいね。武器でも見に行こう。ユキは杖がいいな」

魔導士といったら杖ですよね。


二人は、いったん家に戻り、お小遣いをもって商店街に待ち合わせした。


入口でマキは待っていると

「マキちゃん。お待たせ」


「早速行こう。ギルドからおすすめの武器屋聞いてきたんだ。こっちこっち。」


町をぶらぶら歩きおすすめの武器屋に到着する。


武器屋に入るといろいろ並んでいる。

剣、槍、斧、ハンマー、メイス、杖、弓がそろっている。


「ユキは杖が欲しい。魔導士だし、杖、杖!」

ユキはあたりを見渡してる。杖をさがしている。


「ユキは、自分にあった武器は自然と寄ってくるって聞いたことあるんだ」

「それは、伝説の武器でしょう。クスクス」

とマキは笑いながら答える。


そんなやり取りをしつつも、ユキは精神統一、謎に魔力をまとい、集中する。

「あ!!あっちに何か感じる」


ユキは、その方向に指をさす。

ちょっと高そうな杖が光っている。ユキの名のように、白い魔石がついている杖がそこにある。


「すごい。ユキにそっくりな杖だね。白くてきれい。でも、なんか高そうだけど大丈夫?」

マキは、値段をこっそり確認。

金貨1枚で買えるようだが、駆け出しの冒険者にはすぐに買える額ではない。


「マキ、お金かしてーーおねがいーー」

どうしても欲しいのか、ユキは、お願いしてくる。

ユキとマキは、お金を確認し二人合わせれば何とか買える算段をつけてお店の人に言った。


「この杖ください。」

ユキは笑顔で言った。

「金貨1枚ね。」

お店の人は、無反応で答える。


「ちょっと、安くしてくれないの?」

笑顔で交渉してみるが、残念。上手くいかないようだった。

しぶしぶ、金貨1枚分の銀貨100枚を払い、買うことができた。


ユキは、杖を手に入れてご機嫌だった。

「わーい。ユキの杖だ。これで冒険に行ける。」

「ユキは、いいね」

ちょっと悲しげに、マキはいう。


「ちゃんと返すから、今日はマキちゃんありがとう。マキちゃんには感謝してるよ」

マキは、今すぐ武器を欲しいわけではなかった。

兄に作ってもらおうかなと思っていたぐらいだったのだ。

「杖みせてみせて」

マキは頼んだ。

杖をじっくり見ると、白い魔石部分に、ホワイトタイガーの魔石とでた。


「この魔石、ホワイトタイガーのだって。みたことないね」

マキは、魔石の鑑定を行っていた。

ホワイトタイガーは、この町からかなり離れた山岳地帯によく出る魔物。今の町からは山を何個も越えて常に雪降る山の奥に生息している。


「マキちゃん、そんなこともわかるんだ。すごい。鑑定士みたい。でも、珍しい魔物の魔石を使っているなら、もしかして結構お得に買えたのかも。ふふふ

今度一緒に冒険に行こうね。約束だよ。」


次回の投稿は、11月17日を予定しております。

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