魔石師誕生
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この世界は、15歳になると神々から祝福され、職業が与えられる。
冒険に向いている、戦士職、魔法職、サポートに向いている回復職、偵察に向いているレンジャーさまざまある。
また、戦闘には向いていない、生産職や商人などもある。
ここにマキという一人の女の子が、今年15歳を迎えようとしていた。
マキは、好奇心旺盛で冒険者を目指す、商人の娘。
両親の職業柄、行商に各地に旅もしてその中で、冒険者の護衛たちの活躍を見て憧れを抱いていた。
「マキ、今日は15歳の誕生日、一緒に教会にいくわよ」
母が呼んだ。
「早くいきましょう。冒険に役に立つ職業がうれしいな」
マキは言う。
「期待しないほうがいいわよ。両親二人、商人だもの。兄は、鍛冶屋だったから、
冒険できるような職業につけるとは思えないわ。冒険に出て、亡くなるのも悲しいわ」
母は言う。
「ぶー。絶対、戦士か魔法使いになるんだから」
マキは意気込む。
この家族は、父は商人、母も商人、兄は、鍛冶師だった。
子供のころから、商人ということもあり、読み書き、計算は学習して、頭も良いほうだった。
平民が通う、学校にも1年間通い、それなりの成績で勉強していた。
親は、商人を目指すように教育していたのだった。
が、両親の思いとは裏腹に、マキは、冒険者を望んでいた。
家族で教会に向かう。
物静かな教会、町の中では一番整備されてきれいな建物。
周りには草木が生え、神聖な場所にたたずんでいる。
神父がいう
「マキ、この水晶に手をかざして祈るのです。」
教会の中は、町の人たちの避難所でもあり、祈りをささげる場所として椅子が並べてある。
奥には、神様の像が祭られている。
その前に、神父様が水晶を持って祝福をするのだった。
マキが水晶にてをかざし祈る
『神様、冒険に役立つ職業にしてください』
と心の中で思うのだった。
マキの思いに反応したのか、突然、水晶が光その中に、読めない文字が浮かび、神父は、いう
「職業:魔石師!」
「ん?魔石師?」
マキは、聞いたことない職業に頭をかしげている。
「聞いたことないな。珍しい職業だ。本部に報告しないとな」
もちろん、両親、神父も聞いた事がないようだった。
「ステータスと唱えてみなさい」
と神父は、報告するため、詳細を確認したくいう。
「ステータス」
すると、ステータスボードが宙に現れる。
だれも見えないようだが、それはある。
【マキ ♀ 職業:魔石師 LV1 】
【HP:50 MP:70 】
【力:5、速さ:8、知識:15、器用:8、魔力:10、運:12 】
【スキル:魔石合成 】
スタータスボードには書いてある。
若干、サポータ職の魔法よりだけあって、知識は高い方だが、ステータスはそれなりだったことは後でわかった。
神父が続けて言う。
「職業の魔石師を触ってごらんなさい」
半透明なステータスボード、触れるのかもわからないが、言われた通り、近くに手を当ててみる。
すると、ステータスボードは切り替わり魔石師の詳細が表示された。
【魔石師、魔石の取り扱いに特化したサポート職。魔導士より、魔力は少ない。錬金術師より、自由度は低い】
マキは、書いてあることを読み上げる
「魔石師とは、魔石の取り扱いに特化したサポート職
魔導士より、魔力は少ない。錬金術師より、自由度は低い。ガーン」
マキは、涙目になっている。
「なるほど、魔石のみが扱える下位互換の錬金術師ってところかな。」
神父は、聞きなれない職業ではあるものの期待せずメモしながら言う。
「冒険者はあきらめて、家督を兄と継ぎなさい。ふふふ」
母は、内心ほっとしていった。
マキは泣きながら、教会を後にする。
誰もが冒険にはあまり役に立たない、弱い職だと思っていた。