表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/20

第15話(滅亡への足音)

 この岩山に集ったものたちの孫が生まれ始める程の時が過ぎ、安定した治世により、爆発的に子供が増え、流入者の取り込みもありシス王国(キングダム)は2000匹を超える規模の国となっていた。

 親衛隊のオサムネやコジューロー、アルゴチュも伴侶が出来、子供も授かり、幸せそうな日々を過ごしている。


 一方、俺とフランの間には子供が出来なかった。正確に言うと出来はするのだが、すべて流産となってしまっていたのだった。とは言え、俺とフランの愛は冷めることなく、子作りに関してはチャレンジを繰り返していた。

 子供が出来ない俺たちの現状を見てか、ランスロットは妻を迎えず、忠義の士として独り身のまま俺の側に仕えていた。


 そんなある日、一番外側にあった村を巡回していた警備隊が帰ってこなかった。基本的に警備隊が交代で、常に巡回をしており、巡回の後に報告を上げるようにしていたので、報告がされ無ければ、そこに警備隊が対処できない事件が発生したことが判る仕組みになっている。


 しかし、国が興ってから、そんな事態になったことはない。たまにノラの野獣が領土に入り込み、数匹の仲間に牙を剥く事件があり、それは俺が出向いて解決したりしていたが、その時は生き残った数匹の警備隊が知らせに来ていた。


「これはヤバい感じがしますね」

「あぁ、すぐに現場に行こう」

「貴方、気を付けてくださいね」

 俺に報告に来たランスロット共に、現場に向かう事にする。


 現場についてみると、そこに住んでいた一族が、1匹も見当たらなかった。辺りを詳しく調べてみても、血痕や死体などは見当たらない。野獣に襲われた場合、絶対に血痕や死体が残るはずだ。


「嗅ぎ慣れない臭いがしますぜ」

「それに、これを見てくださいっス」

 オサムネが鼻をクンクンと鳴らしながら言うと、コジューローが地面を指さす。そこには草を踏み荒らした跡が残っていたが、その足跡の大きさは、まるで熊並みにデカかった。


「熊か?」

「陛下、熊じゃありませんや。熊だったら熊の臭いが残らぁ。熊の臭いは全く感じねぇぜ」

「熊だったら足跡ももっと違うっス。こんな綺麗な楕円型してないっス」

「しかし、これだけ跡形もなく消えているのは、まるで神隠しのようですね」

 俺の問いを側近たちが否定する。確かにランスロットの言う通り神隠しとしか思えない。その後も念入りに捜索したが、見つかったのは足跡だけで、他の痕跡は残っていなかった。仕方ないので俺たちは引き上げる事にする。


 その後、数日置きに同様の神隠しが起き続けるが、残されているのは同様の痕跡だけだった。神隠しは外側の村から、少しずつ拡大していく。


「これはもう張っておくしかないですね」

「だな。目星をつけて伏せてみるしかないか」

 俺とランスロットはそう決めると、親衛隊と警備隊を動員し、何かあったら一目散に逃げ出す役割を決め、各村にメンバーを伏せさせるのだった。

 それが最悪の一手になっていることに気づきもせずに……




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ