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51杯目 再び戻ってきたスナシーの街とみんなが知ってるあの娘

スナシーの街に戻ってきたよ。

魔王城や統合首都に比べたらそれほどだけど、やっぱり人はごちゃごちゃといる街だね。

冒険者になるための教習所みたいな街だから人の移り変わりは激しいんだろうけど、街自体の雰囲気は変わってないよ。


この街にやってきたのは冒険者になるため。

この世界では身分証の意味も含めて8割くらいの人が冒険者登録をするみたいだから、本当に日本で運転免許を取るのと似たような感じなんだろうね。


だから冒険者になるのは凄く簡単。

なはずなんだけど、自分一人で行くのはやっぱり不安だからグリンナと二人で行くことになったんだ。


「ゴロンニャもタクちゃんと一緒に行きたいのにゃー」

「拙者はタクノミ殿と一緒に居たいというわけではござらぬが。ござらぬよ。けっしてござらぬが、近くで警備をするには最適だと思うでござるよ」

「悪魔的にタクタクと行動を共にするのは運命であり必然だよね」

「ワ・・・ワタクシは出遅れているので、ぜひとも一緒にいたいですわ」


なんて最初は乾きの杯のみんなで行くって言ってたんだけどさ。

さすがにそれは目立ちすぎるってことで、グリンナ一人だけにしてもらったんだ。

パーティー活動を再開したばかりでただでさえ目立つんだから、みんながまとまっていたらめちゃめちゃ注目されちゃうでしょ。その中に自分が居たらどんなことになるかわからないし。


それで他の4人はそれぞれスナシーの街でバラバラに何かしらやってもらうことにしたんだ。

そうすれば街に居る人の注目もバラバラになるだろうって。


ということを確認してちょっと歩いただけで初日は終了。

だって自分が異世界に行けるのが1日に3時間限定だから。

早い人はスナシーの街に1泊2日すれば冒険者になれるみたいだけどね。3時間限定でやってくと早くても5日くらいかかりそうなんだよね。

だからしばらくはまたスナシーの街に滞在することになるんだ。


「スナシーの街に戻ってきたことを祝って乾杯だにゃ」


なんてゴロンニャが言ってるけど、特別なことがあるわけじゃなくて毎日の飲み会の始まりの合図なだけ。酒飲みはちょっとしたことがあると乾杯の理由にしたがるよね。


てな感じで今日も飲み始めたんだけど、さすがにスナシーの街の初日だったから日本で買い物に行けなかったんだよね。だからいつも通りのつまみしか無くて代わり映えしないんだけど・・・・・・あっそうだ。チャーシューを使おう!


このあいだ買ったチャーシューは美味しすぎてもったいなかったから、次の日には食べないでカットしたのを小分けして冷凍しておいたんだよね。


細かく刻んだチャーシュー、刻みのり、しば漬け、わさびを白米に乗せるよ。

飲んでる途中だから白米は少なめに。これだけで美味しいけど、そこに顆粒出汁で作ったあつあつの出汁をかけて完成。チャーシュー出汁漬け。


出汁はどんなのでも美味しいと思う。もちろんお茶を入れてお茶漬けにするのも良いね。

ラーメンのスープでやるのも絶対に合うよ。ラーメンの締めの飯をいきなりやっちゃう感じで。


ただ今回はいろんなつまみがある中での1つだからいきなり出汁漬けにしたけど、チャーシューが多くあるときなら最初にチャーシュー丼を食べて次に薬味を入れて最後にお茶漬けにするひつまぶしみたいな食べ方にするのが良いと思うよ。


「染みわたるのにゃ。美味しいが身体に染みわたるのにゃ」


ってゴロンニャが言うみたいにみんなに好評だったけど、リンコが


「なぜだかこの料理は飲み会が終わる気がするでござるよ」


なんてことを言ってきてさ。たしかに締めのご飯みたいになっちゃったね。

でも、実はこっちのスープでもやったら美味しいからってのがあってさ。


「終わったでござる。これは完全に終わりでござるよ」


って言っちゃった。

普通にお茶漬けの素を入れたんだよね。おすすめはワサビ茶漬けの素。

ここまでくるとワサビ茶漬けのほうがメインでチャーシューがトッピングみたいになっちゃうかな。でも自分はこれはこれでチャーシューをメインと考えても美味しいと思うんだけどなあ。


「これは危険なのにゃ」

「たしかに最後に食べるには良さそうね」

「悪魔的には饗宴の終わりを告げる鐘だよね」

「なんだか落ち着く味ですわ。お母様と食べたことがないのにお母様を思い出す味ですわ」


みんなもそんな感じなんだね。異世界でも締めの食べ物ってイメージになるのかな。

それからはまったりとした感じで飲み続けてね。それでみんなが泊まってる宿の話になったんだ。


「宿屋の女の子が可愛かったのにゃー。覚えていてくれたのにゃー」

「凄く嬉しかったでござるよ。満面の笑みで出迎えてくれたでござる」

「前に滞在していたときより少し距離が近づいた気がするわ」

「テトは前回に居なかったからそのときは知らないけど、悪魔的にはとても優しい女の子だよね」

「ワタクシは天使が舞い降りたのかと勘違いするほど可愛い子だと思いましたわ」


って言うんだよね。本当かなあ。

自分がその子に会ったときはめちゃめちゃにらみつけてきたんだけど。

うーん。何か嫌われることしちゃったかな。というか見た目からもう嫌われてるのかな。


自分は異世界で泊まる必要はないんだけど、自分がこの街に居る間はグリンナと一緒にいることになるだろうから、ちゃんと自分がいる証拠を残すためにも同じ宿に宿泊するようにしたんだけどさ。やっぱり自分だけに宿屋の娘さんが冷たい気がするんだよねえ。


なんだっけ。ここの宿の名前。ふんにょり亭だっけか。



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