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37杯目 長い旅路の果てに目指す先は

「お肉がじゅわじゅわなのにゃー」

「このソースも美味しいでござるよ。しかもたっぷりでござる」

「おそらくこの柔らかい肉だけでも、このソースだけでも美味しいはずよ。でも一緒に食べるこの味が素晴らしすぎるわ」


今日のメインのつまみはハンバーグ。

いきなりつまみから始まるの?って声がどこからか聞こえた気がしたよ。きっと空耳だよね。

最近は本当にゴロンニャたちが移動ばっかりで異世界にあんまり行ってなくて、会うときは飲んでばっかりなんだよね。


そうそう。ハンバーグ。

ちゃんとしたのを作る自信はない。

とはいえ出来上がりの既製品を出したわけじゃないよ。

スーパーの肉コーナーで、お店が作った生ハンバーグが売ってたんだ。それを焼いたの。


でもそれだけじゃないんだ。

デミグラスソースで煮込みハンバーグに・・・・・・なんて上手にはできません。

だから、簡単にデミグラスソースの煮込みハンバーグっぽい感じにしたんだ。


用意したのはレトルトのハヤシライス。

本当はビーフシチューが良かったんだけどね。ビーフシチューだとちょっとお値段がね。

ハヤシライスだと1袋100円くらいで売ってるからさ。


それで、焼いたハンバーグを深めの皿に入れて、レトルトのハヤシライスをぶっかけてからレンジでチン。熱々になったら完成だよ。


上手な人ならフライパンのままハヤシライスを入れたり、鍋で煮詰めたりするんだろうね。でも水分が飛んで焦げ付いたりするのが怖いからさ。

もっと上手な人はオーブンで焼いたりするんだろうな。

あ、本当に上手だったらハンバーグもシチューも材料から手作りするね。そっかそっか。


自分の場合はレンチンで手軽に。これの良さはハンバーグの中まで火が通ること。

フライパンで焼いただけだと中が生焼けなこともあるけど、レンジで熱々にすることで中までちゃんと火が通るんだ。


せっかくなので目玉焼きも乗っけてみた。見た目の魅力がめちゃアップしたよ。

食べてみてもやっぱり美味しい。みんなも美味しそうに食べてるよ。


それにしてもゴロンニャたちがヒガリーの街から移動し始めて結構な日にちが過ぎたと思うんだ。

馬車のときもあれば徒歩の時もあるみたい。目的地まで馬車でいけないのかな。


「人の移動が多い街同士は馬車がかなり整備されて毎日たくさん使われているわ。でもそれほどでもないところは先に予約してある程度の人数が集まったら出発するような仕組みだったりするのよ。わざわざ待つくらいなら徒歩で出発した方が計算が立つの。それに少人数の編成の馬車だとずっと注目されるからタクノミの家に行きづらくなるのよ」


なるほどね。

日本みたいに道路や交通の便が整備されてどこへも行きやすいってわけじゃないんだね。

さらにグリンナは教えてくれた。


「荷物はタクノミの家に置いとけるから徒歩の移動も凄く楽よ。馬車は荷物があると役立つものだから」


そっか。小部屋にみんなの荷物を置いてあるもんね。

じゃあ馬車じゃなくても馬に乗って移動する方が楽だと思うんだけど。


「個人で馬に乗って移動することも前はあったわよ。でも今はやらないわ」


何か変わったのかな。


「タクノミの家にいる間、馬を見ておくことができないじゃない。徒歩だったら向こうに何も残さないでこっちに来られるから安心して飲んでいられるのよ」


なるほどなるほど。たしかにね。

車と違って馬は生き物だからね。何かあったら困るよね。

だから夜に詮索されない感じだったら業者に頼んで馬車、そうじゃないなら徒歩で移動してるんだって。


「温泉があるから徒歩でも疲れないのにゃ」

「タクノミ殿の家にくる以前と比べて驚くくらいに身体が元気でござるよ」


さすが温泉。疲れが取れるよね。とはいえちょっと大げさな気もするけど。

でもそれを聞いたウーミは凄く誇らしげにしてるよ。今や大浴場の主だもんね。

めいいっぱい褒めておこう。えらいぞすごいぞ。なでなで。


そんなウーミは最近になってお酒を飲むようになったんだ。

焼酎の温泉割り。試しに飲んでみたけど人間の口には合わないみたい。

でも温泉が大好きで普段からごくごくと飲んでたウーミにしてみると美味しいんだろうね。


今は冷やして飲むのがブームらしいよ。

温泉を出す機械のツムラ君は温度調整もできるから、桶に冷やして入れて持ってくるんだよね。

それで桶からグラスに冷泉を注いで焼酎と混ぜて飲んでるんだ。


そうそう。ここ最近で変わったことがあったんだ。それは異世界と自分の家をつなぐ扉。

これまではゴロンニャたちの空間と異世界が繋がっていたから、ゴロンニャたちが誰かを連れてこようとしたら必ずゴロンニャたちの空間を通らなきゃいけなかったよね。

でもそれが解決したんだ。ゲスト用の扉というのが新たにできたんだ。

この扉は異世界側の廊下に繋がっているんだよ。


これまでのは


異世界→ゴロンニャたちの空間→廊下→新しい飲み部屋→前からある飲み部屋


だったけど、ゲスト用だと


異世界→廊下→新しい飲み部屋→前からある飲み部屋


ってなるんだ。

とはいえずっと移動続きだったから誰かを呼んだことはないんだけどさ。

どちらの扉もゴロンニャだけが持つことができるみたい。

まあリンコもグリンナも一緒にいるから、それでも問題ないんだろうね。


とりあえずこれでゴロンニャたちの空間の安全が確保できて、サクラミの存在も気が付かれないように他の人と宅飲みができるようになったね。誰か呼ぶ日が来るのかな。

しばらくは移動するだけだもんね。と思ったらグリンナが


「そろそろ目的地に着くわよ」


だって。そういえば聞いてなかったんだけど、どこに行くんだろう。


「魔王城よ」


え?それって勇者が行くところじゃないの?!!!




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