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36杯目 いつになるか分からないけど、誰と宅飲みしても良いように自宅を改造してみる

ヒガリーの街を出てから10日くらい経ったよ。

ゴロンニャたちは馬車を使ったり徒歩だったり手段は様々だけど、どこかに立ち止まることなくずっと移動し続けてるみたい。


そんな感じだから自分が異世界に行く機会がそんなにないんだよね。

あっても景色を眺めたりで1日に30分くらい。

そんなにずっと移動し続けてるなら、どれくらいの距離を進んでいるんだろうね。

自分じゃちょっと分からないや。大変なんだろうな。


その間、自分は家の改造で頭を悩ませてたんだ。

グリンナに言われたんだよね。これからのことを考えたら少し家の作りを考えたほうが良いって。


これまではこんな感じ。


日本←→自分の部屋←→飲み部屋←→ゴロンニャたちの空間(廊下、小部屋、大浴場)←→異世界


日本と異世界を除いた部分が自分の家なんだけどさ。

このままじゃ異世界から誰が来てもゴロンニャたちの空間を通ることになっちゃうよね。


ゴロンニャたちのスペースと異世界の扉を分けて設置しようと思ったけど、サクラミがそのままのほうが良いって言うんだよね。これから他の扉もできるかもしれないからって。


とはいえ、もし他の扉ができたとしても、それを飲み部屋に繋ぎ始めたら、飲み部屋の壁がどんどん扉だらけになっていっちゃう。


グリンナから言われちゃったんだよ。

そういう先のことを考えた作りを今のうちからしておいたほうが良いって。

うん。その通り。


だから飲み部屋とゴロンニャたちの空間の間に廊下を作ることにしたんだ。

イメージはホテルの廊下。細長くて部屋に繋がる扉がいくつもあるでしょ。

ああいう感じの廊下を作れば、扉がいくつできてもスムーズかなって。


ということでサクラミにお願い。新しく廊下を作って、飲み部屋に一番近いところにゴロンニャたちの空間に繋がる扉を設置して欲しいな。

廊下の先の方に作ると飲み部屋までが遠いもんね。

グリンナが言うには


「ここにワタシたちがいることで、飲み部屋に侵入する敵が防げるようになるわね」


だって。そんな敵とか怖いこと言わないでよ。みんなで仲良く飲みたいだけなんだから。

でも異世界のことを自分は良くわかってないもんね。

もしかしたらそういう危険性があるのかもしれない。

そういうことを考えてくれてるのかもね。本当にありがたいよ。


次に飲み部屋。これもグリンナが言ってきた。


「もしタクノミの家で飲む人が他にも増えるようになったら、サクラミがいつも居るってのは都合が悪いわ」


居るのが当たり前だと思うようになってたけど、そっちの世界ではサクラミって偉い女神様だもんね。うんすっかり忘れてた。

だから飲み部屋をもう1つ作ることにしたんだ。今までの飲み部屋と新しく作る廊下の間に。


みんなで飲むときは今までの飲み部屋を使うよ。もし他の人が来たら新しく作った飲み部屋。

あのピカピカするサクラミのお膳を見られないでしょ。


新しく作った廊下から別の飲み部屋に繋がるようにすればサクラミのことが全くバレないし安全って思うかもしれないけど、そしたらお酒と料理を運ぶのが大変でしょ。

でも飲み部屋を繋げておけば、今までの飲み部屋を通るだけで運べるから。それに途中でサクラミのお膳にお酒も料理も置けるでしょ。他のところに作っちゃうとサクラミに持って行くのが大変になっちゃうよね。


それにサクラミが言ってくれたんだ。

普通の異世界人は新しい飲み部屋まで。ゴロンニャたちみたいに仲良くなった人は今までの飲み部屋まで来ることが出来るようになるって。

これでサクラミの件は解決かな?


それともう1つ。自分の部屋と飲み部屋の間にキッチンを作ってもらうことにしたんだ。

これまでは前のアパートを元にして作られた台所しかなかったから料理を作るのに狭いんだよね。

せっかく自分の家をいじれるのなら、使いやすいようにしたいでしょ。


『ちょっと注文がいっぺんで大変ですよー』


ってサクラミに言われちゃった。

でも、そんな面倒くさい大変な注文を少しずつ毎日のように伝えたのにちゃんと受けてくれて、それが今日完成したんだ。


今は


日本←→自分の部屋←→キッチン←→飲み部屋←→新しい飲み部屋←→ホテルっぽい廊下←→ゴロンニャたちの空間(廊下、小部屋、大浴場)←→異世界


ってなってる。

ホテルっぽい廊下には今のところ新しい飲み部屋とゴロンニャたちの空間に繋がる扉しかないから変な感じだけどね。

大浴場をこっちにくっつけようかとも思ったけど、ウーミのことを考えたらゴロンニャたちの空間のままのほうが良いなと思ってね。

それでも何か新しく作ることになったらここに繋げれば良いんだから、将来のことを考えればすっきりするために必要なことだったよね。


キッチンもできたばっかりだから今日は自分の部屋で作ってるよ。

そのうち料理関連の道具と冷蔵庫を移動させないとね。


てなわけで今日の飲み会のテーマは新しい自分の家について。


「思ったよりも早くできたのにゃ。でもちょっと移動するのが遠くなったのにゃ」


まあね。ゴロンニャたちは今まですぐに飲み部屋だったのに、ホテルっぽい廊下と新しい飲み部屋を経由して今までの飲み部屋に来るんだもんね。

そう。新しい飲み部屋を作ったけど、結局いつものメンバーしかいないからいま飲んでる場所はこれまでと同じ飲み部屋だよ。


「備えあれば患いなしでござる。今のうちにやれることはやっといたほうが良いのでござる」


そうだよね。

たぶん後から考えてもすでにごちゃごちゃになっちゃってて、いろいろと整理するのが大変になるもんね。


「ワタシたちもこのほうが安心できるわ」


確かにグリンナの言う通りだよね。

自分たちのスペースに他人がどかどかとやってくるのは嫌だろうし。

でもなあ。それよりもなあ・・・・・・


「みんなと一緒に住むための部屋を作らないとね。みんなの滞在時間が増えるようになることも考えていかないと」


え?なんでみんな下を向いてるの。何か変なこと言ったっけ?

みんな野宿が多いんだから、早くここに住めるようになったほうが良いでしょ。

あ、でもやっぱりみんなと一緒に暮らすって、凄く意識しちゃうね。いやでもみんなはこれまでも普通にしてたし・・・・・・


「きょ・・・今日は他につまみはないの?」


ああ。グリンナの言う通り。忘れてた。ちょっと待ってて。

とはいっても本当にちょっと待っててくらいの簡単なやつ。


今日のつまみはお吸い玉。

何それって思った人は正解。お吸い物と玉子とじを合体させて勝手に自分が作った言葉だからね。


本当に本当に簡単。

水の中にお吸い物の素を入れて混ぜ混ぜ。そこに生卵を入れて良く混ぜ混ぜ。

それを熱したフライパンに入れて玉子焼きを作れば完成。


半年くらい前に安売りしてるときに買ったお吸い物の素を発見してさ。

買ったときはちょっと飲んでたけど、しばらく忘れてたんだ。

あのころはまだゴロンニャたちと出会ってなかったなあ。


そうそうお吸い玉。汁加減と玉子加減は本当に個人の好み。

というか作る人と食べる人の思い込みもあるんだよね。

普通のお吸い物の素と水の分量を入れて作ったら、味付けがタレだと思った人には味が薄いって言われるの。

逆に出汁だと思ってた人にはちょうど良い優しい味って言われるからさ。


だからもう分量とかは適当。

ちょっと汁が出る程度のスクランブルエッグを作ると思えば難しくないんじゃないかな。

少し物足りないときは醤油を垂らすと良いよ。意外とコショウも合う。


そして今日の自分はなんか凄く絶妙な汁加減と玉子のぷるぷる加減の過去最高の出来栄えのやつができちゃった。

具としてナルトの刻んだやつとカニカマをほぐしたやつも入れてみたんだけどさ。

分量を適当にやってるから、もう1回作れと言われても無理だと思う。


「うにゃにゃー。うまじゅわだにゃー」

「落ち着く味でござる。拙者の好みでござるよ」

「ほっとするわね。のんびりと飲み続けて良い気分になるわ」

「ウーミウーミ!」


ウーミはほんのりと硫黄の臭いがするね。

今日は硫黄泉だったっけ。あとでまた入ろうかな。


そうそう。

これまでもそうだったけど、最近は特に飲むことが日常の中心になってる感じがするよ。

グリンナに言われて家の改造を考えてたりもしたからね。


「タクちゃんが決めたからにゃ」

「タクノミ殿が決めたからでござる」

「タクノミが決めたからよ」


ん?何か決めたっけ?

聞いてみても3人は何も答えてはくれない。でも、とても嬉しそうに笑ってる。

まあ良いか。この笑顔が見られるだけで自分には十分すぎるからね。



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