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18杯目 異世界にまた行こうと思ったら柔らかいご褒美だし、冷蔵庫に一日寝かせたらしっかりとした出汁

異世界に行って気になったこと・・・えーと・・・・・・あ、もしかして


「そういえば、周りの人の視線が気になったかな」

「そうよ。ワタシたちはいつも周りに見られてるのよ」


やっぱり。何をするにしても周りがこっちを見てる感じがしたんだよね。


「いつものことだにゃ」

「ずっと落ち着けないのでござるよ」

「ワタシたちが地味な恰好をしていたのもその1つね。女性の冒険者は着飾る人たちもいるけど、ワタシたちはわざわざ目立つ必要がないのよ」


自分は周りから注目されたことなんて無いからね。

凄く居心地が悪かったよ。


「今日はタクノミ殿が居たからかいつもよりも余計に注目されていたような気がするでござるよ」


えー。自分のせい?


「女だけのワタシたちのパーティーが男と一緒にいたのよ。見られるに決まってるじゃない」


あー。なんか周りの視線が怖かったもんなあ。

そんなにみんなは人気があるんだね。


「ありがたいことにね。得してることはたくさんあるわ。でもプライベートが少し困るのよ」

「気軽にゴロゴロできないのにゃ」

「いつもしっかりしてないといけないでござるよ」


なるほどね。

前もそんなこと言ってたけど、実際にあの視線を体感したら心の底から納得するよ。

これからはもっとリラックスして美味しいものを食べたり飲んだりして欲しいね。

あれ?自分の視線は気になってないのかな。

まあ良いか。つまみもほとんど無くなったみたいだから新しいのを追加してこよう。


今度の料理は異世界に行ってる間に美味しくなっていたこれを使うよ。

それはスルメと昆布の出汁。昆布もスルメも細かく切ってそれぞれ水を張った器の中に入れて冷蔵庫の中で眠っててもらったんだ。

昨日の夜から1日かけて置いといたんだけど、水にしっかりと色がついてるよ。置いとくだけでこんなに出汁が出てくるなんて凄いよね。


それぞれ鍋に移し替えたら沸騰する直前まで火にかけるんだ。

昆布はそこで火を止めて、スルメはそこから少し弱火を続けてから火を止める。

そこで両方の出汁を1つに混ぜちゃう。その時に本来は昆布もスルメも取り出すほうが良いみたいだけど、酒飲みの食べ物だったらそれも具として楽しむために入れたまま。


この合わせ出汁を塩と醤油で味付けしたら何にでも使える美味しい汁になるよ。

今日はコンビニで買ってきたカニカマとちくわを入れるよ。

ちくわは輪切りに。穴があいてるから本当の輪切りだね。

カニカマは火を通し過ぎると持てないほど柔らかく崩れちゃうけど、今回はどっちも火が通ってる具材だし温める程度だから気にしないでも大丈夫。

これでカニカマとちくわの汁物の完成。


せっかくだからもう1品。

輪切りのちくわとほぐしたカニカマをフライパンへGO!

そこにさっきの汁物のスープを入れて火にかける。

水気が半分くらい飛んだらごま油とを入れてから火を止めて少し待つ。


そこに溶き玉子を混ぜ混ぜ。

火を止めてないと一気に固まっておかしなことになるからね。

固まっちゃったら取り返しがつかないから。固まらなければ何とでもなる。


ちょうど良く固まってるなら完成。

物足りないなら改めて火にかけながら混ぜ混ぜ。

上手に焼くとか気にしない。焦げ付かないフライパンが良い仕事をしてくれるので、ちょうど良い半熟くらいになったら火を止めてお皿に入れちゃう。


スクランブルエッグで良いじゃん。かに玉やらオムレツみたいにしたかったわけじゃないよ。最初からスクランブルエッグにしたかったんだってば。いや上手に作れなかっただけです。

それに味付けも物足りなければ後から醤油とかケチャップを足せば良いんだよ。

飲んでる最中に料理してるんだから適当オブ適当なんだから、あんまり期待しないでもらいたい。


「このスープから優しいのにしっかりしてる美味しさが伝わってくるにゃ」

「玉子とプリンとした具とふにゃっとした具の相性が抜群でござる」

「どちらも似た味のはずなのに別な美味しさを感じさせてくれてありがとうね」


喜ばれたみたい。良かった良かった。

グリンナはふにゃふにゃ感謝モードに突入したね。


でも本当に今日は異世界に行っていろんなことがあったな。

どれもこれも新鮮で楽しかったな。

また行くときはダンジョンの1階の説明をちゃんと見て回る余裕があると良いな。


「タクちゃんまた来てくれるのにゃ!」

「え?また行くでしょ。周りの視線は怖かったけどさ」


するとゴロンニャが座布団と一緒に自分に向かって転げまわってきた。

え?また?さっきもあったような。やっぱりゴロンニャが馬乗りになってる。


「やっぱりタクちゃんは優しすぎるのにゃ」


今度はゴロンニャが抱きついてきたよ。

これまでも感じてたけど女の子の身体ってこんなに柔らかいんだ。


「もう来てもらえないと思ってたでござるよ。本当にうれしいでござるござるござる」


リンコも抱き着いてきたと思ったらジタバタしてる。

抱き着きながらジタバタっておかしな表現だなあと思うけど、そうとしか言えない動きをしてるんだよね。凄いなあ。


「あんな目に合ったのにタクノミちゃんは優しくてありがとうね」


グリンナはずっと頭をなでなでしてくれてる。

いろんな作品で頭をなでなでされて喜ぶ人たちがいるのを信じられないでいたけど、グリンナのこれはもう本当に最高で・・・・・・


「痛っ」


あっ、ちょっとまた左腕とわき腹が。

その瞬間、一気に3人が自分から離れていったよ。

謝るのはもういいからって言ったら、今度は心配しまくってきて。

その気持ちは嬉しいと思いつつ、みんなの柔らかさをもっと感じられなかったのは残念と思いつつ。


あんまり心配され過ぎるのも困るからちょっとずつ強気なことを言ってたら、最後に打倒マルマルコロリンをみんなで誓って終わったんだ。

え?また戦うの?



評価、ブックマーク、感想、レビューなんでもすべて嬉しいです。

めちゃめちゃめちゃめちゃ嬉しいです。


読んでいただけるだけでうれしょんするほど喜びますが、反応していただけるのは最大のご褒美です。

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