0.引越し編 《邂逅#2》
最近私生活が忙しく久々の更新です。
男の手から炎の玉が出現し、俺に向かってきた。咄嗟の回避が間に合わず直撃してしまった。
「あっつ!!!……くない。なんでだ?」
とりあえず良く分からないけど、男の炎の球で特に火傷等の外傷は無かった。
その姿を見た男は化物を見るような顔をしていた。
「お。お前何で何にもないんだよ!」
「さあ?俺も良く分かんねえよ。」
と言い、俺は地球でも使っていたような球を作り投げ飛ばした。
「む、無詠唱!?俺を舐めるなよこぞ...」
男は言い終わる前に俺の球にあたって吹き飛んでいた。
もう一人の男も俺の特製ボールで吹き飛ばしてやろうかと向き直ったが、もう一人の男は地面に這いつくばっていた。
俺の目に入ったのは、紅髪、金眼の怜悧な美貌を持つ美少女。背と胸部はやや控えめだが、神々しい程の美貌。
紅髪は綺麗に手入れが行き届いてあり、腰まで伸ばしている。
「助けられてしまいましたね。ありがとうございます。」
そう言い。頭を下げ顔には微笑を浮かべていた。燃えるような紅髪がはらりとはためく。
「...。」
その女性があまりにも綺麗で何も言葉が出てこなかった。
「……?どうかされました?」
「あ、ああ。特に手助けは要らなかったみたいだな。」
「いえいえ、ご助力いただきありがとうございます。こういう輩が後を絶たないので。それよりも貴方は魔導学園の方なんですか?」
「なんでわかったったんだ?」
「あそこまでの魔導弾を無詠唱で使えるのなら、魔導学園の方かなと思っただけですよ。」
その無詠唱ってのはよく分からないが、そういうことなのか?
「けど、学園の生徒が暴力沙汰ってのもあんまり良くないかもしれないからな。あんた、悪いんだけどさ今日の件は見なかったことにしてくれないか?」
紅髪の女性は少し困ったように笑い
「いいですよ。私もあまりこのような事が露見するのは喜ばしいことではないので。」
その含みをもたせる言い方に若干の引っかかりはあったものの、俺もそこを突っ込んで薮蛇ってのも嫌だから無視をした。
「ありがとう。それじゃあ俺はここで消えるとするよ。」
と振り返りそのまま俺は宿に戻ることにした。
帰り道に迷ったのはまた別の話だ…
「あの宿どこにあるんだよー!!!!」