痛詩
世界に溶けていくボクの、落とし前。
太古よりそうだった、たましいは深紅に燃ゆる蝦に恋い、焦がれて海を泳いでた。
華やかなるその、甲殻の煌めきに愛で、イメージは、いつまでもふかく溶けていった。
海。
精神を背負った箒星、宇宙の海を。燃え盛る恒星、想い馳せては何処までも、滑り落ちた。
こころとたましい、宇宙にたったふたつ。愛しあう、性交に織らるるパズルが。
そうなんだ。…………何処までも、ベタはおんなで……シュールはおとこで。
ベタとは、つまり愛。
シュールを極め尽くし、如何ほどまでに煮詰め、味わい愛でて、尽くしあっても、白き想いに溶けゆくその虫は、ベタ纏わねば、真なる創造には届かない。
それは螺旋であり、つまり魅せねばならぬものだった。
定めには欲望と愛着の果て。波打ち際の性愛の、行為に咽ぶその皺襞には、実子のみしか生まれいずらぬ、創造主は、それではならぬのだ。
真なる創造に向かうのなら一縷すら、ベタを怖れてはならぬ、ただし抉って、抉って突き進むのだ。
そしてまた、演者も同じかな。使役者は誰しもが、そうであるのだ。
愛。
燃え盛る海へ。届きたい……が、それだけではならぬのだ。
非。ベタの創生だけでは、世界にすぎぬ。「世界で充分だろ」、そうか、それも是としよう。
だがボクは、次元が違うんだ。
だってそうだろ、ずっと太古からボクは、中二病なのだから。