プロローグ
私の短い人生は、終わった。
生まれつき、心臓の重い病気だと分かり、そのあとの私の人生は、全てベッドの上で過ごした。
あぁ、なんて切ない終わり方なのだろう?
普通の子なら、学校に行って友達もできて、そして恋人もできるであろう。そして何か夢に向かって頑張り、大学、専門はたまた、就職…
そして最後は結婚なんてことも…そんな夢を見ていた時も確かにあったが、医者と両親の話を偶然聞いてしまい、私は夢を見なくなった。
「娘は…娘は治るのでしょうか…?」
「非常に言いにくいのですが、娘さんは二十歳まで生きるのが難しいでしょう…。」
「そんな…うっうっ」
「どうしてあの子がこんな目に!くっ」
なんて、話してるのを聞いて、よーし、絶対生きてやるぞ!なんて思えるほど私は強くないのだ。
そんな時、こんな体でも、最低限できる私なりの楽しみを見つけた。
恋愛シミュレーション乙女ゲームだ。通称乙ゲー…
それは、凄い勢いで私を熱中させてくれた。そのお陰か目標を持とうと思えるようになった。
ー二十歳まで生きるー…まずは、これをクリアすれば私の病気は治ると希望を持つことにしたのだ。
そのお陰で明るく振る舞う事ができたし、体調もよくなってる気がしたのだが…それは、本当にそんな気がした程度だと思い知ることになる。
突然、それはやってきた。いきなり容態が悪化したのだ…しかも二十歳まで生きるという私の目標を嘲笑うかのように。
そして冒頭に戻るが、無事二十歳を生きてー…とはならず、十九歳…なんと明日の誕生日で、二十歳を迎えるという最悪の日に私は死んだ。
そうして私の人生は、終わった…終わったはずだったのだ。
この記憶を思い出すまでは…。