表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/90

第23話 隣人 曽根崎裕佳梨②

 挿絵(By みてみん)

不名誉より死を選ぶのが騎士。

「しのぶさんには恋人はいないのかな?」唐突に曽根崎が質問してきた。


「え?いないですけど」


「しのぶちゃん、こんど女の子とデートするんだよねー」ナターリャが魚を食べながら言った。


「女の子とデートだと!?」曽根崎が急に立ち上がった。


「そ、曽根崎さん?」


「あ、ああ…すまない…その…しのぶさんは…じょ、女性がお好きなのかなぁ?」曽根崎の声が裏返った。ヤバい。引いてる。


「あ、いや!デートではなくて、ただの友人です!」いや。デートなんだけどね。看護師のミクさんと。実はかなり楽しみにしている。


「そ、そう…だよな…女同士、は変…だよな…」あ、もしかしてそっちの人か?だとしたら失礼だったかな…


「あの、曽根崎さんは恋人とか…」


「いないよ。私はね、理知的な男性か可憐な女性がタイプなんだ。なかなか出会いが無くてね」

自分から言ったぞ!?


「あ、女性もお好きで…」


「あ、ああ!え!?今そんな事言ったかな!?」


「ばっちり言いました」


「くっ…殺せ…!」曽根崎は急にうずくまり出した。大丈夫かこの人?


「殺したりしませんし秘密にしますから…」


「うぅ…恥だ…性の乱れを自ら言うなどと…」


「そんな、大げさな」


「騎士として…」


「キシ?」


「王国騎士団の長として…あ!いや…」騎士団?


「ねぇ」ナターリャが曽根崎に箸先を向けた。


「お行儀悪いからやめなさ…」


「いいから」

遮られた。


「黙っててあげたんだけど、もういいや。自分から言ってるし。アナタ転生者でしょ」


「なに…!?」曽根崎の表情が変わる。


「最近、加古ちゃん達の周りに探偵がうろついてるのは、アナタの仕業でしょ。で、今は私たちの事も調べようとしてるんだよね。違う?」


ナターリャがそう言った瞬間、曽根崎は飛び退いてキッチンに回り込み、包丁を取り出して構えた。マジかよ!?


「…貴様ら、何者だ!?我々の活動まで知っているとは…!」


「知ってるも何も、私がアナタたちの魂を管理してるんだもの」


「なんだと?どういう事だ!」曽根崎が包丁をナターリャに向ける。危ない!


「やめろ!俺たちがあんたに何をしたって言うんだ!」俺はとっさに曽根崎とナターリャの間に入った。


「そのナターリャとかいうやつもそうだが、しのぶさん…キミも転生者だろう!どの世界から来た!」包丁が俺の方を向いた。


「どの世界って、ここですけど…」


「…なに?そんな事があるのか…?」


「あーもうめんどくさいなぁ!しのぶちゃん、ごめん!」

ナターリャがそう言った瞬間、2人の姿が消え去った。


あ。あいつ!女神の力を使ったな!



…数分後、ナターリャと曽根崎が戻ってきた。曽根崎は大人しく…というか、ショックを受けた様な放心状態になっていた。


「お、おい、ナターリャ。あいつに何したんだよ…」


「ナイショ。パワーはそんなに使ってないよ」


「それなら…まぁ…」


「…はっ!?」曽根崎が我に返った。


「アナタからしのぶちゃんに教えてあげてね」

ナターリャは改めて食卓につき、冷めた豚汁をすすった。


「…先程は無礼を働き、誠に申し訳ありませんでした…」曽根崎は膝をつき深く頭を下げている。


「あの、顔を上げて…何か事情があって転生した人を目の敵?にしてたんですよね?話してくれますか」


「…はい。ありがとうございます。私の事情をお伝えします。今は、女神のお言葉で心は変わりましたが…それも含めて、全て話します」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ