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地球に携わってきた人々

地球に携わってきた人々 ごのに

作者: あむろぎ むと

地球に携わってきた人々 ごのに



ただ、闇の中を漂う。

あれから、どのくらいの月日がだったのだろう。もしかしたらすっごい長い1日かもしれないし、五万年くらいは経ってるかもしれない。とにかく長い時間、僕は闇に囚われていた。




最初は、黒い塊に対して抗った。そして何度も負けて、その度に苦しくなっていく。



心の中にあったのは、なぜ、という思いだった。なぜ僕がこんな目に。僕は間違ったことはしていない。あの地球では自殺は尊いもの、美徳に似たようなものがあったのに。僕はそれに従っただけだ。あの時、自殺という響きは、とても甘美なものだと感じた。だから、僕は間違ってないのだ。なのに、なぜ。


抗って、引き摺り下ろされて、その苦しみから逃れようとして、また負けて。その繰り返し。




そして苦しみに押しつぶされて、僕は

、消えた。









時間の感覚なんて、もはやない。もしかしたらすっごい長い1日かもしれないし、五万年くらいは経ってるかもしれない。自己なんてものもない。闇の中を漂うばかり。ずっとそうしていて、ふと、思い出した。




それは遥か昔、とてつもなく大きな、それでいてとてもあたたかな存在が、教えてくれた事だった。


自分を愛してあげること。


簡単なことだ。ああ、それでも、今まで出来なかった事だ。これだったか。僕は、自分は、間違っていた。ああ、ああ。これか。これだったか。




気づくとふっ、と体が軽くなった気がした。いや実際、そうなったのだ。もう、黒い塊はなくなって、うすく、ひかりが、のぞく。


手を伸ばす。

まだ黒い霧があるけれど、それもやがて晴れるだろう。



久しぶりの光を浴びて、感極まる。あたたかいものが、心を少しずつ満たす。ああ、ああ!これだ、これに私は帰るのだ!





かつて、縁のあった魂が黒い闇にいた事があった。彼女はすすり泣いていた。泣き声は、とうに聞こえない。


その魂が、無事に光に戻っていることを切に祈る。




そして、自分も光へと…






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