67・笑う人々と標的の人
告白をした日から一夜が明けた。
目を覚ました私は、とても体が重かった。
「学校に行きたくないよぉ・・・・・。」
私は朝起きて目を擦りながら独り言を言った。目を覚ましたばかりだからか、昨日、大神くんに告白したことが夢のようだった。
「本当に夢だったら良かったのにな・・・・・。」
そう言って、重い体を起こして学校に行く準備を始めた。
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ガラガラ・・・・。
「おはよーう。」
私は教室に入るときに挨拶をする。それは、誰かにいっているわけではない。(たまに挨拶が帰ってくる。)
今日は私が教室に入ると不思議なことに静まりかえった。しかし、私は気にしなかった。
「緋美ちゃん、おはよう。」
私は自分の席に行くときに緋美ちゃんの席の前を通る。その時にいつも挨拶をしているのだ。今日は緋美ちゃんからの返事はなかった。
「ご、ごめんなさい。」
緋美ちゃんはキョロキョロして小声でいうとどこかへと去っていった。私は目で見送り首をかしげる。
私は再び自分の席に向かって歩き出した。そして、自分の机を見たときに理解した。
どうやら私は誰からかのいじめの対象になったみたいだ。私の机には鉛筆で酷いことがいろいろ書かれてあった。
「・・・・・・・・。」
私は教室を見渡す。みんなが目をそらしていた。
「っ!」
私は急いで席に座り、筆箱から消ゴムを取り出して消し始めた。
「恵聖さん?どうかなさって?」
心配そうに声を掛けてきたのはクラスのボス的存在の加賀美であった。
「ううん。なんでもないよ。」
私は加賀美に迷惑をかけたくないので、一人で机の落書きを消していた。
「まぁ!これは酷いこと・・・。いったい誰がこんなことを・・・・・。私も手伝いますわ!」
加賀美は笑顔で言う。
「ありがとう。かが・・・・・。」
バンッ!
私がお礼を言おうとしたとき、私は頭の後ろを掴まれて、私を掴んだ手に力が入るのがわかる。そして、私の顔が思いっきり机に付く。
「恵聖さん?こうしたら机の汚れも取れましてよ?」
そう言って加賀美は私の頬を机にグリグリと擦り付けた。私は訳がわからなかった。加賀美の顔が私に近付く。
「あら、あなた。オオカミさんに告白して駄目だったみたいですわね?ブザマですわ!」
そう言って加賀美の口元がニヤリと笑う。そう、このいじめの黒幕は加賀美であった。
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それから数日がたったが、毎日いじめが続いていた。私は他の人に迷惑をかけたくないから、家族や初陽、大神くん、啅人くんにも相談はしなかった。
とある日、私が教室に入ったときに加賀美とその仲間が数人、シュークリームを食べながら私を見てニヤニヤしていた。私は無視をして席に座る。
グシャリ。
私の椅子の上にシュークリームが置いてあった。私はそれに気付かずに座ってしまったのだ。
「あらぁ~、恵聖さん?貴女にもシュークリームを差し上げようと思いましたの。貴女はお尻でシュークリームを食べるのですね?」
わざとらしく言う加賀美。そして、加賀美の仲間はクスクスと笑う。
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さらに追い打ちは続いた。
私が休み時間に廊下を歩いていると、なんと、大神くんと加賀美が楽しく何かを話していたのだ。
私はとても胸が苦しかった。
とても楽しそうに微笑んでいる加賀美と笑顔の大神くん。私はその場にいるのが辛くて来た道を走って戻っていったのだ。今まで堪えていた涙が溢れだし、何もかもがなくなった気分になっていた。
そう、私は知らなかったのだが、大神くんは私が最近元気がないことを心配していたのだ。そして私のクラスで存在感が大きかった加賀美に私が元気なのか、ちゃんとクラスに馴染んでいるかなどを聞いていたのだ。もちろん、加賀美がいじめの黒幕なので、「ええ!恵聖さんとは仲良くやっていますわ!」と答えていたのだった。
次の日、私は初めて学校を無断欠席した。




