66・告白
春です。桜も散り、緑の葉っぱが生い茂る桜の木。そして、夕日に染まった私と大神くんは今、体育館の裏にいる。
お互い向き合い立っている。
「来てくれたんだ。ありがとう。」
私は笑顔で大神くんに言った。大神くんは緊張しているのか、あまり笑顔ではなかった。
「あ、あのね、大神くん。」
私は恥ずかしくなり、目線を横に反らしてモジモジする。
「わ、私ね・・・・。」
そう、私は大神くんが私の事を好きってことを知ってるよ。それでも、告白はとても恥ずかしかった。けど、これを乗り越えたらきっと楽しい毎日が待っている。
「大神くんの・・・・・。」
途中まででいいから一緒に登校したり、下校したりしたいね。そして「おはよう!」や「また明日ね!」と笑顔で言いたい。
「ことが・・・・。」
もうすぐ、夏休みだね!一緒に花火をしたり、花火を見たり、海とかプールにいったり、夏祭りも行きたいな。私、恥ずかしいけど、頑張って浴衣を着ていくよ。その時、大神くんは目のやり場に困って目をそらしちゃうのかな?楽しいことがいっぱいだね。
「好きだよ!」
私は最後の"好きだよ!"はとても大きな声で言った。
「「・・・・・・・・。」」
しばらく、沈黙が続く。
大神くんが少し口を開いた。私は待ってました!とばかりに大神くんに注目する。
「ごめん!」
大神くんは頭を下げた。私は予想外の出来事に目を見開いて頭の中は真っ白になっていた。
「えっ?」
私は信じられないと思い、変な声を出してしまった。心変わりだろうか、大神くんは中学の時は私のことが好きだった。しかし、高校に入学しても告白はなかった。たぶん、高校に入ってから好きな人ができたのだろう。
「恵聖、お前の気持ちにこたえられない。本当にごめん!」
大神くんは再び頭を下げた。
酷い。酷いよ、大神くん。私はずっと待っていたんだよ?ずっとずっと、最初見たときからずっと好きだったのに・・・・・。なんで?なんでなの?
私の目から涙が零れていた。力が抜けたのか私は膝から崩れ落ち、両手で顔を隠してたくさん泣いた。大神くんはただ立って私を見ているだけであった。
私と大神くんは知らないのだが、その光景を見ている人物が二人いた。
一人は大神くんの親友の啅人で、もう一人は大神くんのことが好きでクラスのボス的存在の加賀美であった。




