65・高二
大神くんから告白がないまま、高二になった。
それは仕方がない事である。大神くんは熱を出して一週間休んでしまったらしい。それで勉強が追い付けなくなり、啅人くんに勉強を教えてもらっているようだ。
しかし、それは1年生の時の話である。今はなんとか勉強に追い付いているようだ。
ある日、『魔法少女アイドル@スリー』を私は観ていた。その時に魔法少女レッドのケミーちゃんが好きな人に告白する話があった。
毎年観ていた男の子向けのアニメは4月に始まり、3月になったら最終回になるのだが、『魔法少女アイドル@スリー』は3月になっても最終回にはならなかった。どうやら夏の終わりまで放送するようだ。
話はそれたが、私はアニメを観て思った。
「よし!私から告白しよう!」
私は立ち上がり、両手をグーにして胸近くまで持っていった。
「大丈夫!恵だったら上手くいくよ!」
「ありがとう、お兄ちゃん!」
そう、私は高校生になってもお兄ちゃんとはとても仲良かった。偶然近くにお兄ちゃんがおり、応援してくれた。
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次の日の休み時間に運良く大神くんとばったり会う。
「お、大神くん!」
私は身を乗り出すように近寄る。私の鼓動が高鳴るのは久しぶりだ。
「お、おう。恵聖。」
私に告白できなかったことで気不味いのか、返事が微妙であり、目線もやや斜め下を見ている気がする。
「は、話があるの!放課後での体育館裏に来て!絶対にだよ!」
私は緊張してしまいベタな台詞を早口で間違ったまま言った。
「お、おう!放課後に体育館裏な。」
けど、なんとか大神くんに伝わったようだ。
ーーーー(幕間)ーーーーーーー
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昼休み、私は緋美ちゃんと一緒にご飯を食べていた。しかも、私の顔はニヤニヤしている。
「け、けーちゃん。さっきからニヤニヤしてどうしたの?」
私のニヤケ顔が気になったのか、緋美ちゃんが聞いてきた。
「ううん。なんでもないよ。」
私はニヤけているのを抑えようと口に力を入れて答えた。たぶん、今の私の顔は変な顔だと思う。
昼食が終わり、眠くなる午後からの授業も終わった。私はスキップするような気分で体育館裏を目指していたのだった。




