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猫はふて寝する  作者: 山神ゆうき
ミケのその後の生活
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53・自分を責める龍と慰める猫

私は未だに状況が分からず立ったままだった。

嵐のように現れたと思ったら、すぐに去っていったトラオと五月(さつき)


「ハッ!」


我に返った私は上の階に行ってみようと思い、急いでドアの所へ走っていきドアを開け廊下に飛び出した。


「キャッ!」


廊下に飛び出た私は何かとても柔らかいものに包まれ、その途端に誰かの悲鳴が聞こえた。そして、その柔らかいものに押される感じにバウンドした私は訳が分からないまま地面に尻餅をついた。


ここ最近は本当に訳が分からないことに多く遭遇する。


「ご、ごめんなさい。ごめんなさい。大丈夫ですか?本当にごめんなさい。私のせいで!!」


どうやら私は目の前にいる人物の胸にぶつかって倒れたらしい。その人物は自分を責めながらも膝を曲げて私に手を差し伸べた。

この光景はとても恐ろしい。何故なら自分を責めながら手を差し伸べる人を初めて見たからだ。


「あ、ありがとうございます。」


私はビックリはしたが、とりあえずその人の手に掴まり立ち上がった。


「あ、あの、怪我とかないですか?どうしよう!もし、怪我とかしていたら私のせいだ!」


女性は両手で頭を押さえてクネクネと動いている。

女性の特徴はだいたい15歳くらいで髪は翡翠色で腰まで伸びており、白いワンピースで眉が八の字になっており、右目の下に泣きボクロがある。


「大丈夫です。怪我はないです。」


私は見える範囲で自分の体を見てホッとして答えた。何故なら女性は自虐的で今でも自分を責めているのに、私が怪我をしていたらどうなることやら。


「あの、私はミケと言います。この部屋に住んでいます。」


私はさっき出てきた部屋を指差して言う。


「私はリンです。ごめんなさい、ごめんなさい。自己紹介がまだでしたね。ああ!私のせいだ!」


何が"私のせいだ!"なのかわからないが、とにかく自分をすぐに責めるらしい。


「そっか。リンさんか。これからもよろしくね。じゃあ、私は急ぐから。」


私はこれ以上関わらないようにしようと思った。しかし自己紹介で仲良くなったと思い、敬語をやめて話したのが仇となった。


「待ってください。ごめんなさい。気安く掴んだりして。けど、本当に待ってください。」


リンさんは私のワンピースの1番下の部分を掴んできた。


「えっ?ちょっと、どうしたの?」


私は後ろから引っ張られるような感じになったので驚いた。


「あの!ごめんなさい。私、友達がいなくて・・・。友達がいなくてごめんなさい。私と友達になって、タマちゃん。」


タマちゃん!?ミケと名乗って速攻で名前を間違える人は初めて見たよ。


「ちょっと落ち着いて!私達、もう友達だよ?それに私の名前はミケだよ!」


私はとりあえずリンさんを落ち着かせた。


「ご、ごめんなさい。名前を間違えてごめんなさい。あと、友達、嬉しいな。嬉しくてごめんなさい。」


リンさんは"ごめんなさい"と言っているが、とても嬉しそうにしていた。

リンさんの笑顔はとても可愛い。


「それだよ!」


「えっ?ごめんなさい。」


私が大声で叫んで指差したらすぐ謝ってきた。


「謝らなくていいよ!リンさんって笑顔が素敵だよ?」


「えっ?私の笑顔?」


リンさんはキョトンとしていた。


「うん!あまり自分を責めないで、笑顔でいるといいと思うよ?」


私は本当にリンさんの笑顔が素敵だったので、アドバイスをしてみた。


「ほ、本当に?ごめんなさい、なんか私が素敵で・・・・。」


そう言ってリンさんは少し照れくさそうにしていた。またごめんなさいって言ってるし。


「その、ごめんなさいはどうにかならないの?」


「ごめんなさい、これは口癖みたいになっちゃって。何故か何をするにも自分が悪い事をしているみたいに思っちゃうんだ。」


リンさんは少しシュンと落ち込み答えた。


「自分に自信を持った方がいいよ。人生は楽しいことばかりだよ?」


私はリンさんにポジティブに生きるようにいうのだが、たぶんこの性格は治らないだろうなと少しは思っていた。


しかし、リンさんは最初会ったときよりも笑顔になっている。もしかしたら、これからポジティブに生きているかも?


「なんだが、元気になった気がする!ありがとう、タマちゃん。」


「うん!あと、ミケね。」

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