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猫はふて寝する  作者: 山神ゆうき
クルミちゃん救出大事件!
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48・怒る門番と突撃な猫

「ねぇ、シシミ。あの門番ってどのくらい強いの?」


私は歩きながらシシミに聞いてみた。シシミは何でも知っているので、とても頼りになる。


「そういえば、ミケミケの言っている門番とは誰ですか?門の向こうにいるのですか?」


「えっ?シシミ。外にある門は調べてないの?」


「はい。調べてないのです。だって!だって、窓から見えてるのです。外には!外には花壇と噴水と門しかないので面白くないのです。屋敷の中しか調べないのです。」


シシミは自信満々に答えた。

そっか、シシミでも知らないことがあるんだな。と思った今日この頃。


「おおー!これは!これはすごいですねぇ。」


私達は玄関から外に出た。そこには例の山、木に四季を現す花が咲いている木、緑の葉が生い茂る木、紅葉が綺麗な木、葉が落ち雪が枝に付いている木がランダムに植えてある山があったのだ。


それを初めて見たシシミと豚の勇者は驚きのあまり口をポカンと開けている。

そう、これはまだ序の口であった。この屋敷の裏側は・・・・。


「うっぎゃああああ!!」


これは豚の勇者の悲鳴である。そう、こちら側には、屋敷の部屋の窓からは見えない"影法師"が彷徨い不気味に「う~。う~。」とまるで相手を呪うかのように唸っているのだ。

恐怖のあまり、シシミと豚の勇者は花壇の影に隠れてしまった。私はというと、堂々と庭に仁王立ちで立っていた。


「ミケミケ!それは!それは何なのですか!?危険ですよ!早く!早く隠れてください。」


「こ、こんな変なやつらが屋敷の外にウヨウヨいたなんて、僕様は知らなかったぜ!」


事情を知らないシシミは私の心配を隠れながらしていた。豚の勇者も怯えている。


「大丈夫だよ!私は立派な猫だから、こんなのは怖くないもんね!」


私はこの影法師が無害なのは知っているので、それを良いことに自分は強いアピールをしていた。それよりも、豚の勇者も花壇の影に隠れていることに、とても心配になった。そう、これから会う門番は影法師と比べ物にならないくらいにおっかない存在なのだ。


「ミケミケ!後ろ危ないです!!」


「だから、平気だよ!だって私に何も・・・・。」


心配するシシミをよそに私は余裕を見せていたのだが、シシミが指を差す後ろを見てみると、一つの影法師が私を見ているかのように止まっていた。


「・・・・・・。」


私は影法師の意外な行動に固まってしまった。そう、私が影法師に色々と試したのは少しだったので未だに正確な情報がないのだ。


「ね・・・・こ・・・・。」


影法師は女性か男性か分からない低い声で確かにそう呟いた。


「みみゃあ!」


私は悲鳴を上げるが、体が恐怖のあまり動かない。影法師はしばらく私を見ていたが、そのあとすぐにまた彷徨いはじめた。


私はしばらく不審な動きをした影法師を目で見送っていた。


「ぜ、全然怖くないもん!」


私は少し震えながらシシミと豚の勇者の方を振り返り震え声で言う。


「なんだ?凄く怯えてるじゃねぇか!」


「お、怯えてないもん!」


私は強がりを貫き通すのであった。




ー(幕間)ー




いろいろとあったが、シシミは影法師に馴れ、未だに怯えている豚の勇者を二人で引きずりながらようやく門の約10メートルくらいまで辿り着いたのであった。


「よっしゃあ!さあ!張り切ってクルミとやらを助けようぜ!」


今回は門の近くには影法師はいないので、いきなり立ちあがりやる気満々の豚の勇者は自称聖剣を振り回してきた。

とても頼もしい豚の勇者と興味津々なシシミと私で門に近付いていく。


すると、門に数メートルまで来たときに前に見たときと同じで門の両側からドロンという音が似合いそうな煙が出て、牛と馬の門番が現れた。


「ぎゃああああ!!!」


「あわわわ!!」


門番を見た瞬間、豚の勇者は大きな悲鳴を上げ、泡を吹いて倒れてしまった。シシミも腰が抜けたのか、その場に座り込んでしまった。

結果、そこに平然と立っていたのは私だけになってしまった。


「なんだ?よく見たらあの時の猫じゃねぇか!なんか用か?」


牛の門番は私に気付くといつもの大きな声で話しかけてきた。


「ここをクルミちゃんが通ったんだよね?」


「クルミちゃん?ああ!あのリスの娘か!確かに、ここを通ったぞ!」


「じゃあ、私も通して!そして、クルミちゃんを助け出すの!」


私は門番に交渉してみた。豚の勇者とシシミが倒れてしまって私には勝ち目がないからだ。


「それは駄目だ!ここを通すことは許さん!」


馬の門番は武器を構えて言う。


「どうしてなの?なんで、クルミちゃんはよくて、私は駄目なの?」


「それは、お前がここを通るに条件を達てしないからだ!」


「条件ってなんなの?」


「それは、教えることは出来ない!」


馬の門番はとても口では勝てない。私は頬を膨らます。


「じゃあ、いいもん!勝手に通るからね!」


私は力強く言い、少し強引に歩き出した。


「ミ、ミケミケ~。や、やめておいた方がい、いいですよ。」


力なくシシミは後ろから声を今の精一杯振り絞り出す。

もちろん、クルミを助けたいと必死な私の耳には届かない。


「止まれ!」


牛の門番は大きな声を出し、武器を構える。門番は恐いので私は止まった。


「お前を通すわけにはいかん!さっさと下がれ!」


「いやだ!」


「いい加減にしろ!さもないと、本当に武器を降り下ろすからな!」


2人の門番は今にも武器を降り下ろそうとする。私はクルミちゃんを助けたい!しかし、足が震えてこれ以上は動くことができない。

私は悔しさのあまり涙を流した。


「待ってください!」


後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。


私が振り向くとそこには、メイド長の雲木(くもき) 昌和(まさわ)、メイド副長の引田(ひきだ) 妃実果(ひみか)佐次田(さしだ) 五月(さつき)鰯水(いわしみず) 宇美(うみ)と更に数名のメイドが武器を持って構えていた。

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