46・射手座の導きと集う仲間
前回の投稿で9万文字を突破しました。
まだまだ頑張りますので、応援よろしくお願いします。
「失礼しま~す。」
私は202号室のイテちゃんの部屋のドアを少し開けて頭だけ入れて部屋の中を見回した。
勝手にドアが開いたにも関わらず、部屋の中には誰もいなかった。私は不思議に思い、部屋の中にフラフラと入っていった。
「おやおや?誰も居ませんねぇ。なぜ!なぜ!ドアは勝手に開いたのでしょうかね?」
シシミもドアから頭だけを入れて中を見回して不思議そうにしていた。
私は誰か隠れているかと思い部屋に入ったが、誰も居ないことを確認して、人の部屋に勝手に入ったらいけないと思い出ようとした。
出ようとしたときにふと、テーブルに置いてある1枚の紙に目が止まる。見てはいけないと思ったが、なぜだかその紙から目が離せない。私はテーブルまで歩いていき、その紙を見る。
紙にはイテちゃんの名前で走り書きで文字が書いていた。
『人を大切に!
ライバルは競い会う仲間だ!勝負事では敵同士だが、勝負以外では助け合う!
友は支えあう仲間だ!自分がピンチの時は助けてもらい、友がピンチなら助けよう!
愛する者は一生の仲間だ!一番そばにいて助け合う!時には喧嘩を時には楽しく話し、成長していく!ちなみに私にはまだいない!
人は一人では何もできない!何もできないからこそ、仲間に助けてもらう!
匙田 いて』
私は驚いた。偶然と思うのだが、その走り書きはイテちゃんが私にアドバイスをしてくれてたような気がした。そう、私はここに来たばかりの時は一人だったが、今はいろんな住人と出会い、楽しい事とか怒ったりとかした。もちろん、クルミちゃんもその出会った住人の一人である。どうしても連れ戻したい。私は目を閉じ出会った住人達を思い出していた。
出会った住人達は私に手を貸してくれるだろうか。
「お供しますよ!」
後ろから優しく声をかけられて私は振り返る。
「私は戦力外ですが、ミケミケの!ミケミケの生き様を見届けることはできるのですよ!」
シシミは笑顔で答えた。シシミは『戦力外』と言ったが、今は側にいるだけでとても嬉しかった。
「ありがとう、シシミ!とても嬉しいよ!」
私は嬉しさのあまりシシミの右手を両手でとり、上下にブンブンと思いっきり振った。ん?“生き様”?それって私の死亡フラグ?
ー(幕間)ー
バタン!
私とシシミは廊下に出てイテちゃんの部屋のドアを閉めた。
シシミの提案で、まずは1階に居る住人を訪ねてみることにした。
「1階の住人でミケミケが出会った人は、マツリン、勇者様、エンリュさんの3人ですね!」
「そうだね。けど、ヒナちゃんは巻き込みたくないな。」
「そうですねぇ!マツリンは戦闘力はないのですよ!」
私は1階の住人で出会った人を確認していた。他にもたくさん住人は居るみたいなのだが、初対面の私がいきなり来て『力を貸して!』と言っても答えはノーなのは分かりきったことなので、知り合いを訪ねることにしたのだ。
今回はシシミとの話し合いで1階の住人で豚の勇者とエンリュくんを訪ねることにした。
私とシシミが廊下を歩いていると、エレベーターが2階で止まり、中からオオカミくんが出てきた。
私はドクン!という心臓の音と共に動きを止めてしまった。
オオカミくんのイメージは最初は恐いという感情しかなかった(あくまで個人の感想です)が、ミジャの恋のライバル認定やシシミの『オオカミさんが好きですよね!』とオオカミくんの話をするから、凄く私は今、オオカミくんのことを意識してしまっている。
「ミケミケ。今が!今がチャンスです!オオカミさんにも手を貸して貰いましょう!」
シシミがいきなり私の背中を押してくる。
「えっ?えっ?ちょっと待って!オオカミくんと私、話したことないよ!」
「何を言っているのですか!?両思いではないですか!」
私が訳が分からず混乱しているにも関わらず、シシミは私の背中をどんどん押していく。
私が足に力を入れて抵抗していたら、オオカミくんは私の方を全然見ないで反対方向に勢いよく走っていく。
そのいきなりの行動に私とシシミはポカンとしてしまった。オオカミさんが走っていった場所。それは213号室、クルミちゃんの部屋の前だった。
クルミちゃんの部屋のドアはは開けっ放しになっており、廊下から部屋の中が見える状態だ。
「うおおおおおおおお!!」
オオカミくんは部屋の中を見たとたん、悔しそうに大声をあげて、そして膝から崩れうつ伏せの状態になり大泣きをしていた。
私はそのオオカミくんの行動は分からなかったが、そういえばクルミちゃんとミカミちゃんもオオカミくんのことを知っていたことを思い出した。
クルミちゃんとはどのような関係か分からないが、オオカミくんもクルミちゃんが旅立ったことを悲しいと思っている。
「ミケミケ・・・・・。」
シシミは私の名を呼ぶが、私がオオカミくんの光景を見ている姿に次の言葉は出てこなかった。
私は励ましたりすることが苦手なのである。今のオオカミくんに声を掛けることができなかった。
「シシミ。行こっか。」
私は泣き崩れているオオカミくんをその場に残してエレベーターに乗り込んだのであった。
ー(幕間)ー
「う~ん。困ったね。」
「そうでした。この時間は見回りをしている時間でした。」
1階に付いた私達はまず、エレベーターの近くの部屋、豚の勇者の部屋を訪ねたのだが、豚の勇者は留守であった。
運が悪く、どうやら今は見回りをしており留守のようだ。
彼は兜や盾、剣(自称聖剣)を持っておるので、たぶん私の知っている住人の中では一番強いだろうと思ったのだが、肝心なときに居なかったのである。
ここで豚の勇者を待つという考えもあったのだが、早くクルミちゃんを助けたいと思ったので、残念ながら豚の勇者を仲間にするのは諦めたのであった。
次に私達が向かったのは101号室、エンリュくんが居る部屋だ。
エンリュくんは会って少ししか話していないが、何故かシシミがとても気に入っており会いたいらしいので寄ることにしたのだ。
トン!トン!トン!
「はーい!」
「「??」」
エンリュくんの部屋から女性の声が聞こえてきて、私とシシミは首を傾げるのであった。




