31・情報提供の猪と探す猫
ここから新章です。
ミジャの部屋から出た私とシシミ。
私は新しい友達というかライバルが出来たという喜びがあり、シシミは面白いネタをゲットしたという喜びでウキウキ気分で廊下を歩いていた。わずか10分くらいの出来事だったけど、数時間居たような気がする。
「まさか、シシミにはめられるとはねぇ」
私は横目でシシミを見る。
「まぁまぁ!いいじゃないですかー!私も!私も楽しかったし、ミケミケもでしょ?」
笑顔で私を見るシシミ。まぁ、確かに楽しかったけど・・・・。やっぱりなんか納得できない。
「では!では!仕方ないですね。あなたにとって良い情報を与えましょう」
そう言ってシシミは右手で拳を作り、「オッホン!」と咳払いをする。
「ミケミケの魔法少女同盟で一緒にしている、クルミちゃんとミカミちゃんの事はいろいろ知っていますか?」
シシミは人差し指を立てて私に聞いてきた。私は首を横に振る。
そうだ。仲良くなってあの2人とはよく遊んでいるが2人の事はあまり知らない。
「そうですか!では、まずは!まずは!ミカミちゃんの事から。ミカミちゃんは、な、なな、なんと!とても頭が良いのです!」
シシミは両手を腰にあて、威張って言う。
「その、頭の良さは!ダガダガダガダガダン!な、なんと!外国で飛び級をして、15歳でメイドになって2年間ここで働いている宇美さんと一緒なのです!!しかーし、この国には飛び級がないから、同じ頭の良さでも仮にミカミちゃんがメイドを目指していても20歳からになるでしょうー!」
そっか。そんなに頭が良かったのか。私はミカミちゃんだけではなく、宇美もすごく頭が良いことを初めて知った。
「続いて、クルミちゃんだが!ダガダガダガダガダン!あの!あの!屋敷三大美声の一人なんだよ!」
私はそこで首をかしげる。屋敷三大美声の一人?ってなんだ?っというか、初めて聞いた。
「もしかして!もしかして!ミケミケは三大美声の人達を知らないのですか?」
シシミは首をかしげて聞いてきたので、私はコクコクと頷く。
「そうですか!そーですか!ではでは!まだ、11時20分だし!三大美声の最後の一人に会いに行きましょう!」
そういうとシシミは私の右手首を掴んでペタペタと走り出した。私もグイグイ引っ張られるのでシシミについていく。
そして、エレベーターに乗り込んだ。相変わらずエレベーターの4階ボタンだけが手の届かない場所にあった。
「ねぇ、シシミ。この4階については何か知ってるの?」
私は駄目元でシシミに聞いてみた。
「実は!実は!私も知らないのですよ」
シシミはシュンとした感じで答える。
「しかし!しかーし!私の情報だと、4階は『黒階』と呼ばれているらしいなのです!私が知っているのはそれだけなのです」
人差し指を立てジト目で言うシシミ。
「黒階?」
私は不思議そうにその言葉を呟く。4階のボタンを再び見る。不気味な言葉に少し気分が悪くなってきた。
「とりあえず!私達の目的地は、な、なんと!1階です」
そう言ってシシミは1階のボタンを押す・・・・・、ハズが、勢いありすぎて2階を押してしまった。
「「・・・・・・」」
お互いに見つめ合って苦笑いをする。
気を取り直し、シシミは1階のボタンを押す。
「それでは!それでは!気を取り直していきましょー!」
シシミは右手をグーにして拳を掲げる。
少しして1階に到着した。
私達が廊下に出たときに“彼”はいた。茶髪のナチュラルパーマで白い服の13、4歳くらいの男の子である。左目は包帯(眼帯ではなく、両耳の上から左目の方だけ包帯をしている)をしており、両腕にも包帯を巻いている。手にはスケッチブックと黒の油性ペンを持っており、どこか遠くを見ていた。
「あっ!あっ!ああーー!!おサルさんです!おサルさんがいますよぉ!」
シシミは笑顔でサル(?)に向かって走っていく。
サルは私達の方を向き、とてもやる気のない目である。
「なー」
と、おサルさんは言ったのであった。
も、もしかして、このサルが屋敷三大美声の一人!?




