3・老婆と甘える猫
こんにちは。
今回は予定よりも少し投稿が遅れました。
私はその老婆の写真を1枚、見たことがある。
そう、それは私が小さい頃の話だ。
私の家は大家族ではなかった。住んでいたのは、私、兄、母、父、祖父だった。
あと、ペットがいた。まぁ、私は猫ですが、小さなペットを飼っていた。
私が兄とはしゃいで走り、和室に入ったときにその写真はあった。
白黒の写真で笑顔で写っている女性の写真が。
「ねぇ、お兄ちゃん。この人はだれ?」
兄「・・・・・」
「おばあちゃん?おばあちゃんはどこにいるの?」
兄「・・・・・・」
「“てんごく”?天国ってどこにあるの?」
兄「・・・・・・・・・・」
「そう」
当時の私はあまり意味がわからなかったが、今その“写真の女性”が目の前にいるのだ。
「おばあ・・・・ちゃん?」
私は恐る恐る老婆に聞いてみた。すると淡い色の小さな花たちがたくさん散りばめられた白いパジャマの白髪の老婆はニッコリと微笑んだ。
「おやぁ~、ケーちゃん。大きくなったねぇ。それもそうだよねぇ。ケーちゃんを最後に見たのは赤ちゃんのときだったからねぇ~。」
私の名前はミケ。どうやら下のケで私を呼ぶようだ。
「おばあちゃんはなんでここにいるの?」
「それはね。ケーちゃんの事が心配になったからだよ。まさか、こんなことになるなんてねぇ」
私には何を言っているのかさっぱりだった。しかし、お婆ちゃんはとても悲しそうな顔をして、私の頭をゆっくりと撫でる。
そして老婆はそっと私を抱きしめる。
「これから先もたくさん辛いことがあると思うけど、ケーちゃんなら大丈夫だよ」
私は温かく、そしてお婆ちゃんの優しい気持ちで涙が溢れてきた。
そしてお婆ちゃんは再び優しく頭を撫でてくれた。
そのあと私は長い時間、色んな事をお婆ちゃんに話した。楽しかったこと、嬉しかったこと、面白かったこと、そして・・・・・・・。
どのくらい時間が過ぎただろう、外は夕方になっていた。
「あらぁ、もうこんな時間かねぇ。そろそろ帰らないと」
お婆ちゃんは窓から外を見て、そう言ったあとに座っていた椅子から腰をあげる。
「あっ!本当だいつの間にか夕方になっているね」
私はベットに座ったまま窓の外を見て、そのあとお婆ちゃんを見送った。見送りといってもただベッドに座り、帰っていくお婆ちゃんを目で追っていっているだけである。お婆ちゃんはゆっくりと数歩歩き、ドアの前で止まり振り返ってこう言った。
「ミィちゃん。ケーちゃんの事をよろしくね」
私は自然と口が開いて
「みみゃあ~」
と無意識に鳴いた。
読んでいただきありがとうございます。
次は「番外編」を考えています。




