表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫はふて寝する  作者: 山神ゆうき
魔法少女と剣とお姫様
31/83

24・豚の勇者と猫の魔法少女

「勇者様ーーーーー!!!」


ペタ!ペタ!ペタ!ペタ!ペタ!ペタ!ペタ!ペタ!ドーン!


とうとうシシミは猪突猛進をしてしまった。


「うげっ!」


変な声を出して少し飛ばされ、右半身と床がくっつくように勇者様は倒れた。そして、呆然と立ち尽くしている私。私が想像していた勇者様とは全然違う。


「なんだ?なんだ?敵の奇襲か?」


驚いて辺りを見渡す豚の勇者。すると、近くにシシミがいることに気付く。


「おおー!お前はシシミだったな。どうした?また僕様の取材か?」


ぶつかってきたのが知り合いと思うと豚の勇者は安心して笑顔でシシミに近付く。


「いえいえいえ!今日は別用なのです!実は実はご紹介したい人がいるのです」


シシミは凄く笑顔だ。まぁ、お互い見回りをしている者同士が会うのだから、意気投合するか対立をするかしかない。どちらに転んでもシシミには面白いものだ。


「こちら!こちらはミケさんなのです!なんと!なななんと!この方は他の友達と魔法少女同盟(まほうしょうじょごっこ)をしており、屋敷の見回りをしているのです!」


という風に豚の勇者に私のことを紹介する。


「な、なんと!僕様の他にも見回りをしていた人がいるなんて・・・・。それにしても『ごっこ』とか。笑えるぜ!お前達は遊びで見回りをしているだろうが、僕様は本気で見回りをしているぜ!」


そういって豚の勇者はお腹をかかえて笑い出す。


「見回りは遊びじゃないもん!」


私はむきになり、豚の勇者にむかって言う。


「ちゃんと見回りには理由があるもん!そっちだって勇者ごっこじゃん!」


私はむきになり豚の勇者に悪いことを言う。私は本当はこんなことを言いたくなかった。けど、豚の勇者が私達の見回りを『遊び』と言ったことが嫌だった。


「な、なんだと!こっちは遊びじゃないんだ!勝手なことを言うなよ!」


豚の勇者もむきになり文句を言う。シシミは2人の板挟みになってしまった。しかし、嬉しそうだ。


「いやぁ~。喧嘩するほど仲がいいと言いますからねぇ~。2人の喧嘩はなんだか!なーんーだーかー!夫婦喧嘩みたいですねぇ!」


シシミは冷やかしてきた。


「夫婦じゃない!」

「夫婦じゃねぇ!」


私と豚の勇者は息ぴったりで返事をする。


「おやおや!息もぴったりじゃないですかぁ!」


更に冷やかすシシミ。私達はシシミを無視した。私と豚の勇者は睨み合っている。


「じゃあ、どちらが見回りをするか勝負するか?」


豚の勇者は剣と盾を持っている手に力を入れる。


「いいわ!勝負しましょう。あなたでは勝てないわ!」


私も決闘の宣戦布告をする。


次の瞬間!豚の勇者は勢いよく走ってきた。すでに勝負は始まっているようだ。


「待って!!」


私は豚の勇者に言う。すると、豚の勇者はピタッと止まった。


「なんだよ!?」


豚の勇者は期限悪そうに言う。私は話を続けた。


「魔法少女は私だけではないの。今度他の魔法少女も連れてくるから、その時でいい?」


私は豚の勇者に聞いてみた。しかし、悪い意味では『1対1じゃなく、3対1で戦う』と言っているようなものだ。そんな不利な条件を認めるはずはない。


「いいぜ!時間と場所はお前が決めろ!」


豚の勇者は不利な状況を承知の上で認めてくれた。


「じゃあ、決闘は明日の午後!14時からでいい?」


豚の勇者はとても優しかった(口は少し悪いけど)。私が出した条件や時間、場所を全て了承したのだ。


「じゃあ!それまで僕様は修業をする!では!」


そう言って豚の勇者はエレベーターに乗り帰っていった。


「絶対に負けないもんね!」


私はエレベーターにむかってアッカンベーをしたのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ