18・提案ごっこと言い合いする猫
「なんで見回りにしたの~?」
クルミちゃんは不思議そうに聞いてきた。
「それはね。恥ずかしながら、私の身内が廊下で乱闘をしてしまって、その上メイドさん同士の乱闘まであったから、今度からそんなことがないように屋敷の見回りをしようと思うんだ。2人とも、いいかな?」
私は恥ずかしそうにもじもじして、苦笑いを混ぜながら言う。
「す、すごいです。過去にあったことを参考にして提案するなんて。わ、わわ私も見てましたが、恐くてすぐに部屋に逃げました」
ミカミちゃんは感激の眼差しで私を見る。そのあと、シュンとして下を見てしまった。無理もない、何故ならメイド長とメイド副長が出会うのを見ると本能的に逃げてしまうらしいのだ。
「け、けど、わ、わわ、私はその現場に出会ってしまったら怯えて何もできないよぉ・・・・」
そのあとミカミちゃんは自信無さそうにして言う。
「大丈夫だよ~。そんなこと滅多にないしぃ」
クルミちゃんはミカミちゃんの頭をナデナデしながら言う。ミカミちゃんは「ふにゃあ~」と溶けたような感じになってる。
「あと、私事なんだけど、オオカミさんは何故か分からないけど危険な気がする」
私はいいことを言ったと言わんばかりにドヤ顔で言った。しかし、それは間違いだった。
クルミちゃんとミカミちゃんは顔を見合わせる。
「オオカミさんってあのオオカミの尻尾と耳がある人だよねぇ~?」
初めに口を開いたのはクルミちゃんだった。
「そうだよ」
私はクルミちゃんの質問に答える。
「オオカミくんはとても優しい人だよ~?」
再びクルミちゃんは口を開いた。
「そ、そうです。私もクルミちゃんもオオカミさんに会ったけど、と、と、とても優しかったです」
ミカミちゃんもクルミちゃんに賛成する。
「えっ?そうなの?けど、私にとってはとても恐いよ。オオカミさんを見てると胸の鼓動も高くなったりするの」
私は目を閉じ、右手を胸に当てて言う。
「で、でで、でもそれってこ・・・・」
ミカミちゃんは何かを言いかけたが、
「でも大丈夫だよ~。私が保証するよぉ~。オオカミくんは恐くない」
ミカミちゃんの言葉をさえぎってクルミちゃんは太鼓判を押す。
「そっか。そこまで言うなら・・・・・。じゃあ、今のところは屋敷の見回りだけにしよう!」
私が言ったことに2人は「「うん!」」と頷く。
「よーし!じゃあ、見回りに出発だー!」
私は元気よく赤いステッキを持っている手を天井に掲げる。
「「おー!」」
2人もステッキを持っている手を天井に掲げる。
そして私達は笑顔で走ってドアを開けてウキウキ気分で見回りを始めるのであった。




