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猫はふて寝する  作者: 山神ゆうき
屋敷での生活
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1・狼と小さな猫

こんにちは。

今回は少し長くなりました。

私は激怒した!激怒した理由は部屋から出られないからだ。


いきなりでなんの事か分からないと思うので、話を少し前に戻す。


私は何もやることがなかった。本棚には私の好きな本がたくさん並んでいる。しかし、今回は読書をするという気持ちではなかった。

しばらくやることもなく、部屋を何も考えずうろうろとしてみる。その後、思いっきりベッドにバスン!とダイブをした。そして、左右にゴロゴロと転がってみる。これが意外に面白かった。ただ楽しくなり勢いよくゴロゴロと転がると、私はベッドから落ちてしまった。


「あいたたた・・・・・」


私は自分の頭を撫でながら起き上がり、再び部屋をうろうろとする。


次に私は窓を開け、2階の窓から外を眺めていた。外は晴れていて、庭には大きな花壇があり、色とりどりの花と噴水などがある。そしてすごく広い。花壇や噴水がなかったら野球とサッカーを同時に出来そうなくらいの広さだ。少し表現力に欠けると思うが、私が広さを現せるのはこれが精一杯である。

例えばであるが、物の広さを現せるのにとある有名なドーム○個分という表現がある。しかし、私はその有名なドームを一度も見たことがないので、その表現では私みたいにあまりパッとしない人もいるので、却下することにした。


話が脱線したが、庭の遠くに塀が見え、その高さは数メートルある。塀の中央に大きな門があり、門より先は見えない。

先週メイドさんに1度外の事を聞いたが、門の向こうはお花畑が広がっておりその先には綺麗で透き通った川が流れているらしい(しかし、仮説でしかないらしい)。


ふと私は視線を遠くから斜め下の方へおとす。噴水と花壇の間、というか花壇よりの所に女性が座っていた。女性は肩までの黒いストレートヘアで服はどこかの学校の制服みたいだ。年齢は10代後半くらい。座り方は体育座りで両手で顔を隠していてシクシク泣いている。

私はその女性の事を知っているが思い出せない。その女性を見ているととても胸が苦しくなる。その気持ちはとても悲しいという感情だ。

私はそっと窓を閉めた。


私はその女性の事がすごく気になった。すごく気になったと同時に会いたくないという感情もあり、複雑な気持ちだ。しかし、この感情をスッキリさせるために庭で泣いている女性に会おうと決心をする。そして私は部屋を出ることにした。

私はドアをそっと開けた。すると目の前にはすごく大きな男性が立っていた。

男性の身長は170センチくらいだが、143センチしかない私からすればすごく大きく見えた。


彼の見た目はオオカミみたいだ。耳やシッポもオオカミみたいで、目付きは睨み付けるように鋭い。

服装は濃い青のジーパンに白い無地のTシャツとシンプルだ。髪の色は黒で、髪型は短く見苦しくない程度に綺麗に整えられている世間でいう正統派ショートだ。

私はオオカミくん(と名付けた)を見た瞬間とても恐いと思ってしまった。


私が怯えているとオオカミくんはいきなり自分の顔の近くまで手をあげて拳を作った。


「みみゃー!!!!」


まるで、某外国映画の男の子が泥棒二人組に会ったようなリアクションをして、そして何かされると思い私はドアを勢いよく閉じた。


(えっ?な、なんなの?さっきのオオカミ!何をしようとしたの?恐い!!)


私は心の中でいろいろ考えた。オオカミくんを見た瞬間、胸が痛くなり、体が熱くなるのを感じた。しかし、それと同時に哀しみと怒りがこみ上げても来た。結果、彼が何者なのか分からず、恐いというイメージだけついた。


「もう!あんなのが居たら廊下に出れないじゃない!」


私はオオカミくんの顔と握りこぶしと鋭い目付きを思い出し、自分の思い通りにいかなかったので頬を膨らませて激怒した!それが冒頭の出だしである。


いつもはあまり部屋から出ず、いろいろとやりたいことを見つけているのだが、今日に限っては外に出たいと思っていたので部屋に居ても何かをしたいとも思わなかった。

なので、私はふて寝をすることにした。


私はすごくイライラをしていたので勢いよくベッドに飛び乗りうつぶせになった。


(今日はこのまま寝てやる!)


私はそう思ったのだが、それは叶わなかった。私がそう思って数秒後、ドアが3回ノックされメイドさんが入ってきた。


「ミケちゃーん。診察の時間ですよー!」


私が目を閉じ寝る体勢に入った瞬間に、見た目若いメイドさんの可愛らしい声が部屋に響いた。


いい忘れていたが、私は体が弱い。1週間に1回医者に診てもらわないといけないのだ。いい忘れのついでに、今日がその日だということも忘れていた。

診察室まではメイドさんが持ってきたカートみたいなので運ばれる。高さは私の胸くらいだ。カートに乗るのは大変ではない。なぜなら、メイドさんが持ち上げて乗せてくれるからだ。


カートに乗り部屋を出ると数メートル離れた場所にオオカミくんがいた。

さっきの鋭い目付きはなんだか、切ない物を見るような目になっている。


「べぇー!!」


メイドさんに運ばれ、しばらく進んだあとに自分の安全がわかった瞬間、私は振り向きオオカミくんにあっかんべーをした。近くにメイドさんがいるからオオカミくんなんて恐くないもん!

庭の広さですが、すごく広いというアピールをしたかったのですが表現がわからず野球とサッカーで表現しました。

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