10・旅の商人と買い物する猫
皆さん、おはようございます。こんにちは。こんばんは。
今回から本編です。
私は部屋で読書をしていた。私の好きな小説の1つ『お花のお姫様』の5巻だ。この小説は何度も読みちょうど3回目の読み終わりだ。もちろん、5巻で完結ではない。
「話の続きが気になる。6巻はそろそろ出ているのになぁ」
部屋にある本は私が来たときには本棚に用意されていた。なのでどこで購入すればいいかわからない。仕方ないので私は散歩をすることにした。
部屋を出て、診察室の近くを散歩していた。特に何かある訳ではない。クルミちゃんも今は寝ている時間である。
「はぁ~。退屈だなぁ」
私は宛もなくぶらぶらしていた。
「どうも!ありがとうございました」
ガチャリ・・・・・バタン!
診察室から元気な女性の声と、ドアの開閉の音が聞こえたので診察室の方を見てみると、黒い中くらいのリュックを背中に担いでいる女性が診察室から出てきたところだった。彼女の年齢は見た目は若く見える。肩にはウサギが乗っている。
女性が振り返り私と目が合う。髪は黒いショートで右側の前髪の一部が跳ねている。黒い瞳がぱっちりの小柄な女性である。白い長ズボンに白黒の半袖の服を着ている。
「こんにちは。もしかして、ここの住人の方ですか?」
診察室から出てきた女性は私に気付くと、数歩私のところに歩み寄ってきて笑顔でいう。
「うん。私は211号室のミケだよ」
私は近くまで来た女性におどおどして答える。
「あら、ごめんなさい。自己紹介がまだでした。私は清珠。こっちは私の相方のアリディ。私達は世界中を廻っている旅の商人だよ」
清珠さんはウィンクをして言う。肩に乗っているアリディは「よろしく。」と言わんばかりに「ピキー!ピキー!」と言っている(ウサギってこんな鳴き方をするのかな?)。
「商人ってことは商品を売っているの?何があるの?」
私は興味津々で清珠さんに更に近づいて聞く。
「私は医療関係の道具、あと皆が外に出る用のサンダルを履いている、履いていない関係なく週に1回は取り替えてるよ。それと、私のリュックは魔法のリュック。なんでも入っているよ。ここの住人が欲しいという物も入っているのさ。あ!お金はここの主に請求するからお金はいらないよ」
清珠さんは指を折って数えながらそう答える。
「そうなの?じゃあ、『お花のお姫様』の新刊が欲しい」
と私は本当に何でも出せるのか半信半疑だけど、目を輝かせて言う。私の想像では清珠さんが呪文を唱えて自然とリュックから出ると思っていた。
「ちょっと待っててね」
清珠さんはリュックを降ろしてガサゴソと中を探し始める。
「あった!はい、これ!」
「ありがとう!」
清珠は『お花のお姫様』の6巻をリュックから取り出す。私は喜び、本を受けとる。本当に本が出てきたことに驚きながらも私はお礼を言った。
「じゃあ、私は他の住人のところに行くね」
「あっ!ちょっと待って!」
移動しようとした清珠さんを私は呼び止める。清珠さんは歩き始めた足を急に止めたので、肩に乗っていたアリディが落ちそうになった。
「ん?なんだい?」
清珠さんはきょとんとして私に聞く。
「図々しいかもなんだけど・・・・。実は、他に欲しいものがあって・・・・」
「なんだい?何でもいいよ。遠慮なく言ってね」
「えっとね。実は・・・・・」
私は申し訳なさそうに上目遣いで清珠さんに欲しい物とその理由を話した。一瞬きょとんとした清珠さんも時々頷きながら真剣に私の話を聞いてくれた。私も嬉しくなり笑顔で話した。
「なるほど!魔法少女同盟ねぇ。わかった!じゃあ、魔法のステッキのおもちゃとこれでいいんだね?」
納得した清珠さんは私が頼んだものを全部出してくれた。
「ありがとう」
私がお礼をいうと。
「いえいえ。ここの住人の頼みを聞くのも私の仕事だからね。では、今度こそ他の住人のところに行くね。」
「本当にいろいろお世話になりました。ありがとう」
「ふふっ。頑張ってね!小さな魔法少女さん」
そう言って手を振る清珠さん。私も「本当にありがとう。」と手を降りたいが、両手に荷物を持っているから見送るしか出来なかった。ん?肩に乗っているアリディも手を振っているような・・・・・。
私は荷物を置くためになんとかドアを苦労して開けて荷物をテーブルに置く。まだ、クルミちゃんは寝ている時間。今度会ったときに2人に渡そうと思い、『お花のお姫様』を読もうと思った。
「何度も読んだお花のお姫様の1巻から5巻。そして、私は今!6巻を読む!」
独り言を言い、私は6巻を天井に掲げる。そのあと自分の顔の近くに持っていき、ゆっくりと本を開こうとしたとき。
「なにしているの?」
私がびっくりして声のする方をみると、ジト目でドン引きをしていたメイドの五月がいた。み、見られていた!恥ずかしい。
「ミケちゃーん。診察の時間ですよー」
ドン引きをしていたのだが、すぐにいつもの感じで五月は私の名前を呼ぶ。あっ!診察の時間なのを忘れていた。
「はーい!」
私はメイドさんが用意したカートに乗り、診察室に向かうのであった。




