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大学の教室内。

一人で先に来た千鶴は、隅の席に座っていた。

ときおりちらちらと教室の出入り口を一瞥する。すると、やはりうなだれている瓏衣とその肩を叩いて励ます小太郎が入ってきた。

それを認識するや否や、千鶴は思わず首ごと出入口から視線を反らす。

少しの間があって、おそるおそるもう一度出入口の方を見ると、そこに二人の姿は無い。

と、思いきや、


「よっ。千鶴」

「ひゃっ!?」


驚いた千鶴は肩を揺らして目を向けると、そこには右手を頭の高さまで上げて笑みを浮かべる小太郎がいた。


「こ、小太郎くん…」


おどおどしながら、千鶴はちらりと小太郎の背後を一瞥する。


「心配しなくても、アイツとは今日は別行動だ。とりあえず、和解できるまでお前のボデーガードを任された次第だから、なんかあったら俺に言え」


お見通しらしい小太郎はおどけながらそう言うと、いつもなら瓏衣が座ったであろう隣の空席に自分の鞄を置いた。


「う、うん…。ありがとう…。ごめんね…」

「そう思うなら、とっとと仲直りしてくれや」


微笑みながら、左手で千鶴の頭をわしわしと乱雑に撫でまわす。


「うん。…私、勢い任せに瓏衣くんにすごく酷いこと言っちゃった…」

「あいつ相当キてたぜ?あのあとすぐに俺が通りかかったっぽかったけど、地面に這いつくばって灰になってた」


うっ、と千鶴が肩を揺らした。スマホを弄りだした小太郎の影から教室の反対側の隅に座っている瓏衣の様子を覗き見る。横長で八人ほどが座れる机に、瓏衣は一人突っ伏していた。

やっぱり自分の言ったことにショックを受けて沈んでるんだよねどうしよう早く謝らなきゃとおろおろ考える。


「お、あれは完全に寝る体勢だな。まあ眠いつってたしな…」


気まぐれにスマホから顔を上げるなり瓏衣の方を見た小太郎がぽそりと言うと、再びスマホに視線を戻す。


「……瓏衣くんのばか」


千鶴の片方の頬が膨れた。

やっぱり、今日一日は謝りたくないかもしれない。




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