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近代社会シリーズ

テンプレート・ブレイク~機械編~

作者: 潮路

「文明の進歩と人間の需要は反比例する」


 あなたは、機械、ロボット、アンドロイドに関してどういう印象を持つだろうか。


 無口。冷たい。硬い。高級。近未来的。完璧主義。理想的。ハイスペック。無機質。水に弱い。従順。


 色々と浮かぶものがあるはずだ。この印象の一つ一つを私は「属性」と呼んでいる。

 そういう「属性」が付けられているからには、必ず付けられるに至った理由が存在するはずである。


 完璧主義だったり理想的だったりするのは、元々機械というものが人間の補助をするもの…人間にできない部分を補完する目的で作られているからだろうか。

 従順なのは、ロボット三原則で「ヒトを傷つけることを禁じる」ことが指示されているからだろう。


 そういう説得力のある理由で付けられている属性も確かにある。


 しかし、概ねの場合、先入観だったり、経験がベースとなって属性が追加されることが多い。


 機械の材料が金属でメタリックカラーならば、硬いし冷たい色をしているだろう。

 自動車を買おうとして、その値段に驚いた経験が、機械に「高級」というイメージを付属しているのかもしれない。

 機械は血が通っていないから、人間の気持ちも分からず、あくまで冷徹に無差別攻撃をする。これは映画の影響もあるかもしれない。


 このように、私達は過去の経験や判断から、モノに対して「色眼鏡」をかけて「属性」を追加しがちである。このことが良いか悪いかはさて置くとして、私が伝えたいことというのは…


 近未来において、果たして機械の「属性」はそのまま維持されるのか…ということだ。



 機械だから失敗しないのか。

 機械だからヒトの気持ちはわからないのか。

 機械だから水に弱く、体は重く、セリフはすべてカタコトなのか。


 現代では新素材の発見、新技術の発見、新ジャンルの発掘と、一日ごとに文明は着実に進歩を続けている。


 意図的に失敗する(ドジを踏む)機械。

 人の気持ちを読み取り、その人の性格や知能レベルに合った「返し」をする機械。

 安価で軽量で、頑丈なのに柔らかい機械。

 人間よりも膨大なデータベースを使い、全く新しい発想をする機械。


 このような性質を持つ機械が、近い将来誕生してもおかしくはずだ。


 そうなれば、今までの機械の常識は変わる。

 機械の「属性」…いわばテンプレートが変わるだろう。

 小説内のアンドロイドやロボットは、今までよりもずっとフレキシブルで生物的に描かれる。メタリックカラーの機械は「旧世代」として区別されることになるだろう。


・・・


 人間は一体どうなるのだろう。

 発想力でも、行動力でも、体力でも、エコロジーの面でも、見てくれの面でも。人間は機械に抗うことができなくなるのだろうか。

 そうなったら、人間の「属性」はどうなるのだろうか。 


 傲慢。嫉妬。憤怒。怠惰。強欲。暴食。色欲。


 機械が人間に、「機械語」を教える時代がやってくるのかもしれない。 

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