夢の世界達
「ゴホゴホ」私はまた風邪になってしまった。「昨日なったところなのに…コホッ」私はベッドの中で体全体の力をなくしていた。解けてしまいそうなほどだった。
「これはあの薬の副作用かしら…」ハナは考え込んでいた。「それは早く言ってよ!ッゴホゴホゴホ」私は無理をしていたのかもしれない。自覚はなかったが、女子になってから何か変な気がしていたのだ。「これって…どのぐらい続くの…?」私は途切れ途切れ、聞いた。「一番長くても2日ほどかしら、でもゆっくりしていればもっと早く治ると思うわよ」「ふ、2日も…」私は考えただけで顔が青ざめた。
ダメだ… 私は精神的なダメージを食らい、気絶した。「え!?大丈…」消える寸前にハナの慌てている声が聞こえてきたが、最後まで聞き終わる前に意識を失ってしまった。
「ンーッ」私は気が付くと、誰もいない部屋にいた。「みんなどこに行ったんだろう」風邪が治ったのを感じ、喜んだ。
「あれ?」時計を見てみると、なぜか固まっていた。「おかしいな、壊れるなんて」だが、何かがおかしかった。
「静か…」周りで何一つ音が聞こえないのだった。車の音、人が歩く音、家の中を歩き回る足音など、何一つ聞こえなかった。「外では風も吹いていないの…?」葉っぱと葉っぱがこすれあう音も聞こえなかった。「これって本当に地球?」考えてみても答えは出てこないことを知っていたので考えることはとりあえず保留にした。
「これは…」部屋を出て歩き回るとわかった。
これは完全に何かがおかしい。 すべての時計は止まっていて、誰一人道を通らない。車はすべて止まっているし、一台も人が乗っていなかった。いつもなら百人以上見れる大通りでも誰一人とおていなかった。店は開いているが店員さんもいなくて、ただ電気がついているだけだった。
しかし、一番驚いたのはそこじゃない。ここには植物以外何も生き物がいないのだ。空には鳥1匹も飛んでいないし、地面にはアリ1匹いなかった。それを見て結論付けたのは「これってもしかして…ファンタシーワールド?」完全に外れている考えだった。
「とりあえず見て回ろうか」ちょうどいいと思い、街中を歩き回った。
「こ、ここは…」今立っているところは本屋さんの中だった。だが、中の『+18歳』の前だった。「入っていいのだろうか…でもまだ小4だしな…」考えた結論、止めることにした。【いま、自分の欲望に勝ったのであった】保留にしたのだった。【違った】
「とりあえずここに入るか」入ったのは洋服屋だった。「これは…まあ止めた方がいいか。」色々な服を試していると、あるノリに乗ってしまい、ついその店にあった女子用の服を着こなしてしまった。「フゥ、4時間もたっちゃった…」いつもの服に着替えると、今まで言ったことがなかった小道へ入っていった。「こ、これは…」そこにはマットが敷いていて、小銭の入ったボウルが置いてあった。「こ、これはまさか……ホームレス」誰もいないのになぜかお邪魔した気になってしまい、そこから出ていった。
歩き回っていると1つの店に目が入った。ゲームセンダーだ。「まあさあさすがにお金を持っていないからできるわけが…」冗談で歩き回っていると、
「できた」方法を見つけてしまった。そこら辺を歩いているとコインが大量に入ったバケツがおいてあった。それを拾い集め、使えばいいのだった。多分いくら使っても大丈夫だろう。「大丈夫だったけど…これはどうしたらいいのか…」自分の持っていたバケツが完全に埋まってしまった。何度も正解を引き、どんどんコインがたまってしまったのだ。しかし、使う方法がなかった。数が多すぎたからだ。「コインの使い道に困る事ってあるんだ…」少しおかしく思った。
「でもな…」あることが引っかかっていた。「これってどうやって出るんだ?多分これは夢…っていうかまずこれは夢なのか?」念のためにほっぺを捻ってみるといたかったので本当に夢だとわかった。
「ビルから飛び降りてみたりしたら出れたり――」あるビルの屋上まで登り、飛び降りてみた。普通なら死ぬかタダではすまないが、これは夢だ。痛みを感じない。地面に落ちた時、頭を打っただけで痛みどころか血も出なかった。「まあ夢だからそうなるよねー」他の方法を試そうと思ったが、その時頭の中をあることが通り抜けた。
もしもこれが夢でないのなら?本当の世界なら?もしも本当に死ぬことができてしまうのなら?ここは現実世界なのでは?
なのでリスクを取ることはやめた。「それなら一体どうやって出たら――」「お姉ちゃん」後ろから誰かの声がした。聞き覚えのあるこえだ。「ホノカ!」後ろを見ると、ホノカが立っていた。「お姉ちゃん!」抱っこしようとしたとき、目の前に手が出てきた。「ドラマチックなところで失礼するけどいくらここでもチョットするのはここから出てからでいいと思うよ」「マリナ!皆もどうしてここにいるの?」どうやら2人もどうしてここにいるのかを分かっていなかった。「でももしかしたら夢がつながったんじゃないかな」マリナが案を出した。「どういうこと?」「もしかしたらこの世に何かのゆがみができて私たちの夢がつながったとか。でも記憶に存在しないところまであるってことはおかしいわね」そうだ。僕は今日、今までで始めてみたものもあった。そんなものはありえない。普通なら自分の記憶から引き出すはずだ。本当のレプリカを作るなら。しかし、これは本当のレプリカを作り、僕たちの記憶にない物まで取り出している。とても興味深いことだ。
「とりあえずここから出る方法を考えよう」僕は周りを見た。「それなら私たちが行ったことのない場所へ行けばいいのでは?」さっきまで黙っていたホノカが提案した。「まあ試してみるか」僕たちはずっと大通りを歩き続けた。数数百メートル進むと、ある変化が起きた。周りの色がだんだん薄くなり始めたのだ。「これは効果がありそうね!」僕たちは走り出した。周りは完全に薄くなり、動いているのかもわからなくなった時、僕たちの体も色をなくし始めた。「このまま…わ!」突然下に落ち始めた。風の抵抗で分かった。まるでスカイダイビングをしているような感触だ。しかし、パラシュートの入ったバッグを背中につけていないだけだ。僕たちは落ち続けた。何分も何分も。
ちょうど一生落ち続けるのだろうかと疑った時に変化が起こった。周りが宇宙色に変わったのだ。真っ暗な宇宙の色に。「こ、これは…」遠くには戸があった。「水の中にいるかのようだ…泳げる」僕は手で漕げばすいすいと空中を泳げた。これは本当に夢なのかと疑ったほどだ。他には何もなかったので僕はその途へ向かった。「入ってみるか」僕は2人を呼んでその中に入った。
「わぁ…!」僕はその中に入り、目を丸くして周辺を眺めた。その場はまるで夢のようだった。空には宇宙が見え、地面はトランポリンのように跳ねることができた。気はすべてブロッコリーで、草はほうれん草や小松菜があった。もやしは死んだ草を再現しているのだろう。家は完全にお菓子の家だった。他には人も生き物もいそうになかったが、跳ねながらそこら中へ跳ねまわった。「それじゃあまた…」僕たちは扉のほうに振り返った。「帰ろう…か!?」僕は目を丸くした。そこにあったはずのドアが完全に消えたのだ。跡形もなく。「あ、あれ?」僕は跳ねるのをやめた。「これって…結構やばい状態な気がするんだけど…」ホノカは今の状況を理解していなかった。「何がですか?」僕はホノカのことを気が付かずに周りを見ていた。もちろなせっていた。だが、焦っているだけだは何一つ解決しないということぐらいわかっていた。
いくら遠くを見ても食べ物しかない。地面を見ても食べ物。空を見ても、おいしそうな綿菓子がたくさん浮いていた。僕は一瞬浮いている綿菓子に見とれてしまった。変な意味ではない。ただ、おなかがすいていただけだ。
「そういえばマリナはどこに行ったんだ?」僕は周辺を見渡した。「あ、いた」彼女は遠くで食べまくっていた。「あいつ…絶対今の状況を把握していないな」その時、横で立っているホノカを見た。「まあホノカもそうか」どうやら今が大変な事態だということは僕しかわかっていないようだ。とりあえず歩き回った。「っていうかこれってすべて食べ物なんだよね、ってことは下に掘ったらどうなるんだろう」試しにという気分で下に掘ってみるとどんどん下に掘り進むことができた。食べ物だから当たり前だ。人間が噛める物は肉などじゃなかったら簡単にちぎれる。
「こ、これは…」僕は一番下にある壁を見た。チョコレートの板で作られた壁を。チョコレートの板は意外と肝がんに請われる。だが、後ろにものがあってど真ん中を小さな手で殴っただけではびくともしない。「ここから下には行けないということか…」僕は斜めに掘ってきたため、外に出るのは結構簡単だった。「とりあえずほかの方法を考えるか」僕は無理やりマリナを引きずり歩き出した。地面が柔らかかったから意外と引きずるのも簡単だった。「ここら辺から外に出ることはできるかな」僕は一部の壁を見た。とても大きな壁で、回れば壁がそこにもあった。箱のようだ。「んまあ、壊せないのは予想内だけど」ちょうどその時、マリナが突っ込んできた。「私にやらせて」彼女はまるでなんでも食べるリスのようだった。あっという間に穴が開き、僕たちは中に入った。「なぜここの中には光が入らないんだろう」その中には光が入らなかった。なぜかは分からないが、それは誰から見てもわかる。猫のように暗闇でも見える人間が存在したとしたら違うかもしれないが。今はそんな人間は発見されていない。と思う。
すると、後ろで壁が修復された。「!?」慌てて逃げ出そうとしたが、壁にぶつかっただけでもう出口がなかった。「どうしよう…」僕はしゃがみこんだ。何一つ見えなかったら何もできない。
「それならこの夢、覚ます?」ホノカはおかしなことを口にした。
「いやいやいや、そんなことできるの?」マリナが首をかしげる状態を想像できた。
彼女はうなずき、壁に歩いて行った。「これを壊せばいい」僕は首を振った。
「さっきも試したけど壁は固すぎて壊れなかったよ」彼女の歩く音が聞こえた。
「この壁はさっきまでは食べて壊せました。でも今では固いです。多分ほかのものになったのだと私は思います」
彼女は僕のところに戻ってきた。「でも、もし変わっていないのならば反対側に壁ができた、あるいは…」彼女が地面をけったのが感じ取れた。
「?」僕はとりあえず空を見上げた。多分そっちにいるだろうと思ったからだ。
それから零点数秒後、空から光が照らされた。「地面の中に埋まったということ」
その光はどんどん明るくなり、目がくらんだ。
気が付くと、私は自分のベッドで起き上がった。
横にはホノカがまだ寝ていた。
「あれは本当に夢だったのかな。まあ夢か。あんな世界があるわけないしね」
私はそっとベッドから出て、学校の支度した。
「フー、そろそろ起こしたほうがいいかな」
私はホノカを起こしに行った。部屋に行くと、ホノカはまだすやすやと寝ていた。
「ホノカ、朝だぞ」ホノカを起こそうとして近くに行くと、何かをつぶやいていた。
「キャ…ディ…」何を言っているのかわからなかったが、彼女の肩をゆすろうと手を出した。
と、その時、
ドサッ ホノカが私に飛び込んできて、顔をなめようとした。今回は何を言っているのかはっきり分かった。
「キャンディ」どうやら彼女はまだあの世界に残っていたようだ。「ホノカ、起きろよ」
彼女は起きた。起きたのだが、今度は違う問題が起きた。まるで猫のように私の膝でゴロゴロとし始めた
「いったいどうしたらいいんだ?お母さーん」私は一番簡単な方法だと思い、お母さんを読んだ。
「ふむふむ、わかったわ。この母親がどうにかしましょう!」お母さんはそういい、突っ走っていった。
「お母さんってこんなにはしゃぐんだっけ?普通。しかも走ってるし」
すると、向こうから声が聞こえてきた。「ホノカー、メロンパンよー」
まるで地獄耳だ。遠くの声が聞こえるし、いいことだけ聞き入れて気に入らないことは聞こえなかったふりをしてるし
彼女はその言葉を聞いたとたんに私の膝から飛びのき、走っていった。4本足で。「いったいどこで猫マネをおぼえたのやら…というかそのメロンパン、私のだよ!」私もあわててホノカの背後で追いかけた。
「いくらお兄ちゃんだからってこれだけは譲れません」彼女は袋を引っ張った。
「これは僕が大事に残していたやつだ」私も袋を引っ張った。
すると、袋が真っ二つに破け、めろんぱんが地面に落ちた。しかも、そのメロンパンはなぜか粉々になった。
「あぁ…」ホノカと私は地面にへばたった。「メロンパンが…」
そこへ姉が歩いてきた。「いったい何が起きてるの?騒がしいけど。メロンパン?私のを半分にして食べれば?」
私とホノカは半分のメロンパンを食べた。「う…」私たちは地面にうずくまった。「これって…」私は袋を見た。
『消費期限:2022年4月6日』
「2日前に…消費期限が…切れてる…」彼女はその袋を見てため息をついた。
「そりゃそうでしょ、これは3しゅうかにじょうもまえにかったものなんだから」彼女はすらりと言った。