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拾った女の子は常識知らず  作者: 上鍵心之輔
6/12

女子になった気分

それからはそこまでおかしなことはなかった。ただ数十万円ほど使っちゃっただけだ。しかし、ただお金持ちなのかあほなのかわからないが、彼女は約64万円ほど使った。ただの買い物で。しかし、ホノカはあることに気が付いた。

「私のジャンバーが…消えた」彼女の顔は真っ青だった。「え、マジで!?」僕は彼女の方を見た。彼女のジャンバーは黒く、服と同じだったので僕も気づくことがなかったのだ。「多分さっき着せ替えの時にクローゼットで残しちゃったかも…」彼女はいったいどうしたらいいのかわかっていなく、半泣きになっていた。「ま、まあまた買えばいいから…」僕は焦り、彼女を落ち着変えようとした。

「は…はい…」彼女はやっと落ち着き、涙をぬぐった。「それじゃあ買いに行こう!」彼女はそういい、出ていこうとしたが、ある問題があった。「もう今日はもうこりごり…」僕はそう言い残し、自分の部屋に入っていった。「…まあ買い物は明日の夕方にするか。お邪魔しました」マリナは出ていき、家が静かになった。お母さんはどこかに出かけていて、赤い夕陽の空ではカラスが鳴いていた。

「彼女のジャンバーはいったいどこに行ったのやら…」僕はあの買い物を思い出そうとしたが、全くいい情報を思い出すことができなかった。「取ら言えず僕たちも寝ようか」僕は着替え、彼女が着替えるのを待っていたが、なかなか来なかった。どうしたのかと思い、見てみると彼女はさっきまでいた場所でうずくまっていたのだった。「大丈夫だから、ね」僕は彼女を覗き込んだ。「いえ…私は立ち直りました。ただ…」彼女の顔はある方向をじっと見ていた。「あそこの蜘蛛とにらめっこをしていたところです」僕は固まった。「蜘蛛と…にらめっこ?」そっちを見ると、そこにはじっとしている蜘蛛が天井からぶら下がっていた。「た、確かににらめっこをしているような…」蜘蛛の方はそんな気なのかわからないが、とても面白く思えた。「ハハハ、ホノカって面白いね、蜘蛛とにらめっこをしているっていう発想をするのは」しかし、彼女は全く反応しなかった。「今は集中しています」彼女は見ただけでもそういっていることが分かった。「ま、まあ終わったら来てね」僕はそれだけを言い残し、自分のベッドまで戻っていった。ちょっと爪痛いと思う人がいるかもしれないが、あの状況でいったい何を話したらいいんだーっての。


それから20秒もかからないうちに彼女がしょんぼりと戻ってきた。「にらめっこはどっちが勝った?」僕は興味に負けて聞いてみた。「私が…勝ちました…」彼女は勝ったのにそこまで喜んでいなかった。「戦いが…お母様にさせぎられました…」僕は想像した。

そういえばお母さんは虫が嫌いだったよね。でも蜘蛛は虫じゃないし… そう。蜘蛛が昆虫だといっている者はバカバカの大カバだ。昆虫は3つのパーツに分けられ、足が6本あるというのが昆虫の条件だ。しかし、蜘蛛は8本ある。蜘蛛は何と動物なのだ。これを知ったときはひっくり返った。と言ってもバランスを崩しそうになっただけだけど。

「ということはお母さんが払ったってこと?」僕は一番予想できそうな考えを出した。「いえ、ただ…お母様が返ってきたときに逃げていってしまって…」僕はもう一つ思い出した。お母さんは別に嫌っていないが、蜘蛛はお母さんをとても嫌っているらしい。考えるにして、お母さんが使っている香水が問題かもしれない。まあ蜘蛛に鼻があるかは知らないが。

「ということはお母さんが帰ってきて蜘蛛が逃げていったからしょんぼりとしているってこと?」しかし、彼女は首を横に振った。「まだお兄ちゃんにお休みのキスをしてもらっていないから」彼女はおかしなことを言った。「そ、それはいったい誰から――」彼女にそう聞くと、後ろからお母さんが出てきた。「私よ」お母さんはニッコリと笑ったが、僕は一瞬悟った。「やっぱりか」と。

「まあ、とりあえず寝なさい」「いや、寝ようとしていたから」僕はベッドの奥に寄った。ホノカが入るためだ。お母さんはある言葉を言い残して出ていった。

「それと、明日はハナが返ってくるからね」僕は驚き飛びのいた。「は!?初耳なんですけど」花というのは姉の名前だ。ずっと遠くに住んでいたはずの姉…ある問題のある姉。

僕はとりあえずそのことを忘れて寝た。その横にはホノカが寝ていた。何かいつもより近い気がしたけど気のせいか…


次の日起きると、何か変な気がした。自分の髪が長くなったような…しかし、気にせずホノカを起こそうとして声を出すと、「ホノ…カ」いつもより高い声だった。「また風でも引いたかな…」僕は頭に手を置いたが、何もおかしくは感じなかった。「声変わり?それにしては高くなるっておかしい気がするけど」僕はとりあえずベッドから降り、風呂に入ろうとそとへでた。しかし、鏡の前を通ったとき…

「誰?僕?え!?えー!?」僕はどうやら気が付くと髪が長くなり、完全に女子っぽくなっていた。「ハーナー!」僕は客室へと突っ込んだ。そこには思った通り、僕の姉が机に膝をついていた。「本当に薬が効いたんだー、キャー、カッワイー」彼女は僕に近寄ってきた。僕の姉はもう一つ面倒なことがある。それは彼女が薬学者だということだ。「カッワイ―とかどうでもいい、今すぐ戻して!」しかし、彼女は突然おどおどとし始めた。「えーっとー…実はー、元に戻す薬がないの…」「僕はハナの実験台か―!」僕は彼女に突っ込んだが、相撲取りだと彼女に負ける。僕は宙がえりをさせられた。

ドスッ 「ぐえ…」僕は腹から地面にたたきつけられた。「まあ大体1週間ほどで切れるからそれまで女性の…じゃなくて女子の体を楽しめば?」僕は考えてから答えた。「あー、そういうことねー、男子を一目ぼれ刺したり女子と遊んだり~」僕が色々と案を出していたが、すべて姉が考えていたのとは違った。「あの…そういう意味では…」彼女は僕がずっと話しているので何かを言うことができなかった。僕は彼女にはトークで勝つことができる。今まででもそうだった。

「まあ、とりあえずホノカの服を買いに…」僕が自分の服に着替えようとしたとき、彼女は僕の肩をつかんできた。「ホノカって誰ー、まさか彼女?」僕は彼女をボケーッと見た。「だからお母さんが言ってたでしょ、僕が拾った女の子のこと」彼女は完全にこういうことには記憶音痴だった。「そうだっけ?」僕は首をぶんぶんと縦に振った。

「それでは僕は…」着替えを続けようとしたとき、彼女は僕の両手をつかんできた。「せっかく女子になったんだから楽しまないとねー」彼女は完全にくるっていた。彼女は女子の服を持っていた。「イヤ――!」僕は無理やり脱走しようとしたが、彼女の引力と不気味な説得力に負け、結果、来てしまった。女子の服を。

「うぅぅ…」僕は自分のひらひらな長スカートを揺らしながらしょんぼりとしていた。「キャー、可愛ー」彼女は僕の写真をパシャパシャととり始めた。「あ、ちょ!」僕は慌てて顔を隠したが、彼女はもう何枚も僕の写真を手にしていた。「それじゃあ神も結ぶよー」彼女は神業で僕の髪を三つ編みにした。「髪が長いとやりやすいわね」彼女は満足していたが、僕は彼女が見えなくなったら三つ編みを解こうと思っていた。

ちょうどその時、ホノカが起きてきた。「おはようございます…誰ですか?」彼女は寝ぼけた顔で僕たちの方へ歩いてきた。「彼女が姉で…」僕は彼女を見て思い出した。

そういえば僕、体の見た目が変わったんだっけ、これはいったいどうやって説明したら… だが、彼女は僕の方を見てにっこりと笑った。「本当に女の子になったのですね、お兄ちゃん」僕は「へ?」と彼女を茫然と見た。「どうして知ってるの?」僕は完全に茫然としていた。「だって、お姉ちゃんに薬を口…」そこまで言うと、姉が口を封じさした。「ムー」彼女は何かを言っているが、全く分からなかった。

しかし、僕はパズルを解くのが得意だ。これは考えれば簡単に「だってお姉ちゃんに薬を口に入れろって言われたから…」と言おうとしたのに違いなかった。だからあれほど近かったのか…ってそんなことどうでもいいわい!「ハナー、少し説明が必要みたいだねー」僕は女子になったとしても性格は変わらなかった。

変わらなかった。「可愛いと思います」彼女がそう言った途端に僕は考えた。これも意外といいかもしれないと。「とりあえずハナ、説明してくれるかなー」僕はじろりと姉を見た。「はい…」彼女は正座座りにしょんぼりとなった。


「でもな…この格好で出ると言ったら…気苦しいな…」僕は鏡で自分を見ながらため息をついた。「まあ仕方ないか、」僕は靴を履き、10万円手にした。玄関のある小さな戸の反対側にはいつも10万円が入っている。もしも泥棒が入ってきたらフリーマニーだ。

「とりあえず出ようか」僕は彼女と一緒に外へ出た。夏になり始めたからよかったものの、もしも冬だったら彼女は寒かっただろう。彼女はジャンバーを持っていなかったから。ちょうど外に出たところでマリナに出会った。「待って…た…よ…まさか彼女?どこかで見たことがある気がするけど…」「いや、僕だよ!」僕は素早く突っ込みを入れた。「僕って…誰?」彼女は完全にボケていた。「ヒカルだよ!ハナの実験台にされただけだ!」彼女はやっとわかった。「でも女子になれるとはねー、しかも可愛いねー」僕はそれをからかいとして受け取った。

「それで、どうしているんだ?こんな朝早くから」彼女は突然僕潟を揺らし始めた。「せっかく女の子なんだから話し方も変えないと」「どうして?」僕は首をかしげた。「だって女子なんだし。ね、ホノカちゃん」彼女はホノカを見た。「うん」ホノカは軽くうなずくと、期待した目で僕を見てきた。「ゥ…」なぜかホノカにこんな目で頼まれたら断れなかった。「分かった。試す…ね」僕は話し方を変えざるを得なかった。「とりあえず買い物へレッツゴー」彼女はノリノリで走っていった。「ちょ待ってよ」僕は慌てて追いかけようとしたが、走りにくくて歩くことにした。

「のんびり歩いていきましょうか…」僕はよくアニメを見ていたので話し方は分かっていた。ただ、少し変な気分というだけだ。「はい」彼女は僕にくっついてきた。今は女子だから引っ付かれるのは他の人から見て少しおかしい気がするけど…気のせいか。


広場にたどり着くと、真っ先に彼女の服を買った場所へと入った。「いらっしゃい、どういうものが欲しいかね?」前と同じおじさんが立っていた。しかし、僕は見た目がとても変わったので彼は気が付かなかった。「ジャンバーを探していて、何かいいものはありますか?」僕はホノカのために買うつもりだったが、彼は女性を呼んだ。「彼女がジャンバーを探しているらしいのだけれども…」彼は何かを言ってからカウンターへと言った。どうやらそこで誰かが待っていたので任せたのだろう。

「それじゃあまずは測らせてもらいますねー」彼女はメジャーをもって私の方へと歩いてきた。「ヘ?あえ?」僕はポカーンとした。「いやあのー…」僕は彼女に話しかけようとしたが、どんどん話しを進められた。

「これはどうでしょうか?」彼女は僕が何かを言おうとしたのも耳に入れずに着替えをし、鏡の前に立たせた。「これが…私…」僕は言葉を選びながら言った。目の前には学校にいそうな女子が経っていた。僕に似ていたが、女子ということは変わらなかった。髪は長く、目も女子っぽくなっている。これは言葉で表せないものだ。

僕は自分に少しの間見とれていた。女子ってこんな風なんだな。 私は360度回った。でも…私は自分のスカートを見て思った。「ちょっと短すぎかも…」ミニスカートはいつパンツが見えてもおかしくないほど身近か息がした。「ミニスカートはお気に召しませんでしたか?それならこれを試してみてください」私は完全にホノカのジャンバーのことを忘れ、ドレスアップに夢中だた。これってあの薬の所為かな?


私はすっきりすると、店を出て帰り始めた。「そういえば何をしにって…あ!」私は慌てて3人で戻った。ホノカのジャンバーを買いに来たことを思い出したからだ。


「ありがとうございます、お兄ちゃん」ジャンバーは黒いのがなかった。色々見たが、結局白いのを選んだ。あらかじめ見てみると黒の上に白というのは意外ときれいなものだ。しかし、問題があった。それは、これが1万円かかったということだ。「普通こんなに高いなんておかしいでしょ…」あの人にすすめられたので決めてしまったが、今考えてみると高くも感じた。

「まあとりあえず買えたんだし、私はこれでさよならをさせてもらうわ」私は走っていった。フルスピードで。「本当に速い」もう一つ、問題があった。「お兄ちゃ…お姉ちゃんも服を買ったのですね」私の心が跳ね上がった。「お、お姉ちゃん…」私の顔から湯気がもやもやと出ている気がした。「お姉ちゃんなんて言われる日が来るなんて…」私はハイテンションで家に帰った。

だが…

「おかえりー♪初めての買い物はどうだった―?」姉が飛び込んできたので私はひらりとよけ、私もこけた。「いたたた…」私は頭を抱えたまま地面にうずくまっていた。「というか買い物は初めてじゃないし!」私は姉に突っ込みを入れた。「いや、女子になってからの話」私はハッとした。「色々大変…」「あー、なるほどー」彼女は「分かる―」と、私を見てきた。「というか戻してよ!」「だから1週間待たないと戻れないんだって!」もめごともあったが、一応家族なので少しすると仲直りした。

「地獄を知りたいか」ベッドでごろごろとしているとき、突然前に閻魔大王様が出てきた。「別にどうでもいいけど」私は全く驚かなかった。正体を知っていたからだ。「んもー!ちょっとぐらい驚いたりしてよー!」姉だった。「別に怖くないし。驚いても意味がないでしょ」私はベッドから降り、部屋を出ていった。

「んもー!」後ろから姉の声が響いてきた。「うるさい!」近所の人が窓から起こってきた。「す、すみません…」私は誤っている姉を見てニヤニヤとしていた。「これから…わ!」突然ホノカが突っ込んできた。

ドスッ

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