ホノカとの学校1日目
「どういうことかな」僕は信じることができなかったが、彼女の推しに負け、拾うことしかできなくなってしまった。お母さんなら拒否してくれるかっと思って家に帰ってみると…
「あら、可愛い子ね、え?拾ってほしいって言ってるですって?いいじゃないの。世話を頑張りなさいね」僕はあることを思い出した。
そういえば…お母さんもおかしいんだった。前だって子犬が来た時何の不思議もなく餌をあげたんだよね。そのせいでお母さんになついちゃって。まあそれからすぐに持ち主が来たからよかったけど。 僕は2人にまで言われ、挫けてしまった。「とりあえず汚れてるから洗わないとね。それじゃあこっちに来てね、洗ってあげるから」お母さんが誘ったが、彼女は僕の袖を素早くつかんで離さなかった。「お兄ちゃんにしてもらいたい」僕はきょとんとした。「お、お兄ちゃん?」僕は少しの間拒否したが、彼女がねだってきてあまりにも可愛かったため、可愛さに負けてしまった。
「とりあえずこれでも着て」彼女が脱ぎだしたのであわてて僕の下着を渡した。僕より彼女の方が小さかったので体は隠すことができるだろう。「お願いします」彼女はシャワー室にあった椅子に座って僕に髪を突きつけてきた。髪を洗ってもらいたいのだろう。「それじゃあ…」僕はまずはシャワーの水で彼女の髪を洗い流した。洗い流すと、次はシャンプのついた串でぐちゃぐちゃになっている髪を研ぎ始めた。髪をまっすぐ戻すのはとても時間がかかった。しかし、直している間にシャンプで髪もきれいになり、とてもかわいくなったと思う。
「でも服はいったいどうしようか…別にいいのはないし」そう考えていると、お母さんが戸を開けた。「それなら買いに行けばいいじゃないの」僕はびっくりして椅子から飛びのいた。「びっくりした、驚かさないでよ」僕は怒ったが、それはいい考えだとも思った。「でも出るときに彼女を1人にするのは止めた方いいと思うえどどうしたらいいのやら…」すると、迷いもなくお母さんは提案を出した。「それならヒカルの服を貸したらいいんじゃないの?」僕は一瞬びっくりしたが、それ以外方法がなさそうだったので賛成せざるを得なかった。「これでいいかな」僕が選んだのは黒い半ズボン、なぜか持っていたピンクのTシャツ、僕の小さくなって閉まっていた黒い靴、僕が小さくなって着なくなった水色のジャンバーだ。彼女には僕が小さくなって着なくなった服がぴったりだった。
「それじゃあ行こうか」僕はお母さんに言ったが、僕と一緒に行くことになった人は…彼女と5万円札だった。お母さんから聞いたことは女の子がきれいな服を好むということだ。なので、彼女の服のために何と5万円を渡され、お母さんは用があって行けないといわれた。しかし、僕からしたら彼女と2人っきりになれと言っているのと同然だ。
僕は全く女の子のセンスのことは分からないので僕の友達に聞こうと思った。「もしもーし」僕は彼女に電話をかけた。「ん?どうしたの?」向こうが応答してくれて嬉しいと思った。「ちょっと家に来てくれる?」彼女は一瞬で「了解」と言い、それから5分もかからないうちに家まできた。自転車で。「え?何で自転車?」しかし、彼女は答えずにどうしたと聞いてきた。「ちょっと彼女のことで…」僕は横でじっとしている彼女を見た。「え?まさか妹?可愛いい」彼女はかなり驚いていた。勿論だろう。友達に妹がいたとか聞くとびっくりするだろう。「い、いや…」だまそうとしたが、だます前にそこを突かれた。「まあいてもおかしくないわよね」こういわれると、その考えを変えることはほぼ不可能だ。「まあそういうことでいいよ」僕は面倒なので仕方なくそういうことにしといた。だが、僕が自転車に乗ろうとすると、あることに気が付いた。彼女が僕の袖を持ったまま離さないのだ。これじゃあ自転車に乗ることができなかった。「しかない」僕はまた、仕方なく歩いていくことにした。「ごめんね、歩かせてしまって」彼女は気にしていないらしい。「大丈夫よ。それよりとてもなついているのね。名前はなんていうの?」僕はぎくりと驚いた。
そういえば名前決めてなかった… 「穂香です…」彼女は自分の名前を持っていたのだ。「可愛い名前ねー」彼女はホノカをじろじろと見た。「それより着いたぞ」僕はとりあえず話をそらすことに手を入れた。彼女は話し出すとなかなか話を終わらせないのだ。前にそれで1時間半も話された。商店街で買い物はすますことにした。ここには服屋さんが沢山あるだからだ。「とりあえず入ってみるか」1つの店に入ると、数えきれないほどの服がハンガーにかかっていた。「いったいどれにしたら…ねえ、どれがいいと思う?」彼女は1回服屋を回り、一枚の服を取り出した。「2、2万円!?いやいやいや、そんな高いもの買える?」しかし、彼女は得意げに説明した。「女の子はファッションにこだわるのよ。それじゃあ着てみましょうねー」まるで5歳いかに話しているかのような口調だった。「そういえば何歳?」気になって聞いてみると、「9です」僕たち2人は驚いた。僕たちと同じ年齢だからだ。「そ、そうだったんだ」僕よりも彼女が驚いていた。口調も戻り、年下という感じではなくなった。「とりあえずこれを着てみて?」彼女は服を突き出したが、ホノカは僕の袖を持ったまま服を受け取らなかった。「お兄ちゃんが選んで」「え?」僕は面倒に思った。女の子のセンスなど分からない。僕はとりあえず黒いジャージ、黒いスカート、黒いローングTシャツに白い下着を選んだ。靴は僕のおさがりで大丈夫だろう。「本当にセンスがないわね…」値段はジャージは4千5百円、スカートは3千4百円、ローングTシャツは2千6百円、下着は千円だ。「まあ他のを試して…」僕が歩いて行こうとすると、ホノカが僕の手をつかんだ。「これで…いいです」彼女がいうなら…と5万円持っていたがたったの1万6千円ですましてしまった。
その後、お母さんにあーだこーだと言われたが、ホノカが一瞬で話を終わらせた。
しれから土曜日は大変だった。僕を彼女は話さないので食べるときも慣れない左手で食べる羽目になった。しかし、日曜日は僕が1人で家にいた。留守番を頼まれ、ホノカはお母さんとどこかに行ったのだ。その時間はテレビを見たり宿題をしたりで平和だったが、2人が返ってくるとお母さんは何か重いものを持っていた。それが一体何かを聞きたかったが、お母さんは内緒にして教えてくれなかった。なので、僕はその中身を知ることができなかった。
そういえば言ってなかったが、ホノカは僕と寝るのであった。金曜日の夜は寝ることができなかったが、土曜日はだいぶ慣れた。
そして月曜日、「それじゃあ行ってきまーす」僕が出ていこうとすると、ホノカが一緒に出てきた。「どうした…ってえ!?」彼女の後ろにはリュックサックをしょっていたのだ。「まさか…学校に来るのか?」僕がポカーンとしていると、お母さんが顔を出してきた。「そうよ。これからホノカをよろしくね。あ、そうだ。ホノカ、今からフルネームは星野穂香よ」ホノカはコクリとうなずき、僕の袖をまた持った。学校に着くと色々面倒だった。僕を持つ腕力はとても強く、外すことができなかった。そのため、僕は彼女と一緒に前へと行く羽目になった。一応いうが、僕のお父さんはこの学校の校長先生だ。お母さんはお父さんを推して同じクラスにし、僕と横の席に行かせたのだ。「なぜ…」この学校では2つの机がくっついている。そしてクラスの机で言えば3×5だ。そしてクラスメイトで言えば6×5。そしてちょうど僕の横が開いていたから運がいいといっていいのかは分からないが僕の横になったのかもしれない。しかし、他にも2つ秋場所があったので多分お母さんがわざと僕の隣を選んだのだろう。一番驚いたのは彼女のためにすべてがそろっていた。教科書、文房用具、リュックサック、黄色い帽子などとすべてがそろっていた。これを1日でやり遂げたとは思えないが、そうに違いない。それ以外に考えることができないからだ。彼女が家に来たのは3日前、土曜日はずっと家にいたからだ。2時間目のあtの10分休みにもずっと僕を持っていた。
授業中には書かないといけないので持っていなかったのはよかったが、彼女を見ていて分かったこと、いや、察したことが1つだけある。「ホノカって…天才?」最初は何も知らなかったが、教えられたことは1回聞いただけで完全に記憶してしまった。練習すれば足し算、引き算掛け算を覚えてしまった。例えば9百5十7×2百9十6をたったの16.82秒で終わらしてしまった。今じゃ僕よりも頭がいいかもしれない。
「よお、ずっと持たれてるな」僕は友達にからかわれた。「仕方ないだろ、したくてしてるわけじゃないんだから」ホノカは僕がかった服ブラックを着ている。夜には影に溶け込みそうだ。寝るときはお母さんが気づいたら持ってきていたパジャマを着ていた。これは水色に水玉模様がついている、少し明るめのパジャマだった。「少し解いてに行ってくる」僕はさすがにトイレまではついてこないだろうと考えてトイレに行くといったが、ある問題が起きた。「私も入ります」僕は今までより驚いた。「い、いや、これは男子専用のトイレだし…ホノカは女子だから無理だと思うけど…」僕がそう言うと、彼女はしょんぼりと手を離した。「はい…」僕はササっと入り、すました。手を洗って出てくると彼女は待っていて、僕の手を握った。「本当になついてるわね」僕の金曜日の夜に来てくれた友だちは僕たちをじろじろと見た。「ㇶッ」ホノカはサッと僕の後ろに隠れた。「ちょっと、ホノカが怖がってるじゃないか」僕はなぜかそういった。「いい兄になってるじゃん」彼女は生き生きと僕たちの方を見た。「そ、そうかな…というかマリナこそそこまでなつかれていないのがおかしいよ」僕はびくびくと怖がっているホノカを見た。「可愛いね」そう僕が言った途端に彼女は明るくなった。「ありがとうござます、お兄ちゃん」マリナはショックのあまりに地面に膝をついた。「ほ、本当になつかれているのね…」ホノカは僕にハグをしてきた。「…」彼女の手は小さく、僕の両手でくるめそうだった。
「それで何をするの?」マリナは僕を見てきた。僕はあるアイディアを思いついていた。「ちょっと教室に来れるかな」僕たちは黒板の前に行き、黒板に書こうとした。だが、ある問題があった。ホノカが僕の右手を持っていたため、書けないのだ。「ちょっと手をのけてくれないかな」頼むと彼女は、とても悲しんでしまった。「あれ~?悲しませてしなってるよー、どうするのー?」マリナはニヤニヤと見てきた。「ま、まあ左の手ならいいよ」彼女はぱっと明るくなり、左に移った。「ほ、本当に機嫌を取り直した…」どうやら僕が困るかと思ったのか、しょんぼりとした。「それじゃあこれを解ける?」僕は黒板に書いた。
738+262 少してこずるかと思いきや簡単に解いた。「答えは千です」僕はびっくりして問題を見た。適当に書いたが、ぴったりになるとは思わなかったからだ。「それじゃあこれ」僕は問題をかいた。しかし、すべて暗算で答えられた。「や、やっぱり…」僕は彼女が天才だということを確信した。「あ、チャイムが鳴ったね、席に戻るか」僕たちは自分の席に戻った。これは算数だった。算数では最近ずっとテストばかりやっていた。だが、僕たちは簡単に終わらせてしまった。そしてその後はホノカが僕の腕をずっと持っていた。「授業中だよー…」僕はできるだけ小さな声で彼女に知らせた。「大丈夫です、見つからないので」彼女は自信満々で言ったが、僕はこう思っていた。(だからそれが問題じゃないの)少しすると時間が終わった。「それではテスト用紙を集めます、後ろから集めてください」僕は立ち上がり、左から前にいるクラスメイトの用紙を集めようとしたが、僕と同じ場所にホノカが入って来た。「ちょ、向こうから髪を集めないと」しかし、彼女は譲らなかった。なので、すこし脅すしかなかった。「向こうから行かないともう触らせないよ」僕が添い言った途端に彼女は反対側から紙を集めだした。
よかった…のか? 僕は一瞬悩んだが、とにかく回収することに集中した。「…」それからホノカは少ししょんぼりとしていた。肩の力が抜け、話す量が隥ってしまった。「どうした?」僕が聞いても「何でもないです…」小さな声でつぶやくだけだった。まるで僕がやったかのように見えてしまうので(事実だけど)僕はどうにかこの暗い空間を消そうとした。「それならこうしたらいいんじゃない?コソコソコソ…」突然後ろからマリナが僕の後ろにいた。「え!?ッ…」僕は聞いた案に対して顔がリンゴのように赤くしなっていた。「いやいやいやいや、まだ小4だしダメでしょ」僕は首がもげるほど左右に振った。「そう―?私なら喜ぶけど、まあ誰にやられるかで変わるけど…」「しかも僕たちはまだ3日半ほどの付き合いだよ?」「試してみないと割らないじゃない」その横で不思議そうに僕たちをホノカが見ていた。「どうしたの?」彼女は今のちっとも空気を読めていなかった。「?」彼女が僕を見てきた途端にマリナが僕を推してきた。「おわ!?」僕は完璧にバランスを崩し、ホノカさんにめがけて倒れこんだ。「ッッッッ!?」僕たちの…がくっついていた。僕は慌てて起き上がり、誤った。「ごめんごめんごめん」しかし、彼女はまったく気にしていなかった。「やわらかい…」僕は目をぱちくりとした。「へ?」「やわらかい…もう一回」彼女は僕に飛び込んできた。「ハハハハ」マリナは地面で笑い転げていた。僕の顔は完全にトマトだっただろう。「これは何というのですか」ホノカはマリナに向かって聞いた。「え?えーっとー…キス…」彼女は動揺していた。「どうしてするんですか」彼女が興味津々だということは分かるが、今の状況を読んでほしい。「え…えーっとー…」彼女まで赤くなっていた。「こ、恋…人…」彼女はそういうと、地面に倒れた。「あ…」僕は彼女を持ち上げ、保健室まで運ぶ羽目になった。「よろしくお願いします」僕はそういうと保健室を歩き出ていった。気づいた時には顔の赤色が消えていた。「お兄ちゃん、どうでした?」ホノカは自分が原因なのかと思っているのか分からないが顔から見て心配していた…ように見えた。「大丈夫だよ」彼女はほっとしていた。「ありがとうございます、何か悪いことした気がして…」
「そうだったんだ」僕は少し安心した。「それではお兄ちゃん、」彼女は僕に近寄ってきた。 ま、まさかまた… 僕はつばを飲み込んだ。「教室に帰りましょうか」彼女にそう言われ、僕はほっとした。「???」彼女は僕が考えていることを分かっていなかった。まあいいけど。
昼休みになった。給食が終わると、僕はいつものように席で空を眺めようと思ったが、今回は違った。周りに大群だ。「どこから来たの?」とか「何でヒカルになついてるんだ?」とか「2人はどういう関係?」とかめんどくさかった。なので、僕はホノカを担いでそのワイルドな場から脱出した。「わー、お嬢様みたーい」後ろでそうも聞こえたが、僕は気にせず走り続けた。「やっと逃げれた…」息切れながら僕は普通誰も通らない静かな廊下に来た。「別に逃げなくてもよかったのでは?」彼女はあの状況を全く理解していなかった。「いや、あれは絶対に逃げたほうがよかったよ。まあ逆に問題を付け足したけどね」僕が彼女と逃げだしたのはもう一つの理由がある。彼女が答えすぎたからだ。彼女はすらすらと台本を読んでいるかのように質問を答えていた。答えられては面倒なので彼女も連れてきたのだ。しかし彼女を担いでいて気づいたことが一つある。彼女って…「ろくに食べ物を食べてなかったでしょ」彼女はハッと僕の方を見た。「そ、そんなことないです…」しかし、僕は確信していた。「胸の骨が感じ取れたよ、それに僕と最初にあったとき、服はボロボロで髪も汚く、乱れていた。しかも靴を履いていなかった。一番わかるのは常識を分かっていない。キスというものが何かもそれはすることが外いことだとも。これは普通異常におかしい。今まで何をしてきた」僕は真剣だった。「私は…」彼女はそこまで言うと口を積むんだ。その代わり、僕にキスをしてきた。「!?」彼女は少しの間その状態でいた。声が出ない。出せないのだ。「…」彼女は何も言わなかった。過去のことを思い出しているのだろうか、分からないが、分かることがある。
彼女から…悲しい、悲しい気持ちが伝わってくることが。
「ごめん…」僕は何か悲しい心がともって誤った。「大丈夫ですよ、お兄ちゃんの所為じゃないですし」彼女は僕の額に手を当てた。「涙が出てますよ」僕はいつの間にか目から涙が出ていたのだ。無意識に。心のどこかで悲しい気持ちが漂っているのかもしれない。「ありがとう、でもホノカも涙が出てるよ」僕はお返しに彼女の涙を拭いた。「しょっぱい…」僕がぼーっと下を見ていると、突然彼女が言った。「?っておい、普通、人の涙舐めないだろ!」小さな声で叫んだ。大きな声で叫んだら面倒なことになるとわかっているからだ。「涙?聞いたことない名前ですね。でもこの水がどんな味かを確かめたくて…」
まさか…涙を見たことない?しかしそんなことがあるだろうか… 僕は自分の耳を疑った。彼女が涙の味を知らないということはまだあり得るが、涙という言葉を聞いたことがないということは完全におかしい。
今までの人生、いったいどこで何をし生きてきたんだ… 質問は無限に浮かんだが、声に表すことができなかった。口を開けても息しか出てこない。僕は怖いのか?彼女がまた泣くことに。それともただ答えを知りたくないのか…僕はどうして昔からこうなんだろう…。僕は昔からこんな状況になると声が出なかった。何かを追うとしても声が出ない。それが悲しかったんだ。悔しかったんだ。今までそれが原因で沢山の友達をなくした。でも彼女は無くしたくない。彼女は無くしたくない。絶対に。 気が付くと僕の目からは涙がボロボロと出ていた。句碑から出てきた言葉はこれだけだった。「好きに…していいよ…」彼女は意味をわかっていなかったが僕はもう声が出なかった。地面に崩れ落ち、気を失った。その時、夢を見た。どこかの工場だろうか、大きな2つの煙突からは煙が黙々と出ていた。僕は中に入ってみた。しかし、そこで見たのは機械でもない、大人でもない、子供だ。弱った、空腹の子供たち、与えられる食べ物は1日茶碗1杯、給料ももらえずにただ働きだ。寝ることのできる時間は最大5時間。ブラック企業と言ってもおかしくない。
こんなのおかしい。人間は平等じゃないのか 僕は周りを見た。遠くにいたのは…ホノカだ。彼女もそこではたらいていた。ただ働きで。彼女は見た時よりもひどく、目の下には熊もできている。皆はだしでからだをまもる服は1枚の皮で作られた服だ。冬もこうなのか、少しは真面なものを貰えるのだろうか。すると、ホノカがこけた。体力がないに物の入った箱を持っていたからだ。それを見た大人がいた。ムチを手に持っていた。「こら!そこ、ちゃんと仕事をしろ!」彼は鞭を彼女に振り落とした。
やめて!やめて!!!! 僕が走り出すと、前が暗くなった。「ん…」気が付くと、ふかふかな何かの上にいた。目を開けると天井が見えた。きれいな白い天井が。あの夢の中にあった金属の天井とは違う、優しさが漂う天井が。僕の上には掛け布団が敷いてあった。どうやら僕は今、保健室のベッドで寝ていたらしい。ベッドの横ではすやすやと寝ているホノカがいた。「グ…」僕は夢の中でのひどい扱いがよみがえってきた。「ホノカはそんなひどい扱いをされて来たのか…人生のこと、ちっともわかってやれなくてごめん」僕は彼女の頭をなでた。
その時から僕は決めた。「いつかあそこをつぶしてやる。あんなのは許せない」夢だとわかっていてもあれは事実だとわかっていた。あそこの生活に耐えきられなくなってどうにか脱走したのだろう。彼女の賢さが脱獄を可能にしたのだと僕は思う。しかしいつまでさまよっていても行けないから誰かに拾ってもらおうと思った。そこへ僕が現れたということか。「僕は必ず君を守る、絶対に。命を懸けてでも君にあの人生をまた送ってほしくない」
絶対に
「んんん…」彼女が突然目を覚ました。起きた途端に彼女は服を脱ぎだした。「ちょ!?」僕が慌てて止めたが、もし求めなかったら僕が変人だ。「すみません、昔ではいつも着替えていたから本能で…」僕は少し安心した。「寝るときには服をもらってたんだ」彼女は僕をじろりと見てきた。「どうしましたか?」「い、いや、何でもない」このことを知られては困る。夢の中で彼女の過去を知ったことは秘密にしておきたい。
「でも、おはようございます」彼女はかすかに笑った。「いや、今もう2時だよ」どうやら気絶してから数時間ほどたったらしい。保健室にあるのは柱時計だ。学校に柱時計があるのは珍しいだろう。しかも保健室にあるのは普通おかしいと思う。「ゥ…今晩は…」彼女は時間を間違え、しょんぼりとしていた。「まあ、過去のことは知らないけどまあこれからもよろしくね」僕は彼女の頭をなでた。「とりあえず教室に帰りましょう…か…」彼女は突然倒れた。
その途端に僕は何かを感じ取った。 「ガラガラガラ」突然保健室の戸が開いた。「ヤバい気がする…」僕はサッと彼女を布団の中に隠した。「ここら辺にいたと思ったのだが…」入って来た男はどこかで聞いた覚えがあった。
思い出した!あの時ホノカを鞭でたたいていた奴だ! 僕の怒りは燃え上がり、今にもベッドから飛び出てとっ捕まえそうになった。だが、冷静な自分がそれを止めてくれた。「止めろ、止めても意味がない。今は何一つ情報をつかめていない。今は隠れることに集中しよう」僕は冷静になり、ベッドの中でじっとした。
「ここか」奴はすぐ横のベッドをめくりあげた。1つ横に行かれてはもうだめだ。「もう…ダメか…」しかし、その時に応援が来た。「すみませんが出ていってもらえませんか。ここには関係者以外立ち入り禁止なんですけど」保健室の先生、藤方先生だ。「いや、探している人がいたのでな。ここにいるということは分かっているのであるよ」しかし、フジカタ先生はそう簡単にだまされなかった。「誰ですか?いったいなぜ探しているのですか?その子とはどんな関係ですか?親ですか?親戚ですか?」彼女はとっさにも質問攻めをした。「くそ…」どうやらついに力任せで解決しようとしたのだろう。しかし、フジカタ先生は勉強以外も優秀だ。僕が聞いた噂では…「とっととくたばれ!」奴は先生に向かって殴りかかった。「それはこっちのセリフです」空手、柔道、合気道、すべてで黒帯だとか。「わ!」 ドスン! とても大きな音を立て、奴が地面にたたき落とされた。先生が投げ飛ばしたのだ。しかし、腕をつかみ、地面に投げつけたため地面にたたきつけられる時に感じる痛みは倍増、耐えれるわけがない。「ゥ…」奴は地面で腹を抑えて倒れていた。「まあ、この侵入者は警察にでも届けるとしましょうか。出てきていいですよ、そこにいるのでしょう?2人。もう大丈夫ですから」僕はごそごそと出てきた。「よくわかりましたね」僕は彼女に感心していた。「ゥ…ゥゥ…」突然ホノカが奴を抱きしめた。「え?僕は今いったい何が起きたのかを把握しきれなかった。」「こ…ここにいたのか…」奴はすこし腹痛が収まったのか、地面に座った。「大変な無礼を申訳なかった。彼女のことが心配でここへ参った」僕たちは目をぱちくりとした。「ということは…別に悪者ではなかったということか…」僕はほっとした。声が似ているだけで見た目は違うのが分かった。
「しかしさっきは驚いたですよ、質問しただけで突進してくるというのは…」先生は彼はじっと見た。「すまなかった、あまりにも質問の量が沢山だったもので脳が動転してしまった。謝罪させてもらう。本当にすまなかった」彼は先生に向かって土下座をした。先生の弱点、それこそが…「ちょと…止めてください、別に悪者じゃないとわかったのならいいですから」『土下座』である。クールだった先生が突然おどおどとした心細い先生へと変わってしまった。「それで、ホノカに何か用事があって来たのですよね、それはいったい何ですか?」僕はただ興味があって聞いた。「ホノカ?誰のことだ?」彼は僕を見た。「誰のことって…」僕は彼女を指さした。「まさか適当な名前を…」僕はすこしびっくりした。「適当な名前とは…」「まさか彼女に聞いたか?」僕は記憶を行ったり来たりしたが、僕が彼女に名前を聞いた覚えなどなかった。他の人が聞いていたか…「確かに聞きました。僕の友だちが、ですけど」彼はやっぱりねと言った。「どういう意味でしょうか」僕は完全に興味がわいた。「彼女は多分、できるだけ溶け込みたかったんだよ思うのだ。また追い出されないためにな」彼は少し暗くなった。「追い出される…とは…」その場は少し暗い空気がさまよっていた。「彼女は前にも1回拾われたのだ。最初は可愛がられていたのだがだんだんと不気味に思わられてな、それが原因で1度追い出されたのだ。なのでまた同じことが起きてほしくなくて自分が好きになった人のゆうことをすべて聞き入れることにしたのだと思う。何か命令してみろ」とりあえず簡単な命令をしてみた。「お手」彼女はちゃんと僕の手に彼女の手を置いた。「いや、犬とかそういう命令じゃなく他の話だ」「それじゃあ…キス…?」僕は一番最初に考えることができた命令を言った。しかし、すぐにその命令はやりすぎたのだと悟った。しかし…「チュ」彼女は迷いもなくキスをしてきた。「今度はえらい大胆な命令だったかそれはどうでもいい。今彼女に命令できるのはそなただけなのだ。そなたが命令すれ全裸にもなるぞ」僕は想像もしたくなかった。「そんな変なことを言わないでください!」その横でポカーンとホノカが見ていた。「そろそろ戻らないと…」しかし、そう簡単には戻らしてくれないのだった。「そっちのクラスは今体育、そこまで習うことはないでしょう。どうせ行っても意味がないのでずっといましょう」「ウウウウ…」僕は仕方なく地面にすわった。「長引きそうだ」僕が聞いている間、ホノカは僕を遊び道具として使っていた。ってえ!?なんで!?僕はどうやら彼女が登ったり下りたり、服の中に入ったりと暇つぶしに絶好のものらしい。それを他の2人はニコニコと見ていた。しかし、そのニコニコはちょっと違う意味だった。「それで、これから彼女はどうするだ?」彼は僕の方を見た。「どういう意味でしょうか」僕は不思議そうに見た。「これから彼女をどうするのか聞いているのだ。」僕は考えた。「でもまあ知り合いが戻ってきたのなら彼と言った方がいいと思うよ。彼の方が付き合いも長いだろうし」僕はそれが一番いい方法だと考えた。彼女のことを知っている親がいるのならその人たちに世話を任せるのが一番いい。悲しいけど僕はまだ彼女とは4日の付き合いだ。彼なら何カ月、何年と付き合いがある気がした。
これが…一番いい方法なんだ 僕は彼女のことを諦めた。しかし…「お兄ちゃんといたい」彼女は僕を抱きしめてきた。「へ?でも彼と一緒にいたほうがいいんじゃ…」しかし、彼は首を振った。「私がいるところには帰りたがらないだろう。ある事情があってな…私は何一つ解決するすべもないのだ」彼は悔しい顔をした。「そうなんですか…」僕は彼があの工場で働いていることが分かった。恨みを持ちそうだったが、彼からは優しさが伝わって来た。「どんな仕事ですか」僕は彼から情報を得られるかと思い聞いた。そして彼はぺらぺらと話…すところだった。「私の仕事はッ…」ホノカが彼が話すのをキスで封じたのだ。「ッ…」彼は顔が赤くなっていた。大人だからだろうか、それとも人間だからだろうか。「言ってほしくはないので」彼女はすぐに僕へととびかかってきた。見た目は静かでおとなしそうだが、暇なときは闊歩圧的だ。体は痩せているのになぜか体力が沢山ある。あそこで働いていたから体力が付いたのだろうか。その力は役に立つだろうが、その力を習得する前に大変な事をされたから貰いたいとは言わないし、うらやましいとも言わない。少しはうらやましいけど。だって彼女は可愛いから。
と思っていると…「ハムッ」彼女が僕の耳をパクリと食べた。そこまでかたいものを食べていないからか口のかむ力は強くなかった。しかし、強くなかったのが問題だ。耳がむずむずとした。とてつもなく。「僕の耳が一体何だと思っているんだ…」僕は彼女をのけようとした。しかし、かのじょは僕の服を持ち、そのままなめたりしていた。「同じ年なのに赤ちゃんみたいだ…ッ…」どうやら僕にもくすがれると感じる急所があったらしい。僕をそこまでくすぐっても笑わない。昔からそうだった。別にくすぐっても何一つ感じなかった。触られているということ以外は。「ッ…」僕はどうにか彼女を引き離すことができた。仕返しをしようと思い、耳を軽くくすぐった。すると、彼女は何かに耐えていた。しかし、耐えきれなくなったのか、首をぶんぶんと振り出した。「あぁ…」彼女は笑うのを耐えていたのだろう。彼女の肩がプルプルと震えていた。「そういうことなら引き取ります。昔のような事にはさせませんから」僕が気を取り直して言うと、彼は僕を不思議そうに見た。「昔のこととは…」僕は慌てた。「知りません、知りません、工場のことなんか知りませんから」彼は僕をじろりと見た。「そなたは嘘を隠すことが苦手であるな、知っているなら打ち明けるしかないであろう。私は確かにその工場で…」その途端に藤方先生が黙らせた。手でだ。「それを言うとまたやらされますよ」2人はあの工場のことを何か知っているらしい。「教えてください」僕は真剣だった。「教えることはできないわ。でも教えることができるのは私が昔、そこにいたということよ」彼女はそういうと、どこかに行った。「とりあえず彼女をよろしく頼む。またいつか会おうではないか」彼は窓から飛び降りた。「あ、ちょ」しかし、ここは1回だということにすぐ気づいた。だが、彼はとても走る速さが速かった。僕が最後に見た時はもう500mは遠くにいた。「ねえお兄ちゃん、」ホノカが僕をつついた。「ん?どうしたんだ?」彼女を見てみると、戸の方を指さしていた。「誰かが覗いています」僕は驚き、戸を思いっきり開けた。「キャ!」戸の前にはクラスメイトがいた。
「それで、なぜ覗いていたんだ」僕はちょコリと座っている彼女に向かって聞いた。「ちょうど保健室を通りかかる時に話している声が聞こえてつい…すみません」彼女は許しをもらうためなら何でもするといった。変なことをさせようと思ったが、一番いい方法を考えた。「それじゃあこのことを他の誰にも言わないこと、それを破ったらどうなるかわかってるよね」僕は他の誰にも知られたくないから脅すしかなかった。「まあ、これからよろしくね」僕は手を差し出した。「はい」彼女と握手をした。すべすべなてだった。しかしそこへ…「ハムッ」ホノカが僕たちの手にかじりついた。いたくはなかったが、何か変な感じだった。「あ、ちょ」僕は慌てて手を振り回した。すると、バランスを崩し…壁にぶつかった。頭から。
「いたたたた…」しかし、その上からホノカと彼女がのしかかって来た。「グェ」ホノカだけならまだしも、僕と同じほどの花序が一緒に乗っかれば僕は重く感じた。「いたたた…」彼女は膝をさすっていた。「!?ごめんなさい、ごめんなさい」彼女は慌てて誤った。「それよりのいてくれるとありがたいんだけど…」僕は地面で力尽きていた。「あ、ごめんなさい」彼女は慌てて僕から飛びのいた。「そこまでかしこまらなくていいよ、別に頭を打っただけだし」僕は痛みが引いてから言った。
「ちょっと見せてください」突然ホノカが僕の頭に飛び乗って来た。「あ、ちょ!?」バランスを崩し、僕はまた壁に倒れこんだ。しかし、今度はホノカが頭を打った。「う、うぅ…」彼女は頭を抱えて卵のようになってしまった。「あははは…」僕はとりあえずホノカを背中に担ぎ、走っていった。
『それで、どんな子だった?』角から声が聞こえてきた。「とてもやさしいけどややこしい、普通の女の子と少年でした」彼女はその角に向かって言った。『そう、それならこれからも監視、よろしくね』彼女は頭を下げた。「はい」