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エンディング

正式に王配に決定して、エリザベス様と会う頻度が多くなった。エリザベス様は会うたびに愛を囁いてくれるから、恥ずかしくて、ついつい俯いちゃうけど、僕もちゃんと愛を返す。


姉様とサイラス君も正式に婚約して、先に結婚した。姉様は次期伯爵として領地を、サイラス君が商会を担うことになった。


サイラス君は姉様や僕ほどの魔力はないけど、その分知識が凄い。サイラス君が開発した魔道ドライヤーも爆発的に売れている。僕が手伝わなくてもダーンリー家は安泰だ。


僕は僕で王配に決定したとは言え、エリザベス様の隣に並ぶため頑張った。水と火魔法を駆使して、天候をコントロールすることに成功した。


雨が降らないところや、陽が陰るところに出向いて、雨を降らしたり、雲を晴らしたりしている。エリザベス様ったら、これは、僕の聖なる祈りだ! と触れ回っているけど、僕、聖魔法は使えないんだけどな。僕が天候魔法を繰り出すときに、エリザベス様が聖魔法でキラキラとした光を僕に当てるんだ。そんなことするもんだから、みんな僕のこと神格化していて、居た堪れない。



そうして、僕は18になり、学園を卒業する。エリザベス様は僕が16の時に結婚しようとしていたみたいだけど、女王陛下に卒業するまでダメだと言われたらしい。


卒業したから、僕達はようやく結婚できる! 僕も思春期だから、色々我慢が大変だったんだ。僕の苦労も知らず美しく積極的なエリザベス様を前に、何度嗜めたことか!


ただ、エリザベス様の方が全てに置いて強いから、僕の苦労が報われることはなかった。どうにか婚前交渉だけは踏みとどまった僕を褒めてほしい。


結婚式当日、エリザベス様のウエディングドレス姿が美し過ぎて、魔道映像機に魔道カメラを開発した姉様には頭が上がらない。この姿を永遠に見れるなんて、素晴らしい。


いつも、エリザベス様が僕の道を示してくれるし、リードしてくれる。でも今日だけは僕のリードでもいいよね?


誓いの言葉を交わし、誓いのキスの番だ。



◇◇◇


妾の愛しいヴィクターが、バージンロードの先にタキシードを纏って待っている。ほんに美しい。銀髪に神秘的な紫の瞳が一際輝いている。


ヴィクターは見目だけではなく、心まで美しい。憎きアーノルドを断罪したときも、減刑を申し出たし、天候に左右される民達のことを心配し、終いには天候魔法を開発し、おかげで不作知らずだ。


妾の大事な民を大事にするヴィクターは、まるで女神…コホン、神のようだ。妾は少しヴィクターの素晴らしさを触れ周り、少し光を当てるだけ。


おかげで民達の支持が厚く、王配として立場を不動にした。ほんに良き男だ。妾の見る目に間違いはなかったのだ。


サイラスは、妾の心をすぐに察し、自分の欲しいものはソフィアだと打ち明けてきた。茶会で一目惚れをしたそうな。ふむ、なるほど。これは手を組まねばならぬな。ソフィアめ、自分の商会のためにヴィクターをなかなか手放そうとしないし、目の上のたんこぶとはこのことだ。


だから、妾はサイラスを遣う。妾の命で魔道具を開発しろと言えば、ソフィアも受け入れるしかあるまい。あとはサイラスの腕次第だが、さすが、要領の良いサイラスは魔道具開発も成功させ、ソフィアの懐にも潜り込んだ。


アーノルドは短慮であるから、妾がヴィクターを可愛がっていると暗に示せば、勝手に行動してくれた。階段から突き落とした時には肝を冷やしたし、殺してしまおうかと思ったけど、サイラス他、影達に命じていたおかげで、ヴィクターが無事で良かった。


やかましい公爵家もアーノルドの減刑を引き合いに静かになった。


賽は整ったと思ったのに、女王陛下よりヴィクターの卒業まで待てと言われたときは、絶望を感じた。だから、今日は待ちに待った日だ。


ヴィクターが可愛過ぎて、もう食べちゃおうかと思っていたが、ヴィクターめ、ギリギリのところで抵抗してくる。でもそれも終わりだ。


誓いの言葉を交わし、誓いのキスだ。


妾のベールを上げる手が骨ばっていて、妾のそれとは違う。妾のために剣も武術も頑張っていた。見上げて微笑む。妾より小さかったし、初めてキスした時は同じ目線だったのに、随分と男らしくなったものだ。


ヴィクターは妾の顎を持ち上げ、キスをする。あ、妾からキスしようと思っていたのに! 何度もキスをしたが、ヴィクターからしてくれたのは、初めてキスした時以来だ。思いがけない行動に頭が真っ白になる。


長めのキスをし、唇が離れたと思ったらペロっと舐めてきた!! なっ! なんていう色気を漂わせているのだ! そのような顔を他の者の目の前でするなど、けしからん!


「エリザベス、僕の唯一。今夜は今までの仕返しをしますから、覚悟してください」


と耳元で囁く。妾は腰が砕けそうになりながら、毅然とした態度を取るも、内心動揺している。いや、期待か? いずれにしても、今夜は覚悟しよう。





以上で終了です! 最後までお読みいただきありがとうございました!!

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